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生まれてくる赤ちゃんへ・3

こっこちゃんへ

予定日まであと2日になりましたが、元気にしてますか?早く顔を見たい気もするけど、こっこちゃんのタイミングを気長に待とうと思います。お外に出たら、楽しいこともあるけど、大変なことも多いので、今のうちにお腹の中を満喫しておいてね。分娩中、私は多少(どころじゃない気もするけど)痛くてもよいから、こっこちゃんが苦しまずに生まれてきてくれたらいいなと思っています。

ところで、こっこちゃんと一緒に過ごしたこの冬は、観測史上最高の暖冬だったそうです。北国のはずのお家まわりでも、雪が積もることはほぼありませんでした。車の運転を心配してたから、ホッとしました。その上こっこちゃんという熱源をお腹に抱えたママは、さらにぬくぬくでヒートテックいらずの冬を過ごしました。4月になっても雪が降ることもある地域だけど、今日は窓を開けていても日差しで暖かいです。

ママは初めての妊娠で、不安になることが多かったけど、思えばこっこちゃんはどの健診でも元気に順調に発達している姿を見せてくれていました。心配性なママに合わせてくれていたのかな?ありがとうね。

健診の中でも特に印象的だったのは、こっこちゃんの性別が分かった日のことです。あの頃、ママはお腹のハリがとても気になっていて、こっこちゃんに何かあったらどうしようとすごく神経質になっていました。でもエコーで男の子だって教えてもらって、ママは少し前向きになれました。

特別男の子を希望していたわけではありません。ただ、数年前に亡くなったママとパパの大親友だった猫ちゃんも、男の子だったからです。その猫ちゃんとは、お別れのときに、「猫の姿でも、私たちの子どもとしてでもいいから、戻ってきてね。また会おうね」と約束していました。だからもしかしてまた会えるのかな?とワクワクしながら、お家に帰りました。

そのすぐ後、何気なく携帯を見ていたママは、とっても驚きました。その日は「スポーツの日」「ポッキーの日や…みたいに、世間で「〇〇の日」とされている日だったんだけど、その〇〇っていうのが、亡くなった猫ちゃんの名前だったのです。ママは思わずぼろぼろと泣いてしまいました。こっこちゃんは猫ちゃんの生まれ変わりかもって聞いたら、複雑な気持ちになるかもしれないから、あまり言わないでおこうと思うけど、「もし、あの優しくてたくましいボス猫ちゃんの生まれ変わりなら、必ず元気に生まれてきてくれるはず」と思って、すごく励まされました。それからは、体の具合に過敏になることも減って、落ちついた安定期を過ごすことができました。

そうそう、妊娠中は、パパとこっこちゃんにどんな人になってほしいかという話で、何度か盛り上がることがありました。

プレッシャーをかけるつもりはないけれど、これからこっこちゃんが成長するにつれ、「もっとこうなってほしい」とママの欲が出てきたときに自戒にするために、今の気持ちを残しておきます。

勉強はできなくてもかまわないし、何か大きなことを成し遂げる必要もありません。まずは、健康で生きていてくれること。それが1番。

それから、これは意外と難しいことかもしれないけど、どんな相手にも公平に誠実に向き合える人になってほしいなと思っています。そして、平和な日々に幸せを見つけられる人になってくれたらいいなと思います。ママは幸せを見つけるのが下手くそだから、よりそう思います。

こっこちゃんへの手紙もひとまずこれが最後です。最初は、将来こっこちゃんが自分がお腹の中にいたときのことを尋ねてきたら読めるようにと思って手紙を書きました。でも思ってたより家族のこととか詳しく書いたから、ちょっとこっこちゃんが読むと負担になっちゃうかな。こっこちゃんに伝えるのは、手紙の一部になるかもしれないけど、ママ自身がこの貴重な時間と、その間考えていたことを忘れないようにと思って、最後まで書きました。

海鮮を食べると、胎動がボコボコ増えるこっこちゃん。いつか一緒に回転寿司に行きましょう。近々会えるのを楽しみにしているね。

ママより

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