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3.A病院での治療
A病院ではまず、より精密な検査をしました。
経膣エコー、血液検査、そして痛いと評判の卵管造影検査です。卵管造影とは、造影剤を使って子宮の形状や卵管の通過性をチェックする検査です。不妊治療の第一歩とも言える検査ではないでしょうか。経験者である友人から「卵管造影は気を失うかと思う位ものすごく痛かった、もう二度としたくない」と聞いていたので私はそれはもうビビりまくりでした。不妊治療をする事自体には腹をくくってはいたものの、痛いのは嫌だし、怖いものは怖い。
ただ、この卵管造影という検査には嬉しいオマケ(?)があります。卵管の中を造影剤が通る為、検査後6ヶ月は、妊娠しやすいゴールデンタイムと言われる期間になるそうなのです。友人も検査で卵管の詰まりが取れたらしく翌月には自然妊娠していました。もしかしたら私もそんな風に自然妊娠出来るかもしれないし、痛いかもしれないけど頑張ってみよう。そんな風にポジティブに考えを切り替えて、怯えつつも検査を受ける事にしました。
次の生理がきた後、卵管造影検査の日程を決めました。妊娠していると検査ができない為、この間は避妊必須です。そして検査当日。午後から病院へ行き、血圧を測定された後、検査着に着替え検査室へ案内されました。いつもの婦人科の椅子的なものに座って検査すると思っていたら、手術台に乗せられてビビりまくる私。まな板の鯉状態で、消毒を済ませて器具挿入。そして画面を見せてもらいながら造影剤注入していきます。
「右側の卵管が詰まってますね」
「え、詰まってるんですか!?」
確かに左側は卵管に沿ってきれいに造影剤が通っていますが、右側は卵管の付け根の部分から先へ全く通っていません。自覚症状も何もなかったので、ちょっとショックでした。ちなみにビビりにビビっていた検査の痛みはというと、びっくりするほど痛くありませんでした。バルーンを膨らませる時の圧迫感と、軽い生理痛のような重苦しさを感じる程度で済みました。
経膣エコーは、ネックレスサインがあるので多嚢胞性卵巣症候群のように見える。しかし、血液検査からは、多嚢胞性卵巣症候群と診断できる程の数値ではないとの事。男性ホルモンが少し高めと言われました。
結果的には多嚢胞性卵巣症候群「気味」という診断となりました。とにかく卵胞の成長が遅く排卵がしにくい上に、右側の卵管閉塞という状況なので自然妊娠は難しいかもしれないという事でした。
そして夫にも精液の検査をしてもらいましたが、こちらは全く問題無し。夫は扁桃炎でよく高熱を出していたのでちょっと心配していたのですが、なんともなくてほっとしました。
検査結果が出そろったところで治療方法が説明されました。私達夫婦の場合は、私の卵胞の育ちの悪さが特に問題でしたので、まずはホルモン剤の注射を打って卵胞を育て、良いサイズまで育ったら排卵を促す注射をし、タイミングをとるという方法から始めることになりました。卵管は左側が通じているので、まず大丈夫でしょうという判断でした。
簡単な流れは
①生理開始3日目から注射開始。
②定期的に内診して卵胞の成長を待つ。
③卵胞が排卵可能な大きさになったら、排卵注射を打つ。
④排卵注射を打った当日と翌日にタイミングをとる。
⑤中用量ピルを処方された分飲み切るまでor生理が来るまで飲む。
⑥生理が来なかったら妊娠判定。
といった感じでした。
①の注射は毎回FSH製剤、hMG製剤を体調や卵胞の育ち具合をみながら色々試していました。後で知った事ですが、体外受精の採卵時並みの強めの注射を高頻度で使用していました。腹水が溜まったり、血栓ができたり、卵巣が腫れて卵巣茎捻転が起きたりといった、いわゆるOHSS(卵巣過剰刺激症候群)と言われる副作用が起きる可能性が高い状態だったようです。通りで「家でお腹痛かったり具合悪くなったりしたらすぐ救急車呼んで!」と看護師さんに異常に心配されてた訳です。
自己注射はNGだったので、会社帰りに病院へ、14〜20日間毎日注射を打ちに行きました。私の場合、卵胞の成長が本当に悪かったので、最長で22日間打ち続けた事もありました。ちなみにお尻への筋肉注射です。筋肉注射なので結構痛いし、たまに青痣みたいになります。最初は多少恥ずかしかったものの、いつしかベッドの上でお尻丸出しで15分位待機してる事にも何も感じなくなりました。慣れるもんですね。
この方法で約1年続けましたが、秋頃に一度は陽性反応が出たものの、すぐに生理がきてしまい化学流産という結果になってしまいました。
やはりタイミング療法では難しいのかもしれない。そろそろ人工授精にステップアップするべきかもしれないと思い始めました。