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「直美(ちょくび)」ってシーリング制度のせいだよね?【医療業界】

美容クリニックが乱立してレッドオーシャンになっている。
この状況下で、ライバルの多い美容医療に進路を取る医者はバカだと思う。
特に研修医直後に「直美」する奴は基本バカだ。
何のスキルもないのに、これだけ飽和した美容業界で勝ち残れるわけがない。
まあ以前の記事にも書いたとおりだけれど。

ここまで「直美」が増えた原因は「新専門医制度のシーリング」のせいだ。
もう犯人として断定していいと思う。
今回の記事はそのあたりを訴えている。

興味があったから厚労省の資料を改めて見てみた。
すると、2018年から順調に美容医が増加ペースなのよ。
いや、それ以前から増えてはいるのだけれども、
増加の勾配が強まったのは2018年近辺なの。

「ここで何があったか?」っていうと、
(知っている人は知っていると思うけど)新専門医制度が始まった年だ。
ちょうど、その年と美容外科医増殖のタイミングが被っている。

この制度の改悪ぶりは多すぎて書ききれないくらいで、
とくに酷いと思うのが「勤務地の縛り」だ。

都道府県と診療科で、研修できる医師の定員が(勝手にお上に)決められてしまい、
思うような立地で、思うような診療科に進めなくなる若手が増えてきた。
これは「僕が思う」とかじゃなくて、事実ベースなの。

特に東京などの都心で人気の診療科(皮膚科、眼科、精神科)を専攻するのは大変。
よー分からん専門医機構のシステムから、
「東京じゃ眼科は研修できませんので、埼玉とか千葉の奥地でやってね」と言われる。

「うーん、東京に残りたいけれど、外科は嫌だし。本来眼科やりたかったわけだし、でも地方は嫌だし」とあれこれ悩む研修医。
そうなると研修医の心理としては「東京残れないなら、もう保険はいいや。東京の美容外科いったろ」ってなるわな。

かくいう僕もシーリングに引っ掛かりそうになったとき、
「もう面倒くさいし、美容でいいや!!!(笑顔)」って気分になったのを覚えている。
バカらしいものね、いろいろ。
一方的に地方に飛ばされたり、希望しない科にあてがわれる。
嫌だよねえ。
今の若い人の気分はよく分かる。
僕もそうだったからねぇ。

YouTubeで「直美はけしからん!!」ってしたり顔で説教するオッサン医師もいるけど(誰とは言わない)、
それはその当時のオッサンの時勢がそうだったからであって、
今の世代とは置かれている状況ちゃうやん・・・。
発信とか銘打っているけど、未来の商売敵を減らそうという魂胆も見えちゃって、
やっぱり相応に気持ち悪い。

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