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岡村隆史氏の発言に隠れる夜の女性の収入問題

岡村隆史のオールナイトニッポンでの発言が炎上し、本人による謝罪はもとより、NHKの叱られる系番組に関する署名にまで及んでいる。

https://twitter.com/6d745/status/1255615085109600256?s=20
ろくでなし子さんが指摘するように、今の動きはただの弱い者いじめとストレス発散にしか見えない。

そして、岡村氏が発言した中には、夜の街が孕んでいるいくつかの大きな問題が明らかになっているのだが、ほとんどの人がその問題を指摘していない。

①そもそも夜の街に女性があふれるのはなぜか


単純に言えば、「女性が手っ取り早く働ける場所がそこにはあるから」である。男性ではなく、女性である。その辺を問題としてとらえないことを私は疑問に思う。岡村氏の発言によって「夜の街で貧困の女性が働く、という習慣そのものをなくそう」という活動にならないのがおかしい。そもそも、派遣労働が女性が多いことだったり、会社の中で「女性だから」といって出世がしにくい企業風土などが問題であるべきなのに。フェミニストが批判するのはこちらの方であるべきだと思うのだが。
※事務職に女性が多いのは、家庭の事情などもあるだろうが。また、接客業(アパレル、飲食、美容系)の給料が恐ろしいほど安く、それでは生計が成り立たない、という事情も夜の街に女性がお金を求める図式を助長していると思われる。


②夜の街で働くメリットとデメリット

 先日、とあるラウンジ経営者に対して税理士と社労士を紹介し、今回のコロナ対策による補助金などの説明会を開いた。
 しかし、ラウンジで働くホステスさんを抱えるママさんの課題は解消されなかった。というか、解消されるはずがない。簡単に言うと、外注扱いのホステスさんは、給料はお店が源泉徴収しているものの、肝心の女の子が確定申告もしていない、雇用保険も入っていない(組合の保険(災害保険)は入っているが)、現金払い、という状況である。また、何人かのホステスは旦那と別居状態で、旦那に居場所を知られたくないから、税金を払って自治体に収入だけでなく住所がばれてしまう(旦那にも知られてしまう)のではないか、という恐怖感から申告しない、できない人がいる。ホステスさんにとっては短時間で高収入、現金払いという最高の手段である(そういえばバーニラバニラのトラックはどうしているのだろう)。しかし、こういう非常時には弱い。「はたらく人は税金は払うことが憲法で規定されているのに、税金を払っていない人に対して『収入の減少に応じた補償』をする」のは、違和感を感じる人も多いだろう。
 ダウンタウンの松本氏が「風俗などの人にも10万円一律補償があるのは違和感がある」というような趣旨の発言をしたそうだが、そうではなく、税金についてある程度真面目にやっている人もいるので、それは対象であるべきで、仕事に貴賎がないことが前提なら10万円一律はおかしくない(筆者的には一律給付は反対だが)。まともに見える社会人だって、節税とはいいがたい脱税行為、助成金詐欺なども多いのだから。

 ただ夜の街は、非常にブラックボックスであることは間違いなく、前述の税理士は『京都祇園界隈の人たちが全員適正に確定申告すれば、京都のGDPは1.5倍くらいになるような気がしてます。風俗業が、地方金融機関の融資を受けたり、行政の支援を受けてもいい訳です。金融や信用の在り方も変わっていくと思われますが、いずれはそうなると思います。』と指摘する。これは夜の街にとって「収入が減る」ということではなく、収入などをきっちりと申告することで「産業」としてもっとしっかりした基盤ができるのではないかという解釈だ。どんなに極端なフェミニストたちが騒いでも夜の街はなくならないだろう。しかし、ダウンタウン松本氏やフェミニストの一部もだが、夜の街の「仕事」を『下賤なもの』として見下していることが変わっていく可能性がある。


③結局あの発言から今に至る騒動で傷ついたのはだれか

あの発言で傷ついた人は、おそらく夜の街で働かざるを得ない境遇に追い込まれている女性たち自身だろう。彼女らは負い目を感じている人も多い。それが、結局男からは「遊び、性の対象」として見られていること、社会からは「夜の街」として腫れもの扱いにされていることを感じているのではなかろうか。しかし、前述したように、複雑な事情で収入が困っている人も多い。しかしこれはコロナ19の給付金以前に、社会福祉制度そのものがいきわたっていない結果である。
なので、これを解決するには一芸人さんを血祭りにして喜んでいる暇があれば、世帯でなく個人が給付金を受けられるような改善(システムや窓口のシステム化などもいいだろう)や、納税などのリテラシー教育を夜の街の人(むろん経営者もそう)に徹底すること、家庭内暴力や離婚についての対応システム(子供虐待も含む)をより強く構築することが必用なのだと考える。

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