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BR:世界一のアントレプレナーシップ・後編

先日取り上げた山川恭弘さんの著書「世界一のアントレプレナーシップ」の残り3分の1を読み終えたので、印象に残った部分を取り上げつつ、トータルで感じたことを書きたいと思う。

前編、中編については、以下のリンク先にてご確認ください。

5章「自らを律する」

印象に残った文章を書き出すとこんな感じ。
- 先人たちが残したものたちには普遍であり不変なものがあり、それが新しいものを生み出す源泉になる
- 自分自身にとっての普遍、不変の源泉は何か?
- テクノロジー、アイデアは、それだけではただの「道具」または「素材」に過ぎません。どう活かしていくかは、人に委ねられています。だからこそ、それを活かす人には、創造性だけでなく、倫理観が求められるのです。
- 正義とは主観だということです。つまり、人によって、変わるものです。そして、最も怖いのは「正義感は視野を狭くする可能性がある」という点です。つまり、正義は主観的、相対的なものだということに気づきにくいのです。
- 「自分はどうあるべきか」を考えるのが倫理です。起業家ならば「自分の事業はどうあるべきか」を考える、それが起業の倫理です。
- 悩んだとき、どうするのかを考える、そんなときに役立つのが倫理です。
 そもそも、自分は何をしたいのか
 それは最初の夢に合致しているのか
 それをして、自分自身に対して、何も後ろめたさはないのか
 家族に対して、胸を張って、自慢できることなのか
- 資本主義とは、夢を叶えるために資本を活用する、ということです。

前半部分で書かれていたのは、先人・歴史に学ぶと良いっていう話。
なぜなら、本質的なことは全て既に示されているため、それらをうまく利用することで、より高い次元からスタートできるから。
なるほど。たしかにそうだと思う。
若い時とかとくに、今までにない独創的なものをって感じで考えがちだけど、基本的には既に出尽くしているっていうことを知らないケースも結構あると思うので、先人に学ぶことは独創的から離れるわけではなく、ある意味近道だってことを知っておくだけでも随分違ってくるって感じた。

そして、中盤以降は章のタイトル通りの内容だけど、まず分かる分かるって思ったのが、正義感は視野を狭くする可能性があるという指摘。
これは日常的に様々な学生たちと接するなかで、その傾向が強いなって感じるケースに出くわすこともあるため、そのたびに視野が狭くて独りよがりだから、そこを広げてあげたいなって思っていた。
倫理観については、起業家の話でこのワードが出てくるとは正直思ってなかったけど、読めば納得。まったくその通りだなって思ったし、大切だと思った。
そして、「自分はどうあるべきか」っていう、よくある最終到達点な話ではなく、過去でも現在でも未来でも現在進行形で問いかけられる、プロセスというかスタンスみたいなもので、それが重視されているっていうのが、すごく腑に落ちた。これって、まさにいつの日か遠矢さんがcausaのカウンターで聴衆に問いかけていたことと同じだなって思った。

6章「幸せを掴みとる」

この章で印象に残ったフレーズは以下の通り。
- コンフォートゾーンから、一歩踏み出すのです。
- なお、肝心なのは、実はその次の一歩です。
- 実はこの2歩目が重要なのであり、偉大な一歩を活かすも殺すもここにかかっているということです。
- 究極、起業家は夢を描いて、ビジョンを示して、「旗を振る」ことができれば、仲間がついてきます。
- 世の中にたくさんある「痛み」に気づき、解決したいと思う心です。
- 夢を描くには視座が重要。より広い世界を見る目が必要なのです。
- 起業家にとって、スキルは最重要ではない。もっとも重要なことは、視座です。
- アントレプレナーシップは、そのまま「自分の人生、キャリアを自分でコントロールする」こと、オーナーシップにつながります。
- 起業は目的ではありません。夢を叶える手段です。その夢も個人のものではなく、世界を変える夢です。

一歩踏み出すことの重要性はこれまでも学生たちに伝えてきたけど、その次の一歩が重要だっていう話については、その理由が明確に示されているか読み取れなかったものの、納得感はあった。
何かをはじめるのも大変だけど、それを続けるのも大変だから。
そして、図で示されていたコンフォートゾーンの内容から2歩目の重要性については類推することができた。踏み出した一歩は恐怖領域なので、そこから次の一歩を踏み出せるか?最初に踏み出した一歩を戻してコンフォートゾーンに戻るのか?後者になっては意味がないってことかな。
あとは、視座の話。示されていた具体例も分かりやすかったし、すごく納得感の高い内容だった。日々の仕事やお付き合いの中でも、尊敬する先輩や起業家の方たちの話を伺っていると、随所にその視座の高さを垣間見ることができるので、ほんとによく分かったし、すごく重要なことだと思った。

さいごに

3回シリーズで印象に残った内容をピックアップしつつ、その内容について考えてみたことをまとめる感じでレビューしてみた。
これまでの様々な経験やお付き合いを通して、自ら感じたり受け取ったりした考え方やスタンスと同じことが随所にみられて良かったし、様々な事例も交えて示されていたので理解も深まった。そして、当然ながら新たな発見もあった。
そして、改めて思ったのが、やはりアウトプットは重要。
僕の場合は、仕事柄、学生たちに伝えるという形や、相手の話をふまえてフィードバックするという形など、言語化を迫られることが多い。だからこそ、こうやって本を読むときは、アウトプット前提で読んでるし、途中段階でアウトプットすることもよくある。そんなときに、note記事を書き続けるという筋トレの効果も加わって、いままで以上に理解も深めやすくなってるなって思った。

いい本だと思ったので、学生たちにもオススメしていきたい。

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