見出し画像

『こころ』を△で説明する試み

『こころ』二回目。ちょっち長い。(2300文字)

△=自己複製子+階層構造+回路(流れ)
△は内と外を区別する
△の特技は内部化



こころは『感情』と『心象』と『意志』の総合体

❶感情(△の広がり)

感情は、なんとなくこころ一杯に広がっている切れ目のない経験

元々が、広がりにおいても強さにおいても連続する経験なので、切りようによって、いくつにでも切り出せる。
▶ 感情は『広がり』と『連続性』を持つ経験で、△の動的な側面(流れ)。

Ⅰ.情動性の感情

この感情の基本は「快↔不快」の連続体で、強さや速さがあり、外や内、過去や未来への方向性を持つ。これは△の「揺らぎ」として、あらゆる経験に染み渡る背景を形成する。あんまし変化がなく持続するやつは「気持ち」とか「気分」と呼ばれる。

Ⅱ.感覚性の感情

身体的な感覚(痛い、熱いなど)や視覚なども、感情の一部。
・触覚 (痛い 熱い 暑い 冷たい 寒い お腹いっぱい)
・身体の状態(寝てる 立ってる 歩いてる 走ってる 休んでる フラフラする)
・視覚 (眼と関係した、ぼんやりと広がる独特の明るさ)
感覚は、感情のようなぼやっとした広がりではなく、△の特定の部位から来る波動のようなもので、身体や周囲の変化をリアルタイムで描き出す

Ⅲ.コア感情

『コア感情』は、上の二つの感情の元になる感情。
おそらく、情動と感覚に分岐したり、さらに細かく分岐したりする前は、これしかなかったんじゃないかという感情の始祖。寝てるときもこころは完全には消えてないから、なんかあるだろう的なやつ。コア感情は意識されないが、常に潜在的に存在し、△の基盤的なリズムや振動として、こころの根底を支えている

❷心象(△のかたち)

心象は、こころが世界を知るために作り出す「かたち」

外の物事をとらえるこころの仕掛け
外の世界に存在する形そのものではなく、外の世界の形に対応させて、心が作り上げ、我々が経験する「かたち」のこと。

感情→広がりの経験
心象→まとまりの経験

▶ 心象は感情の広がりの中から抽出され、まとまりとして形成される。これは△の『秩序化』や『抽象化』の働き。

Ⅰ.感覚性の心象

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、運動覚などの感覚的な心象は、△が感情という「揺らぎの場」から「局所的に安定した形」を生み出す仕組み。(因みに、運動覚とは身体(関節の集合体)が動くとき感じる動きの感覚のこと。)

ぽけーっと空を見てるようで見てないけど寝てもいない(=感情)
鳥が視界に入る→鳥のかたちが作られる→「あっ、鳥だ」(=心象)

こころに生み出された「かたち」は 実世界で形にすることができる。鉛筆で鳥の絵を描くとか、ノミと鎚で彫刻にするとか。これは、ほかの五感も同じで「かたち」を抽出できれば、運動を通して実世界に投げ返すことができる。
聴覚→かたち抽出→音楽
味覚→かたち抽出→料理

感情=身体に直結した経験(具体)
心象=繰り返しの経験による共通性の抜き取り(抽象)

Ⅱ.超感覚性の心象

複数の感覚性の心象を組み合わせた経験
たとえば「お茶碗を持ち上げる」という行為は、
🍚茶碗の視覚経験+触覚経験+持ち上げる経験(運動経験)=超感覚経験
複数の感覚を統合し、かなり抽象的で高次の「かたち」を生み出している!

言語心象と概念
言語』が感覚性の心象を超えてることは間違いない。
言語の特徴は、一定の音声に、一定のこころの経験を代表させている。
言語行動とは、他人にも理解できる手段(音声)を使って、他人に経験できないこころの内容(感情・心象)を伝えること。これは△の回路(ネットワーク)的性質で、異なる次元の情報を結びつける働き。

❸意志(△の選択)

意志は、感情や心象などを「秩序」づけ、「行為」に向かうこころの働き

心理課程

意志はどうして運動を制御できるのか?
思え(心理過程)ば→動く(神経過程) のはなんでなん?
よく考えたらわからない
わからないのは、心理課程は意識できないところだから
我々は、起こってしまった運動の結果だけを意識している(=運動覚心象)

▶ 意志は「広がり」と「かたち」の間で、行為を実行するための決定プロセスとして現れる。これは△の『目的設定』と『選択』の働き。

仮想運動(心理課程)と現実運動(神経過程)

仮想運動とは、心理空間△において動きをシミュレートする仕組み。
実際の運動は、必ず仮想運動とセットになっている。
仮想運動があるという根拠
幻肢=腕が無いのに仮想運動だけが空回りしている状態

意志の役割

意志の役目はこの仮想運動を「抑える」こと。
意志(心理課程)は行動を制御するのではなく、仮想運動(心理課程)を制御する。
「する」意識にも「しない」意識にも、かならず意識されない仮想運動が同時に起動している。行為は常に一つだから、二つの仮想運動のうちどちらかが選択されない限り、現実運動は始まらない。この選択をするのが意志。

意志の感情

「自分は意志の実行者である」という感覚も感情。これは、努力感、緊張感のようなもの。また、「仮想運動を抑えることもできる」というのも感覚性感情。

意志は推進力

意志は、「集中してやろう」などの、行為を持続させる力でもある。
「集中力」の他に「気力」「意志力」とかの表現があるが、これは比喩的表現というよりは、実際に、いのちやこころはある『推進力』をもっている。

△まとめ

感情は△の「流動性」を象徴し、経験の「広がり」を生む
心象は△の「秩序化」や「抽象化」の過程として、広がりを「かたち」へ結晶化する
意志は△の「選択」や「推進力」の働きとして、感情と心象を「行動」につなげる

こころも△( ʘ ө ʘ )



今回参考にした本↓