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こめこピザの開発秘話

ピッツァとの出会い

社会人になって2年目くらいの頃。
私はピッツァと出会いました。

そこは、狸小路7丁目の路地裏にあるピッツェリア。
本場ナポリにいるかのような雰囲気と
窯焼きの本格的なナポリピッツァを楽しめるお店でした。

当時のピッツェリア


宅配ピザしかたべたことなかった私は
一口食べてその美味しさに感動したことを今でも覚えています。

おまかせで作ってもらったピッツァ


それから、多い時には週1回。
少なくても月に1回は通うほどハマってしまいました。
その当時ピッツァを焼いていたのが、今回コラボさせていただくことになったお店の店主、宮本翼さんでした。

宮本さんはその後、新店舗の立ち上げで江別へ。

当時通っていたピッツェリアは移転しました。

大好きなピッツァが
食べられなくなった時

移転後のピッツェリアにも度々足を運んでいましたが、
パン屋になって忙しく、なかなかお店に行けない日々が続きました。

そうこうしてたら、小麦が食べられなくなってしまいました(トホホ…)

その時、
「もう、あの大好きなピッツァを食べることができないのか…」
と頭によぎったことを覚えています。

食べられなくなる前に、もう一度食べておきたかった…

最後に食べたピッツァ


宮本さんとの再会

それから、パン屋を辞める決断をした時に、宮本さんから連絡がきました。

「ウィートフリー(小麦を使用しない)のピザ生地を良かったら一緒に作りませんか」と。

本当に有難いお話しでした。

宮本さんは、江別でピッツァのお店をされた後、狸小路7丁目のピッツェリアがあった場所に戻って「PIZZERIA DEL CAPITANO」というお店を新しく初めていたのです。


宮本さんは、ナポリピッツァ職人選手権「ツジ・キカイ チンクエチェントカップ」で日本2位。世界大会にも出場している方です。

カピターノさんは、狸小路7丁目の路地裏にあるピッツァ専門店。江別製粉さんの北海道小麦100%のピッツァ専用粉や北海道産のこだわりの食材を使用したピッツァを食べることができます。

すぐにお会いしてお話を聞くと、カピターノさんのお客様のお子さんが、小麦アレルギーとのこと。そのお客様から、「カピターノの美味しいピッツァを子どもにも食べさせたい」とご相談があり、ウィートフリー(小麦を使用しない)のピッツァを作れないかと考えていたとのことでした。

私は、「ぜひ、一緒に作らせてください」とすぐにお返事しました。

その時、ピッツァが食べられなくなった時のことを思い出し、自分もまた食べられる時のことを想像して泣きそうになりました。

小麦で作ったピッツァと100%同じものは作れないとわかっていても、食べられない人からすると、食べられるだけで、それだけで嬉しいのです。


(この先はピッツァからピザへ)
ピザを食べられない子どもにもピザを食べられる喜びを感じて欲しい。という気持ちだけで、このコラボ商品開発は始動しました。

こめこピザ開発へ


使用する米粉によって生地の食感も変わるため、北海道の米粉を取り寄せては、試作する日々。

米粉100%だとモチモチ感が強い生地になってしまうため、米粉だけではなく、玄米粉や片栗粉などを配合しながら、歯切れの良い軽い食感になるようにしました。

こめこピザクラスト


さらに、冷凍で販売するため、解凍した時に生地が固くならないように最後の調整に苦戦しましたが、宮本さんにも納得していただける生地がようやく完成しました。

「こめこピザ」という名前はシンプルでわかりやすいように。そして、ナポリの本格的なピッツァではないので「ピザ」という呼び方にしています。

ピザ生地のサイズは、お子さまが食べることを想像して小さめのサイズにしました。(直径約14cm)
朝食やお昼ご飯、軽食などにも食べやすいサイズ感。
ご要望があれば、今後大きめのサイズを作ってシェアできるのもいいかなと思っています。

ピザのトッピングは、定番人気の「マルゲリータ」と乳製品を摂取できない方のために豆乳シュレッドを使用した「豆乳シュレッドマルゲリータ」
自家製のツナとコーンでアレルギーフリーの「ツナコーン」そして、自分で好きな具材をトッピングしてオリジナルこめこピザを楽しむことができるように生地だけの「こめこピザクラスト」
の4種類を考案しました。

こめこピザの課題

と、ここで大きな課題が…

「こめこピザ」は冷凍で販売します。
ピザ生地は当店の小麦を持ち込まない工房で作るのですが、急速冷凍機はカピターノさんにしかないため、どうしてもトッピングとパッキング作業はカピターノさんで行わないといけないことに。

そうすると、100%小麦の混入を避けることができないという課題が。

当店の工房は5坪しかないため、業務用の機械をこれ以上置くこともできず…やはり、新しい工房をつくるしかないと思いながらも、すぐに物件は見つからない。

宮本さんとも相談した末、現時点でできる最善を尽くすことに。

現時点では、トッピングとパッキング作業はカピターノさんの店舗で行いますが、小麦が混入しないように細心の注意を払って作業します。
全ての小麦アレルギーの方が安心して食べられる「こめこピザ」を作ることができず、本当に心苦しいのですが…
これから先、小麦を持ち込まない工房をつくり、完全に小麦を除去した「こめこピザ」をお客様の元へ届けることを目標にします。

いつか、より安心できるものを届けられるように。

こめこピザのこれから

「こめこピザ」は10月19日(土)両店のオンラインショップで販売を開始します。
まだ販売前なので、どんな反響があるのかドキドキしていますが…
どうぞよろしくお願いします。

今後は、カピターノさんと一緒に様々な場所での販売と、こめこピザを子どもたちと作るワークショップの開催を考えています。

アレルギーのある無いに関わらず
食べる人のことを想って作った「こめこピザ」
多くの方に知っていただけますと幸いです

オンラインショップはこちら↓












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