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1.不妊治療を始めたきっかけ

私たち夫婦が不妊治療を始めたのは、結婚から3年程経った33歳の頃でした。なかなか子供ができないなぁとは思いつつも、周囲でも30代・40代で結婚して妊娠、出産する人は沢山いたので「子供は授かりものと言うし、まぁそのうちできるでしょ」と軽く考えていました。
そんな33歳の5月、同い年の友人が病気で亡くなりました。明るくて活動的で賢くて優しくて、私にとって「憧れの女性」でした。大好きな友人でした。
つい数ヶ月前まで、仕事に遊びにととても元気そうに充実した生活を送っていた彼女が、突然この世を去ってしまったのです。訃報を聞いた時は、信じられませんでした。悪い夢でもみているのだと思いました。一晩中泣いて泣いて泣き疲れて、朝になって目が覚めても、彼女の訃報を知らせるメールは消えてはくれませんでした。33歳。あまりに早すぎる友人との別れに、私は悲しみに暮れました。
そして、それと同時に「死」というものを強く意識することになりました。
私だっていつ死ぬかわからない。死ぬ間際、私は後悔しないだろうか?あれをやっておけばよかった、これもしたかった。そういう、心残りが湧き上がってくるだろうな。
特に、子供のこと。30歳で結婚したものの、なかなか子宝に恵まれずここまできたけれど、例えば今この瞬間に死んでしまったら後悔しないだろうか。子供を授かるための努力を何もしなかった事を、私はきっと後悔する。

他にも、乳がん検査で影が見えて再検査を受けたり(結果はただの脂肪の塊でホッとしました)、生理不順が悪化し不正出血が二ヶ月続いたりということもあり、自分自身の健康状態に不安を覚え始めたこともきっかけのひとつとなり、これを機にしっかりと診察を受け、夫婦で不妊治療に向き合っていこうと決めました。

これが、始まりでした。

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