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5年寛解までの道のり
抗がん剤治療をはじめるにあたって、医師に質問したのは、何がゴールなのかということだった。リンパ管侵襲が認められたといっても、リンパ節に転移したことが確認されたわけではなく、いわば、あるかないかわからない癌細胞を叩くのが今回の治療なので、目指すべき数値や状態があるわけではないという回答だった。まずは6クールの投薬を終えて、それ以降は定期的な腫瘍マーカーの測定と年に1度の造影CT検査で再発がないかを検査しつづけ、5年間再発しなかったら問題がないとようやく判断されるとのこと。
9月中旬に子宮体癌という病名が告知されて外科手術の日を待っている頃、ちょうど池江璃花子選手の5年寛解のニュースが話題になっていた。
医師の話を聞きながら、このニュースのことを思い出していた。
途方もないなと思った。
急に暗闇に襲われたような感覚に、しっかりしなくてはと自分を鼓舞しなくてはいけなかった。
5年の歳月を想像したり
まして計画などしてはいけないのだと思う
心を保つために
だから
なるべく短いスパンで達成可能なマイルストーンを設けて
そこまでのタスクを細かく刻もう
そして 目の前のタスクにマインドフルになろう
そうやって毎日毎時間を過ごせば
頭を上げた時 きっと5年後が近づいてきている
メモアプリにこう入力して、何度か読み返してから家に帰った。
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血液検査の結果は問題なく、初回の抗がん剤治療は予定通り11月中頃におこなうことになった。