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【チソウネタ#001】地域の再生と創造を担う人材となるために

今年のnoteでは、地域創生学群生に伝えたいことを【チソウネタ】と称して、時々書いていこうと思っている。
#地創生に伝えたいこと #チソウネタ

僕が仕事をしている北九州市立大学地域創生学群は2009年に設置された学部で、今年度で16年目を迎えている。
設置の目的は地域の再生と創造を担う人材を育成することであり、その実現のために実践と理論の両立を図ることをコンセプトとしたカリキュラムを構成し、地域での実践活動を行う実習を教育の大きな柱の1つとしている。

僕は、この学部の設置準備の段階から関わらせてもらっていたこともあり、これらのことを少なくとも何百回レベルで色んな人に話してきた。
そして、この学部の教育を担う1教員として色んなメッセージを高校生や地創生に伝えてきた。

振り返ってみると、創設期には「熱い想いと冷静な目」っていうフレーズをよく使っていた気がする。
その後は、地域の再生と創造を担う人材の具体的なイメージとして「自ら考え行動できる人」という表現を多用した。これは現在進行形で。
そして現在では、「皆さんは一人一人が自分自身の人生の経営者です」っていう話をよくしており、今年あたりからは「アントレプレナーシップ」というワードも加わりはじめている。

さて、最近では少しずつ変わってきたものの、高校まではどうしても正解ありきの問題に取り組むことが多いので、問題は与えられるもの、問題には決まった答えがあるものっていう感覚になりがちだ。
自分自身の進路についても、両親や先生の影響を受けている割合がかなり高いことは各種アンケート結果からも分かっている。
なので、とにかく色んな面で自分の意思で動いているというより、他者から与えられた枠組みの中で物事を捉え、他者から敷かれたレールの上を歩むだけみたいな感じになっているとも言える。全てということではなく濃淡のある話として。

だけど、地域に出たら、実社会に出たら、何もかもが一変する。
特に仕事という観点では。

そもそも正解のない問題に取り組まなければならないし、その問題自体も自分で見つけなければならない。ただただ与えられたことをこなすだけの受動的な作業ならば別の話だけど、地域の再生と創造を担うような人材ならば、そうはいかない。これからの時代ではとくに。
つまり、世の中をしっかりと観察し、自分の頭で考え、自分で行動することが続けられるような人でないと話にならないってことだと思う。

となると、入学したタイミングから頭を作り替える必要がある。

だからこそ、一人一人が自分自身の人生の経営者であるっていう発想を持つことが大切だと思っている。
どういうことかは、以前noteに書いたので、そちらを読んでいただきたい。


その上で、友人である都市計画家の加藤寛之さんから教えてもらったM&R・フリードマンの著書に書かれていることを紹介したい。

経済的・社会的発展は一般大衆の態度や行動に依存していない。
どんな国においても発展の歩調を整え、発展の方向を決定するのは、
ひとにぎりの少数派でしかない。
もっとも速い速度で発展するのに成功した国では、
起業家精神にあふれ、進んで危険を冒した個人たちの少数派が、
一般大衆の先頭を切ることによって、
後に続く人びとがその真似をする機会をつくりだしてやったことが、
やがて社会の多数派の労働の生産性を増大させるのにつながっていったのだ。

M&R・フリードマン 著「選択の自由 自立社会への挑戦」

この話ってそのまま地域レベルの話にも当てはまると思う。
ここでいう、起業家精神にあふれ、進んで危険を冒した個人というような存在、もしくはそれに続くような存在ことが、地域の再生と創造を担う人材なんだろう。
だからこそ、アントレプレナーシップに溢れた経営者みたいな存在へと育って欲しいなって願っている。
どちらのワードにもアレルギー反応がある人もいると思うけど、大袈裟な話をするつもりはない。
自らの意思で、道を切り拓くための、挑戦の一歩を踏み出し続けられる、そんなマインドと行動力があればいいと思っている。
まずは小さなことから。

ということで、今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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