玉置浩二 / CAFE JAPAN ディスクレビュー
「ジャンルは何だろうと考えるのも無意味なアルバム」
この作品は玉置浩二5作目のオリジナルアルバムである
「田園」や「メロディー」や「STAR」などが収録されている
アルバムの中からいくつか曲をあげて行きたい
まずは「田園」を書こうと思う
この曲は大ヒット曲なので知っている方も多いと思う
ヒットしたと言う意味では勿論ポップなのだが結構いびつな所もある
玉置浩二から出てくるオリジナリティを曲に落とし込んでいるので
大衆的というより個人的なものになっている
そうなると整えられたものというより独自でいびつな仕上がりになるのは分かる
しかしながらだからこそ ここまで人の心を掴んだのだろう
この人が歌う意味がある曲で
下手に真似したらドラマチックにならずなんて事のない曲になってしまうと思う
真っ直ぐで伝わりやすいものこそ
丁寧に扱っていかに実直に作るかが大事だと言うことに気付くし
玉置浩二の凄さを感じる名曲である
次に書きたいのは「愛を伝えて」だ
この曲は綺麗な曲である
一つ一つの音も歌も旋律も丁寧に綺麗に作られている
シンプルなメッセージに自然体で向かい合っていて美しい
この曲から始まるラスト3曲の流れがとても良く伝わって来て
きっとこの時彼が一番伝えたかったことなのかなと想像させられた
この場所で生きていく中で大事なものは何だろうと考えさせられる曲である
そして最後は「メロディー」を書くが
この曲も田園と同じく人気の曲である
始めの歌からドキッとさせられて説明の要らない曲だと分かっているが
あえて書くと
ずっと音楽を僕等は聞いてきて感動に触れることが出来た
その当たり前にある喜びを改めてこの曲で感じさせられた
ありがとうの気持ちというと浅はかだが
ありがとうと素直に思える曲である
ジャンルは何だろうと考えるのも無意味なアルバムではないだろうか
彼個人の喜びを集めている作品だと思うのでジャンルは必要ないと思う
デジタルなものとアナログなものが融合されている独特な音が鳴ったり
変な所に声が入っていたりするのが自然に出てくるものを形にした証拠だと思う
本人のノリがあるからアルバム全体で厚みが出ているのは良い所である
ただ多少勢いで行くところもあるから好みは分かれるかもしれない
ボーカルが軸にあるから決して迷うことはない
何をしたいかしっかり伝えようとしているし力まずに力を出している
ただ作品をそこに置くだけではなく
誰がそこに作品を置いたのかなぜこれを作品にしたのかを音にしている
邦楽だとか洋楽だとか気にせずこの作品は音楽として楽しめる一枚である