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Effectuation(エフェクチュエーション)・後編

今回は先日3分の1ほど読んだ段階で取り上げた「エフェクチュエーション」という本の残り部分を読了したので、後半部分について触れることに。

前回の記事については以下のリンクを参照してほしい。

前回の記事ではエフェクチュエーションを構成する5原則のうちの2つを取り上げ、その内容に対して印象に残った点をまとめたので、ここでは、残りの3原則に対して印象に残った点、この本全体を通して印象に残った点などを簡単にまとめてみたい。

復習も兼ねて5原則を挙げると以下の通り。
「手中の中の鳥の原則」
「許容可能な損失の原則」
「レモネードの原則」
「クレイジーキルトの原則」
「飛行機のパイロットの原則」

後半の3原則を読んでみて印象に残ったことは、物事をポジティブに捉えることの大切さ、行動と出会いによって生み出される価値の捉え方など。

まず、物事をポジティブに捉えることの大切さについては、主にレモネードの原則に書かれていたこと。通常、何かしらの目標設定をしたうえで、それを達成するためのリサーチや各種準備を経て実行に移すことで、何かしらの結果がでるわけだけど、そこで予想外のことが起きて失敗に終わることも当然ありうる。そんな時にどう考えるか?じゃあ、その状況自体を前提としてそこから何ができるかを改めて考え直せるか?転んでもタダでは起きない的な発想によって、当初は予想もしなかった、もしくは予想を超えるような結果を生み出すことがあるということ。
おそらく、目的に縛られすぎると、そこに執着するあまり、捉え方を変えることは難しいかもしれない。そして、正解ありきで物事を捉える癖があったり、予想がつく範囲内でしか動けないタイプの場合も難しいと思う。
そうではなく、予想外のことが起こることも想定の範囲内として動いているか、頭のなかに少しだけも常に余白を持っておくことができるか、全てを糧にする貪欲さがあるか、そのあたりが、関係してくるのかな?とも思った。

つぎに、行動と出会いによって生み出される価値の捉え方について。
これは主にクレージーキルトの原則に書かれていたことの中で印象に残った部分。基本的には、まず自分にできる範囲で行動することが大切。そして、その行動の先にある出会いから、拙速に結果を求めすぎることなく可能性を探るスタンスが重要。そうすることで、その出会い自体が自分自身に価値をもたらしてくれることがあり、そのタイミングはその人に必要なタイミングで訪れる、もしくは認識されるって感じのことだった。
紹介されていた具体例を踏まえると、自分から求めていった出会いの際には、自分の枠組みだけで考える、それを押し付けるみたいなスタンスではダメで、想定外の形を許容できるか?そして、相手からの何かしらの積極性が引き出せるポイントを探るスタンスでコミュニケーションがとれるかどうかが大切なんだろうなって思った。100じゃないとダメっていう考え方やアプローチではなく、だったら80では?50では?なんなら相手の尺度で可能なことは?みたいな感じで、とにかく相手にとって現実的なラインを探る感じ。
まずは一緒にやれることを考えて実行に移してみる、そこから少しずつ積み上げていくみたいなイメージ。それがどこかのタイミングで化ける、もしくは別の何かと繋がって新たな価値をもたらしてくれることもあるっていうことかな。

さいごに、この本全体の印象にも触れておきたい。
5つの原則ごとにわかりやすい事例がいくつも添えられていたので、とても読みやすいかった。そして、単に5つの原則を解説するだけでなく、その思考様式を連鎖的に実行することによる効能についても触れられており、最後に、大きな成果を挙げた実際の事業をストーリー形式でとりあげ、そのプロセスで5原則が連鎖的に実行されていることを示してくれていたので、より理解が深まったと思う。
そして、これまでの自分自身が関わってきたことや尊敬する経営者の方々がおっしゃっていることなどに照らし合わせながら読み進めることができたので、すごく面白かった。

この本は、早速ゼミ生たちに勧めたいと思う。夏休みの課題図書としてww
そして、当初の目的であったオムニバス講義にも活かしたいと思う。

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