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手術室から帰還 | 手術日

手術は5時間近くかかった。前回の手術の影響で癒着がひどく、剥離にかなり時間を要したらしい。執刀医には慣れたことなのかもしれないが、想像しただけで途方もないことだと頭がさがる。手術室かリカバリールームかで、手術は終わりましたよと声をかけられたのは覚えている。次の記憶は病室で、夫と看護師さんがいることはなんとなくわかったけれども、朧げでにしか覚えていない。身体に何本もの管が繋がっていて身動きがとりずらく、身体が重たく瞼も重たく、夫が「また明日ね」と心配そうに覗き込んで病室を後にする様子を気配で感じながら、また眠った。

夜中の0時にパキッと覚醒。と同時にホットフラッシュ。うまく布団をはぐことができず全身から汗が吹き出す。モゾモゾと身体を動かすと痛みが走る。ちょうど夜勤の看護師さんが様子をみにきてくれ、痛みを訴えると硬膜外麻酔のボタンをシュッと押してくれた。何度でも入れられるので痛い時にはナースコールを鳴らすように言われる。ついでに空調の温度も下げてもらった。部屋が涼しくなると幾分過ごしやすくなったが、だいぶ眠っていたせいだろう、それから朝までは眠りが浅く、30〜60分おきに看護師さんが観察に訪れるたびに目が覚めた。どうしようもなく喉が渇く。水が飲みたいと看護師さんに訴えると、まだNGなのでせめてと濡らしたガーゼで唇を拭ってくれる。病院の起床時間は6時。随分と夜が長く感じた。

朝5時を過ぎると窓の外が美しく染まりはじめた。

別の日にベッドから撮影した朝5:20の空

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