この記事は、ニンジャスレイヤーTRPG第2版用として作成され、ニンジャスレイヤーTRPG「第2回シナリオコン」に参加するための非公式シナリオです。
◆シナリオサマリー
◆キャラメイク
ルールブックの「16ポイントスクラッチビルド」ルールでPCを作成してください。
PCたちには、ヤクザクラン、テクノギャング、ハッカーカルト集団など、なんらかの犯罪的組織の首領か、あるいは組織の代表として派遣される程度の地位であるという背景を持たせてください。PCの組織がソウカイヤやザイバツ、アマクダリなどのより巨大な組織の傘下であるという設定でも構いません。PCの中に同じ巨大組織所属の者がいても問題ありませんが(例:PCのうち2人がソウカイニンジャ、2人がアマクダリニンジャ)、必ず所属する小グループや派閥などは分かれており、利害が対立していることにしてください。
遺産相続の権利の一部を持っていて、それを行使することに積極的であるという条件を満たすなら、PCが特に組織と関係ない個人であったり、【カルマ:善】のキャラクターであったりしても構いません。
その他の細かなキャラ作成オプションルールを使うかどうかは任意です。NMが決めるか、参加者全員で話し合って決めてください。
◆ダンゴウ
PCたちは遺産問題についての会合に参加するため、ギョクヤマ・ストリートの「アタマ・ハンザイ」というサルーンに集まります。「アタマ・ハンザイ」は場末の酒場ではありますが、複数の犯罪組織の勢力範囲の中間地点に位置しており、組織同士の話し合いを行う際の中立の会合場所としてしばしば使われています。
店に入って来訪目的を告げたPCは、奥まった個室の「サツキの間」に通されます。個室は十二畳ほどの広さがあり、真ん中に背の高いチャブテーブルと椅子が一揃い置かれていて、最初に来たPCよりも先に一人の男が着席しています。
男はアマクダリからタチアイニンとして派遣された弁護士のイニダ・サニマルであり、PCたちが全員揃ったのち、以下の情報を語ります(PCたちは既にすべて承知の上でやってきているはずですが、改めて確認するという形を取ります)。
NMはここまでの情報を直接プレイヤーに伝えてもいいですし、イニダとPCとのロールプレイを通して伝えるのもよいでしょう。NMレスセッションである場合は、参加者全員が理解し納得できるまで情報共有を行ってください。
参加者がシナリオの前提をきちんと把握し、PCの装備やスキルセットの調整が完了したらシナリオ本編に進んでください(このシナリオに「予備調査」はありません)。
◆シナリオ本編
1.話し合いパート
話し合いのゲーム的な処理方法は以下の通りです。マップは使用しません。
すべてのソンケイ判定が終わったら、イニダのロールプレイを挟みます。
「フーム、まだまだ主張したりないという方もいらっしゃるでしょうが、ここらへんで一旦休憩を入れましょうか。なにせもうウシミツ・アワーですから」
PCたちがこの提案を受け入れても拒否しても、直後に下記の台詞とともにニンジャスレイヤーが現れ戦闘パートに移行します。
「オヌシらに休息の必要などない。この後はジゴクで納得いくまで話し合いとやらを続けるがよかろう。ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
2.戦闘パート
参加者全員に戦闘マップを公開します。脱出ポイントとなる出入口の場所などもすべて判明しています(事前にハッキングなどを行って情報を得ていたか、会合中に中座して抜け目なく調べていたのでしょう)。PCたちはサツキの間の「忍」マス以外の11マスに自由に配置してください。その後、「話し合いパート」で得ていた「評価ポイント」の値と同じ数の「即応ダイス」を手に入れます。
PCの目的(勝利条件)は「自分が相続順位1位の状態でマップから離脱すること」です。マップ上でPCが気絶状態もしくは死亡状態となった場合、そのPCは相続権を失い、順位がそのPC以下だったPCは一つずつ順位が繰り上がります。もし何らかの効果で気絶や死亡が打ち消された場合は、この処理はなかったこととなり順位は元に戻ります。
脱出ポイントとなるのは「出」のマスです。ギョクヤマ・ストリートの「出」マスはそのマスに侵入した時点でマップから脱出できますが、「倉庫2」の「出」マスは脱出に判定が必要です(詳しくはマップ解説を参照)。
すべてのPCが、「戦闘マップ上から離脱した」「気絶状態もしくは死亡状態となった」のどちらかの条件に当てはまった場合、戦闘パートは終了します。「評価と報酬」パートに進んでください。
離脱に成功しているPCがいる場合、ニンジャスレイヤーはこの失敗の経験を糧に、さらに恐るべき地獄の猟犬と化して生き延びたPCを付け狙うでしょうが、それはまた別の話です。気絶状態で生き残っているPCをニンジャスレイヤーがカイシャクするかどうかはNMが決めてください。
◇戦闘マップ
◇マップ解説
【万札:1】:パックド・スシ:【体力】1回復、使い切り、スシ
◇ニンジャスレイヤーの行動指針
ニンジャスレイヤーの行動指針は第一に、「相続順位1位のPCに隣接マスに移動し、近接攻撃行動を行う」です。それが不可能な場合、「現在位置で相続順位1位のPCに射線が通っており、ツヨイ・スリケンが使用可能ならば使用する」「相続順位1位のPCに可能な限り近く、かつ射線が通っているマスに移動し、スリケンによる射撃を行う」のどちらかを行います。
相続順位1位のPCが気絶状態か死亡状態となり、相続順位2位のPCが1位に繰り上がったら、その新しい相続順位1位のPCを目標に同じ行動を、戦闘マップ上に気絶状態もしくは死亡状態のPCが存在しなくなるまで続けます。
ニンジャスレイヤーのデータはこちらを参照してください。
◇その他のルール
◆評価と報酬
このシナリオは基本的にはキャンペイグンではなく単発のセッション用として作られています。
単発セッションである場合は、勝利条件を満たしたPCには遺産の分け前として望み通りの物を惜しげなく与えるとよいでしょう。今後使うことがないのでゲーム的には意味のないデータであっても、希望が叶うのは嬉しいものです。「相続順位1位ではないが生きて脱出したPC」には希望よりは見劣りするがそこそこの価値のあるものを与えてあげてください。
一方、このシナリオからキャンペイグンを開始することになったり、既存のキャンペイグンの途中にこのシナリオを差し挟んだりした場合は、【名声】と【万札】はキャンペイグンのスケール感に合わせてNMが適宜与えればよいでしょう。
問題はPCが遺産として単発のシナリオの報酬としては価値の高すぎるものを希望していた場合です。この時は、物品や権利としてはきちんとPCがそれらの遺産を受け取れるが、その価値を完全なものにするためには追加の手間が必要だということにすればよいでしょう。
例えば、「メガトリイ社のデータを手に入れたが高度に暗号化されていたため、これを解除できる旧世紀プログラムを別途手に入れなければならない」や「ニンジャレリックはジツ的な封印が施されておりその力は不完全だ。封印を解放するための儀式の手順を記した古文書を入手し儀式を実行しなければならない」などのようにして、複数回のシナリオの総合的な報酬とすればそれなりにバランスはとれるでしょう。
しかし、もしNMが報酬やパワーバランスのインフレなどを気にしないのであれば、そのまま与えてしまっても構いません。
報酬と「余暇」を適切に与えたら、セッションを終了してください。
◇オプションルール「貴様だけが復讐者だと思ったか?」
このオプションルールは、PCたちの中に勝利条件の異なる者を密かに混ぜるルールです。NMはNMとPC本人にだけわかるようにPCの中から一人を選び出します。ジョーカーを1枚、その他のトランプカードを(PCの人数-1)枚用意してよく混ぜ裏向きに引かせるなどするとよいでしょう。オンラインでセッションを行っている場合は、使用しているツールをうまいこと使ってなんとかしてください。ここで選ばれたPCは「復讐者PC」となります。復讐者PCはニンジャスレイヤーとの間に何らかの遺恨を抱えており、勝利条件は「相続順位1位の状態で戦闘マップを離脱する」ではなく「ニンジャスレイヤーを一段回以上戦闘不能にする」となります。ニンジャスレイヤーを一度気絶状態に追い込めば、その後はナラク・ニンジャの気配に恐れをなして逃げ出しても構いませんし、戦闘を続行しても構いません(その結果爆発四散したとしてもPCとしては勝利したことになります)。
復讐者PCはその他のPCと純粋に共闘しやすいので、全体的な難易度は少し下がるでしょう。また、その他のトランプカードを(PCの人数-1)枚より多く加えることで、「PCの中に復讐者PCがいるかもしれないしいないかもしれない」というセッティングにすることも可能です。