7/27の滴り「自由?不自由?ファッション~ドレス・コード?展へ行ったのさ~」
会社に
真っ黒いロングロングストレートヘアをひとつに束ねて
いつも真っ黒いロングスカートやワンピースをダボっと着ている女の子がいる。
彼女を目にした上司が「なんだか魔女みたい。暗いなぁ・・・」と言った。
私はその言葉に何も返さなかった。
私は魔女みたいな彼女のスタイルがとても好きだったから。
会社に
いつも身体の線がぴったり出るお洋服を着る女の子がいる。
タイトミニスカートもぱっつんぱっつん、わき肉もくっきり。
高めのヒールもどこかぎこちない。
なんでもっと「普通」にしないのかな、やっぱり国際部にいるとちょっと際立つような恰好をしたくなっちゃうのかしらん、などと思ったりもした。
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東京オペラシティアートホールで開催されている
「ドレス・コード?-着る人たちのゲーム-」を観てきた。
入ってすぐに1770年に作られたお衣装と
それを着用した
「イノサン」のマリーアントワネットとマリー・ジョセフ・サンソンの絵が!
マリーしゃん、かっけ~~~~~~(#^^#)
12のテーマに分かれた今展覧会。
「裸で外を歩いてはいけない?」
から始まり
「組織のルールを守らなければならない?」「見極める眼を持たなければならない?」「他人の眼を気にしなければならない?」
といった感じに
各テーマは常に問題提議をされている。
裸でいることが「恥ずかしい」という認識を持った人間は、服を纏うようになり、その服は役割や社会的地位を表わすようにもなり、機能のためとなり、やがてそういった意味は単なる記号・デザインとなりファッションとなり、そして服はその人の個性や物語性を持つようになる、
という変換を見ることができた。
シャネルスーツのようにジェンダー問題を象徴していたものが時を経て逆にジェンダーをがんじがらめに縛り付けるものとなっていったり、
美術をも布に転写しファッションに取り込まれ「教養を身につける」ようになるほど、ファッションは自由であり、着ているその人を表わすようになるが、
ハンス・エイケルブーム「フォト・ノート」で、
世界中の待ちを歩く人々を特定のファッション(例えばライダーズジャケットを着た人たちとか)を纏った人たちをひと固まりにして撮影されたものを見ると、
個性や自由というものが失われていったり、
ファッションというもの自由さと同時にどこまでいっても不自由さもあり、
個性と没個性を行ったり来たりするような感覚が
とても面白いと思った。
そんな中で気になったのは写真家・元田敬三のいわゆる「ヤンキー」とされている人たちの写真だった。
ファッショナブルとは無縁の、固定化されたヤンキーの装い。
もちろんそういったカテゴリーの中での「イケてる」というものはあるのだろうけれど、
一般的には「おしゃれ」とは程遠い独特なものなのだが、
様々なハイセンスなメゾンの装いを見た中で、一番「かっこいい」と言ってしまいそうになったことが自分でも意外だった。
そうなると「ファッションとは?」「装うとは?」という想いがフツフツとわいてくる。
メインフロアを出る前に、会場を振り返りしばし洋服たちを見渡してみた。
そこにあるのは
それぞれが大きな意味を持った展示物でありながら「意味をなくしたファッション」だった。
おもしろ~~~~~い!!!
「素敵だなぁ」と思った服も、「ダッサ」と思ったデザインも、
全て等価なものとしてそこに存在していて
私は、ここにあるすべての服を身に着けてみたいと思った。
たかがファッション、されどファッション。
しかし、たかがファッション。
しかししかし、されどファッション(なんのこっちゃ)。
着用した人の物語は服を通じて語られる。
しかし、
受け取られた物語は、その途端、受け取った者のものになってしまうのだ。
たかがファッションになってしまうのだ。
会社の魔女みたいな女の子も国際部の女の子も
自分の物語を洋服で語り、それを見た他者がまた勝手に物語を作るのだ。
そんな自由で不自由な世界を感じながらメインフロアを出たら、
都築響一さんの写真と言葉、上の階にはマームとジプシー、チェルフィッシュのインスタレーションが待っていて
やはり、強烈な物語性を持った服をまとった人たちを目の当たりにするのでした!!
おもしろ~~い!
長くなったので続く。
多分。
気力があったら。
最後に都築さんの「ロリータファッション」を纏った人たちの写真に添えられたとっても素敵な言葉を。
「時の止まった世界に生きようとする女の子たち、女の子のこころを持った男の子たち。ふわふわのコスチュームにくるまれた奥にある、だれにもさわれない硬質な結晶が、世間には見えていない。
それはフリルとレースをまとった、完璧なパンク・スピリットなのだ」
うん、誰にもわからなくたって、ファッションは全てパンクでロックなのだ(無茶ぶり)
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