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夢とか未来をくれたあなたに


永遠なんてない、まして永遠から程遠いところにいると知っていた。
それでもくしゃっと笑った顔を見るたびこの瞬間がもう少し、あと少しだけ、といってずっと長く続くと思い込んだ。

朝、起き抜けに覗いた大好きな文字列と苦手な文字列。身体が冷たくて、動悸も震えも止まらない。なんの涙なのかはわからなかった。

友人に断ってひとり宿を出た。
街中は通信環境が悪く、アプリの真っ白い画面を見つめた。ずっと読み込めなければいいと思った。

そのうちにサンタ・エウラリアに着く。飛鳥ちゃんとみなみちゃんがスペイン旅で待ち合わせた場所。

予約席でした。

奥の席に座り、少しの画像と朧げな記憶を辿ってスクランブルエッグのブランチを注文して、Wi-Fiに接続させてもらって、ようやくブログを開いた。

飛鳥ちゃんの文章って不思議です。
ふんわりしてるのに筋がしっかりしてて、すごく読みやすい。するする読めちゃう。
卒業発表のブログもいつもより饒舌ながらもとてもすっきりしていて、すぐに読み終えてしまった。永遠に読み終わりたくないブログだったのに。
何度も読み返す。決して全てが軽やかではなかった11年間をあんなふうに振り返ることができる飛鳥ちゃんの強さを知っている。
飛鳥ちゃんだなあと思う。
好きだなあと思う。


夕方までサンタエウラリアでぼーっと過ごしてしまいそそくさと店を出る。歩きながら『立ち直り中』を聴く。失恋の歌が響く。
卒業とはいうがその実は転職に過ぎない。それでもひとつの区切りであり、別れであり、失恋のようなものだと感じる。

マドリードはいい天気で賑わっていて、サンミゲル市場で少々食事を摂り、もともと行く予定だった王宮と教会に寄ることができた。

サンミゲル市場。混んでた。
生ハムとモッツァレラのタパス。
美味しすぎて風邪が治った。
偶然にも綺麗な夕焼けが見れてしまった。
もちろん内装も綺麗だった。

つらくかなしくさみしいときにあんまり綺麗なものをみるとよくわからない涙が止まらない。



どれもこれも全部飛鳥ちゃんのお陰だ。

ここに来れたのは
乃木坂世界旅で飛鳥ちゃんが訪れた場所だから
そうでなかったら知らなかった場所だから
飛鳥ちゃんを好きにならなければ来れなかった場所だから
そうでなかったら早々に諦めていた場所だから
飛鳥ちゃんが導いてくれた場所だから。

アイドルとして、乃木坂46として11年間そこで輝いていてくれた飛鳥ちゃんが導いてくれた場所だから。

もっと違うときに来てたらきっと生まれてなかった感情が溢れて、ずびずびになりながらマドリードの街を歩くこの瞬間も飛鳥ちゃんからのプレゼントだと、綺麗事じゃなく思って。


この日が来るずっと前から、飛鳥ちゃんに誇れる自分でありますようにと思うだけで背筋を伸ばして生きられた。
大抵お腹すいた〜という旨だった(それは誇張!)メッセージも、限界まで磨き上げたパフォーマンスも、グループの先頭で紡ぐ丁寧な言葉も、言葉にせずとも態度や行動で示してくれた真っ直ぐな気持ちも。
全部が大好きで、希望の光で。
どんなにつらいときも未来を見よう、夢をもっていようと思えた。


支えられたことで切り拓くことができた日々の全てが飛鳥ちゃんからのプレゼント。

本当にありがとう、飛鳥ちゃん。



『ここにはないもの』、とても飛鳥ちゃんらしい楽曲。ありがとうね秋元康。秋元康も飛鳥ちゃんのこと大好きだもんね。

「夢とか未来を僕にくれないか?」

そう思ってこの6年間あなたを追いかけてきた気がする。今までずっと、ここで、もっと良い未来を目指す姿を見せてくれた人だ。

これからもそれは変わらないけど、もっと素敵な夢とか未来とか、見させてほしいってわくわくしてる自分もいる。
ちょっと、期待しててもいい?



まず、この2ヶ月が飛鳥ちゃんが歩いてきた道の証明になると確信している。
その少しでも多くを見届けたい。

ありったけの感謝を込めて。



(05.11.2022 晴れ)

katamerice.

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