見出し画像

「鑑刀秘書」について

 前回の記事「日刀保の刀剣審査について②」のクイズ正解者の賞品として、抽選で「鑑刀秘書」をプレゼントいたしますが、記事を閲覧の方の中には、「鑑刀秘書」が如何なる書籍であるか、ご存知ない方もおられると思いますので、ここで簡単に紹介します。

 筆者は、日刀保の月刊誌「刀剣美術」の誌上鑑定に長年夢中になって応募し、年間12回のうち、どうしても1回か2回は不正解となるため悔しい思いをしていました。
 そこで、何とか全問正解できる方法はないものかと、いろいろ研究・工夫を重ねて作成したのが、誌上鑑定の虎の巻である「鑑刀秘書」です。
 本書は、初版を発行した平成15年7月以降、幸いにも読者の皆様のご愛読のお陰で、最後に発行した平成28年7月までの13年間に、合計24回印刷・発行することが出来ました。   

 本書には、全国の主要刀工の中から、著名な古刀工約200名、新刀・新々刀工約200名を選定し、古刀の部、新刀・新々刀の部に分けて、類似刀工を同じページに6名ずつ並べて一覧表示することで、それぞれの刀工の相違点を容易に比較できるようにし、探している刀工が少しでも早く検索できるように最大限の工夫を行いました。
 
 その際、一覧表示する各刀工の特徴についても、①刀の形状(造り込み、身幅、重ね、反りなど)、②地鉄の働き(地肌、地沸、映りなど)、③刃文の働き(刃文の形状、足・葉、金筋・砂流し、沸・匂口、焼出し・腰刃など)、④帽子の状態、⑤彫物の種類、⑥中心の状態(形状、中心尻、鑢目、銘の状態など)まで、細かく分類して示しました。
 以上の項目が本書の大半を占めています。
 
 また、本書の最初に年表や同然表を入れ、後半には、参考事項として、①各刀工の特徴がよく現れる刃文による刀工の分類を詳細に掲載するとともに、②古刀と新刀・新々刀の相違点、③著名刀工の偽物造りに利用されやすい刀工なども簡単に掲載しました。
 
 さらに、巻末には、今日、名工中の名工と言われている「源清麿」について、すでに清麿刀をご所蔵の方や、これから清麿について研究されたい方のために、特別に清麿作品の特徴を明示して活用頂けるようにしました。

 なお、本書は、印刷・発行を終了しており、再発行の計画はございません。
 誠に申し訳ありませんが、ご理解の程よろしくお願いします。

 前回の記事では、筆者所有の「鑑刀秘書」在庫5冊をクイズの賞品として提供させていただいておりますので、下のお問い合わせから是非ご応募ください。
 問題は少し難しいと思いますが、ヒントは刀と鐔の玉手箱に掲載している「短刀」の一口です。

いいなと思ったら応援しよう!