ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー
そろそろフローレンスのやり方に疑義が示されているけど、もともとあの界隈いろいろあったのが可視化されただけのような気がする。
病児保育だとかとても素晴らしい活動もあったのだけど、どうやってもそれだけではビジネスとして成立しない(行政からの補助がないと、サービスを受ける側も対価を払えないし、その払える限度額では運営側がやっていけない。)という「社会活動」は、やっぱり行政がするべきだと思います。行政の人手を削りすぎてしまっている。民間に委託したらいい、官民連携だ、新しい世の中だと言いながら、結局公金チューチューになるのは必然といっていい。とある貧困者支援の団体とかも、残念ながら現在は「貧困ビジネス」という様相を呈していると聞いた(しかも元その団体にいた人から)。
以前、フローレンスの駒崎氏は出資型NPO創設を提言していた。出資が税額控除になりインセンティブを得られるとか、配当は求めない制度とか。VCとか企業がこういった社会貢献型NPOに出資したり参画することができるようになれば、連携が加速され、社会課題が大きく解決されると。
てか、それは特例子会社のような形ででもできるでは、と思ったりするのよね。大企業なら。
で、出資型に関わらずそういったNPO活動で問題になるのは、ガバナンス。フローレンスの文京区子ども宅食事業が非常に効率が悪い(頂いた寄附や補助金のうち、食材購入に充てられているのが1%分しかない)とか、そもそも頂いた寄附に関して費用対効果が高いような手法などがちゃんと取られていて、寄附が有効に活用されているのかをだれがどうチェックするのか。実はこのへんNPOって超あいまいなところが多い(以前代表理事としてやてたNPOを潰した経験が私にはあるので全く偉そうなこと言えませんが)。だって報告書とか全部自己申告だから。なんなら出さなくてもすぐに怒られないから(ご迷惑をかけた私のNPOの関連の方々、本当に申し訳ない)
これを機に、NPOがなんらか監督官庁が厳しくチェックされるようになるとは思います。特に報酬部分と監査。
さらに、駒崎氏はロビイング活動にも昔からいろいろやってきたことがあって、
①●●(子供貧困対策、共同親権問題の改善など)対策をするべきだ!
②政治家が、票になりにくいからと動かない(特に、弱者やマイノリティの言葉は政治を動かしにくい、という認識があった)
③広報活動を行うことで、世論を動かす(「草の根ロビイスト」という言葉を彼は使い始めた。2015年頃だったかな。)
④政治家が動く(当然、補助金が付くなど)
というのが彼や、彼を指示していた多くのNPO界隈(一部実業家を含む)の視点で、その結果官民連携だとか協働だとかが進んだこともある。
もちろんこれはこれでいい面もたくさんあるけど、これも多くの問題をはらんでおり、
A 弱者、という定義をどうするのか
B 弱者に対する支援策を具体的にどうするのか
C 世論を動かすために弱者の主張を取り上げる際に、バイアスがかかっていないか
D 弱者は結局誰が救うのか
ということが、ロビイストの主張通りになってしまっていいのかという問題がある。フローレンスの暴走(?)を危惧していた人の多くはここの指摘をしていると思う。
意外や意外、Aについて、とくに共同親権だとかでフローレンス(というより駒崎氏)の主張の矛盾点とか危険な部分を指摘していたのは悪名高き?colaboの仁藤夢乃氏だったりする(数年前、子どもの虐待死事件があったときの署名活動で、駒崎氏が勝手に署名を集めるための文章を編集したことから起こったひと悶着のやりとりが仁藤氏のFBを見ると記録がある)
あと、個人的に最大な問題だと思うのは、このやり方で弱者を定義してしまうと、声なき声が拾えないことだ。駒崎氏の活動力と意思は認めるが、すべての案件に目を通しているわけでもないし、現場で支援が必要な方々と密着しているわけでもない。私が大好きな吉岡里帆が主演したテレビドラマ「健康的で文化的な最低限度の生活」など、ケースワーカーが日常如何に難しい局面に立ち会っているかを知る機会は多いはずだが。あういう方々に対しての支援をこういった方々が言い出すことはなく、「こども」、「シングルマザー」「虐待」「体験格差」など、多くの人が「わかりやすい≒政治的に動きやすい」言葉をあえて並べているのが小賢しいなとは思う。あと、Aについては、ジェンダーから身でも結構難しい問題なので当事者間でも議論(というか非難の応酬)が日常茶飯事だったりしている。
B 結局声を上げたNPOが「支援」することになるが、その支援策は当該NPOが全て決めてしまっており、費用対効果も正しいのか、行政でもチェックしづらい。あえてそうチェックしずらいように支援メニューを構築している節もある(このへんcolaboは分かりやすいくらいへたくそで会計処理も杜撰だったので突っ込まれることとなったが。フローレンスの会計はしっかりして要るっぽい。ただ、費用対効果が極めて悪く、役員報酬が恐ろしく高いことを除いて)
C 声を上げた人の主張が介在しており、EBPMであるか疑わしい(この辺意識的に行政が無視しているのは、面倒くさい案件なので、行政が直接やって批判にさらされるのが嫌だからそうしている面も見える)
D フローレンスの決算書などが公開されているが、結局フローレンスが運営する保育園にしても、保育士さんなどは決して高くない給料で働いている(保育士7年目のクラスで額面25万円とか)。社会的に意義のあることなんだし、寄附も多く集まっているのであればもっと払ってもいいのではないか。。。なぜそこをけちるのか。
いまX(旧Twitter)で話題になっているのは、③の広報活動で、有名人がこぞってフローレンスの活動を支援していたことがステマっぽいことが言われているが、たぶん発信者はステマなど思っておらず、駒崎氏と普段から親交を深めているので、友達への協力ということでやっているのだろう。こういう風に広報活動を行うこと自体は私は特に問題とは思わない。その何人かの影響力(ひろゆきとか)をわかっているうえで駒崎氏は近づいているであろうことが透けて見えるのがやや鼻持ちならないとは思うが。
結論として言いたいことは、
(1)NPOにもう少しガバナンスを利かせた方がいい。少なくとも額面数千万を扱うようなもの、認定NPOに関しては監査法人の監査を義務付けるとか。行政から数千万の補助なり交付金で活動している団体はモラルハザードが起きやすいとみている(だって自分で『稼いだ金ではない』から)
(2)フローレンスの事業は社会的に意義が高いものもたくさんある。だからこそ、変に代表(会長)の思い込みだけで政策提案をせず、例えば共同親権に反対の人など別視点の人も交えての検討会などを行うべき。
(3)ロビイングや広報活動も、透明性を高める必要がある。結局政治家なんて誰かの支援(お金、票)がないと動かないのだから、主張するならその根拠(≒吹き込んだ人)を政治家自身が明確にしながら主張をしていく必要があるだろう
(4)わかる人は分かると思うが、フローレンス駒崎氏もcolabo仁藤氏も結局一緒で、自分が正しいと思うことに突き進んだ結果、多くの人を巻き込みつつ公金チューチューと言われてしまっているビジネススキームにたどりついているので、両者とも程度の差はあれ一緒である。同族嫌悪なのかしら。
(5)実はこれが一番言いたかったことだが、弱い女性をまもろうとやっているcolabo、こども支援と言い張るフローレンスに比肩するくらい公金チューチューになりそうなのが、農林水産省の「みどりの食料戦略(オーガニック)」関連である。具体的には給食をこどもに安全安心な有機農産物へ!という活動化とか、有機農業塾や講座を主導する団体へのお金が何の成果検証も行われないままどんどんお金だけ広がっている(有機農業塾については、私は直接その効果が全く出ていないことを某自治体で地域の農業者などからヒアリングしている)。そもそも給食だけオーガニックにしても、子どもの食事のメインは家庭なのだから、順番で言えばまずは家庭でオーガニックの食品を食べさせるべきだ。高いオーガニック食品を行政が補助して給食メニューにすることは、全否定はしないけど、持続性も低いし子どもの健康への効果も少ない。そもそも給食は夏休み冬休み等があるので、供給する農家も時季が限定されるので、農業者がそんなリスキーな供給は嫌がる(気象に少しでも変化があると、納品タイミングとずれる。ずれたら買ってくれない)。まあせめてお米を有機栽培を進めて食べるのならいいけどね。あと、給食の主食はお米以外にも麦(パン、麺)があるけど、外国産ですがね。。。なので、「給食にオーガニックを!」と言うている人のほとんどはただのパフォーマーである。そのパフォーマーに農薬憎しのあほな政治家(農薬の事も農業の事も勉強していない)や農水省は流されているのが大問題だと思っている。二フラム唱えて消したい。輸出戦略とかもあると思うが、結局日本で作っても高くて売れないのよ。そして、海外でちゃんと富裕層のニーズに合わせて販路開拓したら別にオーガニックでなくても売れる(ただし、一定の大きなマーケットを取るには日本産農産物は高くて売れない。中国産韓国産シャインマスカットの方が安くてそこそこおいしいので。個人的にはこの問題どうにかする方が先だと思っている。)
(6)結局、声を上げていない、そもそも政策目的の「こども(の健康や安全や権利)」を『一部の大人』が勝手に決めつけてやっているだけではないかと思う。正義感で周りが見えなくなる人は世の中に多数いるが、、ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー(SJW)というらしい。駒崎氏や仁藤氏を全面否定は私はしない(活動している行動力は認めている)が、せめて他者から監査は受けて、その指摘を真摯に受け止めた方がいい。彼らは経営者としては向いていないと思う。
(7)吉岡里帆はかわいい
ということである。
それにしても、少し書き始めたら止まらなくなり、長文になってしまった。
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