いっちょ噛みに振り回されない生き方~セミナーに巣食う怪しい人たち~
怪しい人っているものだ。
とある保険会社の優秀な営業マンと話をしていたが、「異業種交流会とか何らかの広いテーマの講演会(これからの生き方、とか、大阪の未来を考える、とか)に行くと、必ずいる人」の話題になった。そういう人は、面白いものでなんかしら「経営層」「何らかの団体の代表もしくはそれに準ずる立場」の名刺を持っていたりする。ただ、『何をしている人かわからない』。また、何かあると『私はどこそこの社長と話をしているので、紹介できる』とか、『いい人を紹介する』ということを言うてくる。その割には『私ならその仕事ができる』というようなことは言わない。Facebookの写真は、いろいろな社長との写真だったり、何人かの人の飲み会の写真だったりする。
『出会いに感謝!』とか『このメンバーで世の中動かせる!』みたいなたいそうなメッセージでも並べば、それなりに近づきたくない人であることがすぐわかるのでいいのだが、せいぜい『またいい機会ができた!頑張る!』とたまに投稿するくらい。ところが、その『機会』がどうなったかを報告したりやっている投稿がない。なんかしらビジネスをしていることに似たような投稿はするが、よくよく考えると、その人は単に見学者のようなものである。
以前、コバンザメビジネスの話を書いたが、今回の人はコバンザメというより「いっちょ噛み」の人といえるだろう。おこぼれにあずかるというのならまだしも、「私はこういうビジネスをしている」と言いたがる人である。彼ら彼女らはいつでもネタを求めているので、前述のような場所を練り歩く。なんなら、自分が主催してセミナーを開くこともある。
自分自身の力を高めるためには良いインプットが必要である。そのためには、いい情報や経験が必要となる。各種のセミナーに行くことも良いインプットかもしれないが、もっと重要なのはその先で、そのインプットを自分の中でどう咀嚼するかである。咀嚼して、その上で自分はどう考えるか。セミナーの内容はどんなものであれ「100%正しい」わけではない。いくつかの前提が必要であったり、乗り越えるべき壁があったりする。もしくは、ある程度一方的な解釈が必ず含まれる。その部分を見抜けるかどうかが必要である。
セミナーの後、やたらと「共感した」「あれは素晴らしい」という人がいたら要注意である。その人は「いっちょ噛み」である可能性が高い。もしくはその被害者になりうる人である。「いっちょ噛み」は、同じように共感したりしている人を捕まえ、引きずりこんだりする。自分が主催の、何の内容もないセミナーに誘ったりする。「今度、○○社長と会食があるから行きましょう!」と誘ってきたりする。
そういう人がいたら、ぜひ用心してほしい。その人はあなたのことはたいして思っていない。お金を引き出せればよし、なにかネタを持ってきたらよし。でも、あなたにとっては時間の無駄である。お金も無駄である。
ワークショップなどで仲良くなっても、その後交流を続ける前に、考えてほしい。「この人と交流することで何かメリットが生まれるか」。もちろん食わず嫌いもよくないが、用心に越したことはない。自分の力で道を切り開いてきた人か、何か確かな実績と着実にやり遂げるタフさがある人か、そのあたりはすぐわかるはずである。
何でこんなことを書いているかというと、この後自分の講演会に、その筋の人が参加者でいるからである。
どうやって自分がその人から躱すか、うまくその人とまじめな参加者を混じらわせないようにするかを頭に入れながらやらなきゃいけないのが非常に気が重いのであるw