梅割りというとんでもねえ酒と出会ってしまった話
みなさんは「梅割り」という酒を知っているだろうか。
私は知りませんでした。
この間まで。
知ったきっかけは何のことはない。
隣のお姉さんが飲んでいたから、である。
出会った店は「もつ焼きでん アメ横店」。
http://www.den-inc.net/
時はお盆。暑いからちょっと飲んで帰ろうか、なんて。
酒クズは何にでも理由をつけて飲もうとする。
その店内で出会ったのだ。
レモンサワーを頼んで軽くつまみを頼み。さてどうしようか、と辺りを見回していると、近くのお姉さんが謎の酒を飲んでいた。
小さめのグラスは溢れてもいいように皿の上に乗っている。だから初めは日本酒かと思ったが、何だか随分と茶色い液体に見える。
あれ、何だろう。
日本酒でもないだろうし、多分ウイスキーでもない。梅酒かな?
でもその割には、グラスがなんか不思議。なみなみに注がれているし。
わからなかったから聞いた。
するとそのお姉さんは「梅割りです」と言った。
それは何ですか?と訊ねると、更にこう言ったのだ
飲んだらわかります、と。
梅割り。
色は梅酒だったから、何かを梅酒で割るんか?まあそれなら飲めるか。
そう言う風に気軽に考えて、注文した。
すると、店員さんが何かを抱えてやってきたのだ。
持ってきたのは、お姉さんと同じグラスとお皿。
腕の中にはキンミヤの瓶に入った透明な液体と、茶色の液体。
お?と眺めていると、グラスの中に透明な液体をグラスに並々と注いだ。
そして、最後にトドメと言わんばかりにサッとかけられた、茶色の液体。
茶色の液体は、当然グラスから溢れて、皿に溢れた。
皿に溢れた液体を舐めてみる。
これは……梅シロップだ。そして透明な液体は、恐らくそのままだ、キンミヤだ。
そう。梅割りとは、焼酎の梅シロップ割りであったのだ。
氷などない。常温。だからこそ、キンミヤとシロップは綺麗に混ざり合う。
グラスに口をつけて一口啜ると、知っているキンミヤの味。そして甘いシロップのせいでどうだろう。
とんでもなく飲みやすいではないか。
え、これヤバくね?
と言うのが第一印象。あのお姉さん、とんでもねえもん勧めてきやがったな。
とチェイサーにレモンサワーを飲みながら思う私。
美味しいもつ焼きと、チビチビと飲む梅割りは美味しい。
アルコール度数は決して弱くないのに、するすると減っていく梅割り。
1杯で充分酔うことができる。なんて素敵なんだろう。
そして気づいた。
家にキンミヤはある。何と、梅シロップもある。
……これはつまり、家で同じものが作れる。
アル中一直線じゃない?
キンミヤ、最近1.8リットルのパック買ったばっかじゃない?
こないだ友人が漬けたの!って梅シロップくれたじゃない?
なるほどなるほどなるほど。
……とんでもねえ酒を知ってしまった。
世界はまだまだ広い。知らないことはまだまだ多い。
そして美味しいものが増えた。
そうして私はあの日から、大きめの盃を用意しては、キンミヤに梅シロップを足して、氷をひとかけ入れてちびちびと梅割りを飲むようになった。
美味いねえ。
ちなみに、同じ店に「生姜割り」と言うのがあって。
こちらは生姜の擦り下ろしに砂糖を加えて漬けておいたものをキンミヤに注いてくれた。
これ、冬に良くない?めっちゃあったまるじゃん?最高じゃん?
こちらも試してみたいと思いつつ、今冷蔵庫の中ではブルーベリーシロップが控えている。
作った。作ったよブルーベリーに砂糖入れてさ。
あと、まだ酸っぱいミカンを購入してきてこちらも砂糖につけたよ。
家は今、絶賛シロップ祭りである。