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理想の愛刀家
日本刀の鑑賞の仕方などを学べるマナー講座は最近全国各色々な所で行われている。
刀の鑑賞に限らず「マナー」という言葉は会社に入ってからマナー研修などのように頻繁に聞くような気もするが、それまではあまりこうした単語は人生において聞いてこなかったような気もする。
強いて日常でマナーという言葉が出てくるとしたら食事の時くらいだろうか。
ところで会社などのマナー研修(接客や電話応対など)は何の為にやるかといえば、従業員が顧客に対して失礼な事を働く事で会社のブランドイメージを毀損させることを防ぐのが本来の目的だろう。
一方で日本刀の鑑賞マナーを学ぶのは怪我を予防したり、乱暴な扱いをして日本刀という歴史的な文化財の破損を防ぐ為と思われる。
しかしそもそもマナーは何の為にあるかと言えば、コミュニケーションを取り合う人同士がお互いに気持ちよく過ごす為の処世術なのではないかと思う。
この時に大事なのは、語尾をですます調にするとかそういう表面上の事ではなくて相手が不快に思う発言、行為をしないなど、そういうことの方が遥かに大事だろう。
ですます調を使うのは、そうした話し方の方が相手を不快にさせる確率が低いという、ただそれだけの話である。
それらの言葉を使っても嫌味な事を言って相手を不快にさせていては意味がない。
こんな話は小学生でも分かる事だが、出来ないもしくはやらない大人が沢山いる。
SNSで誹謗中傷が頻発するのも自分の快楽を優先して相手を踏み台にしか考えていない幼稚な人が沢山いるからだろう。
先日もガチ刀剣オタクで刀工を自称する人(当然ながらエセ)が、高校生が作り上げた素晴らしい木製の日本刀作品を誹謗するという交通事故があったが、良識ある人ほどそういう人に振り回されて不快な思いをしなくてはならないのはまさに理不尽の極みであると思う。
そもそも本物のガチ刀剣オタク(刀の愛好家)は礼節をわきまえている。
日本刀は武器でもあるから、礼節をわきまえられない人は向いていないと思われる。
勿論刀の愛好家全員が全員そうではないし、やばいなこの人と感じる人もいないではない。
しかし一方で何歳になっても誰に対しても物腰低く、謙虚な方もいる。
そうした方は得てして知識量もずば抜けている。
そうした方と接す度に私もこのような年の重ね方をしたいと感じる。
これは私が思う愛刀家の理想像でもある。
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それでは皆様良き刀ライフを!
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑
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