お金と愛と人生を見つめ直す
みなさん、こんにちは。
私は以前に画道シリーズとして毎日絵を描いていたことがありました(画道400日目標の315日)が、途中で止めてしまいました。
理由は、自分自身が面白く感じなくなってしまったのと義務感のみ感じるようになってしまったからです。
止めてみて何ヶ月か経つと少しづつ絵を描きたくなってくるもんなんです。不思議なものです。
そこで最近ではオリジナルを追いかけるのではなく、簡単な模写を描くようにしました。しかも5分くらいのみということにして。
すると、再び絵を描くのが苦痛ではなくなってきました。好きな絵の模写と、時間も敢えて5分のみという制約を加えたことで気楽に描けるようになってきました。
そうすると本当は自分が描きたい絵の方向性というか、目指すイメージや憧れる絵(画家)のエッセンスをまず自分自身に大量にストックしたいという思いが強くなってきたのです。
それは、まるで自分の気持ちに潤滑油が挿されたような感じでした。
私自身がアートに興味を持っていたので、アートのパトロンを主人公にした映画に興味を持ったのはごく自然な流れでした。
今回ご紹介する映画は、「 ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪(字幕版) 」です。
グッゲンハイム家というのがアメリカの大富豪というのは広瀬隆さんの「 アメリカの経済支配者たち (集英社新書) 」で書かれていたので知ってはいたのですが、本人の映像や生の声が聞けたのは驚きました。
本作品を見ると、アメリカの現代美術が今のように巨大なマネーが動く市場に成長したのはペギーさんが現代アートのアーティストたちのパトロンになって生活の援助をしていたことが非常に大きかったことがわかります。
なぜならば、ペギーさんがナチスの手から自分が保有する作品をフランスのルーブル美術館に預かって貰おうとしたときにルーブル美術館は価値のない作品は預かれないと断るのです。
それで彼女は活動の拠点をロンドンやニューヨークに移し、より一層現代美術のアーティストと個人的にも関わり彼らの作品を保有し世界でも有数の現代アートのコレクターになるのです。彼女は最終的にはアートビジネスとしては大成功を収めますが、家庭生活(特に娘とは)においては恵まれませんでした。
本作品を見ると、まだ世間から評価されていないアーティストにとって作品に文句をつけないパトロンというのが大きな存在であることが分かります。
抽象画で超有名なジャクソン・ポロックさんがペギーさんに譲った価格は当時で数百ドルだったとインタビューで答えていました。月のお手当が300ドル。当時ではそれでもそこそこの価値だったそうです。その後彼の作品の評価が鰻登りになっていったのは周知の事実です。
私自身を振り返っても、経済的に安定しているから「まあ、絵でも描こうかな」という気持ちになっているのは否定できません。
ジャクソン・ポロックさんが室内のペンキ職人として生計を立てていたのも頷けます。
アートとアーティストの間の金の問題も大きいですが、転売したほうが価値が上がるという側面は資本主義なので仕方がないとも言えます。転売することで、逆に価格が下がるのもあります。
アートというのは、現段階での人気も価値を左右するからです。アーティストにとっては、因果な商売とも言えます。この問題はここ数百年の問題です。なかなか簡単には解決しないと思います。それ以前は、貴族や王、日本では藩主や幕府など時の権力者の庇護が今で言うスポンサーやペギーさんのようなパトロンにあたります。
本作品は、お金という視点よりもペギーさん自身が純粋にアートに惚れ込み、アーティストたちの自由奔放な生き方にスポットを当てている点が人間ペギー・グッゲンハイムとして演出されている点が好感を持ちました。
私としては、この人が母親ならかなり引いてしまったでしょう。
しかし、アーティストを評価し支援した良きパトロンとしての立ち位置だけならアート市場の功労者であることは間違いありません。
人間というのは全ての面で幸福になるのは難しいのでしょうか?とつい考えてしまいました。
細く長く生きるとか太く短く生きるとか昔から言われますが、どのように生きるかというのは本人の考え方次第なんだな〜〜と思ってしまいます。
お金と愛と人生を見つめ直すのに打って付けの作品です。
それでは、今日はこの辺りで終わりにしましょう。
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