日常を取り戻していく | 手術日+2日目
朝6時の起床のアナウンスとともにベッドから起き上がり、洗面台で顔を洗って歯磨きをし、椅子に座りNHKニュースを観る。まだスムーズではないけれども、そんな一連の行動ができるようになった自分に驚く。昨日のこの時間は、たくさんの管に繋がれて寝返りもままならなかったのに、人間の回復力はすごい。6時のニュースが終わったところで、病棟の廊下を3周歩いた。まだガスは出ていない。
9時過ぎに麻酔科医が硬膜外麻酔を外してくれた。これで残る管は、お腹についたドレーン2本と点滴1本の計3本になった。
10時過ぎに担当医の回診。聴診器で腸が動いている音は確認できるものの、ガスが出ていないことを心配される。本来であれば、ガスが出てから飲食を開始するのだが、あまり腸を休ませ過ぎると良くないので、今日のお昼からスープを出してみる、あと、腸の動きを良くする漢方「大建中湯」を処方するので食後に2包ずつ飲んで様子をみましょうと言われる。お腹の血液を出しているドレーンは、量が減ってきていれば、明日には外すとのことだった。
今日のお昼にスープ…!と腸がよろこんだのか、医師が病室を後にして15分ほど経ったタイミングでガスが出た。
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お昼に配膳されたご飯はこちら。トマトのポタージュがとても美味しくて、胃に沁み渡った。そのほかの液体たちは、見ているだけでお腹いっぱいになり、ほうじ茶と豆乳を半分飲んだところでご馳走様をして、残した豆乳とりんごジュースは冷蔵庫にしまった。
食事ができるようになってくると食べ物への興味が蘇ってくる。その興味はもっぱらノンアルコール飲料に向けられた。手術1週間前から禁アルコールで、術後もしばらくはアルコールは控えることになるだろうとネット記事などを読んで覚悟していたからだ。
ちょっと脇道に逸れるけれども、ノンアルコールビールについては、1年以上前にすでに満足できるブランドのを発見して定期的に購入していた。パーソナルジムに通いはじめた頃に、夫が見つけてきたクーリエ・ジャポンの記事『運動の後にスポーツドリンクより「ノンアルビール」を積極的に飲むべき理由』に、「運動後のビールは格別だ。しかし、その一杯をノンアルコールビールにすると、アルコール摂取が避けられるばかりか、回復や健康増進を後押しする効果も期待できると米紙が報じている」と書かれていて、まずはジムの日から取り入れることにして、幾つかのブランドのノンアルビールを試すようになり、いよいよ、「BRULO(ブルーロ)」というスコットランドのブルワリーが製造しているノンアルビールがとても美味しく、クラフトビール感も楽しめて満足出来ることを知ったことで、ジムの日以外にも平日のアルコール欲求はBRULOで満たすようになっていた。
そういうわけで、その時に欲していたのは美味しいノンアルワインだった。
ちょうどその日、Facebookでフォローしている著名な方が、個人で開いたBarでノンアルのラインアップを充実させているという投稿をあげていて、そのラインアップにはBRULOもあり、ノンアル赤ワインもあった。写真を手掛かりに、早速、アマゾンで購入してみた。
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起きている時間が増えたことで気持ち悪く感じはじめたのは、髪の毛が脂っぽくなっていること。シャワーを浴びることができない代わりに、毎朝、看護師さんが温かい使い捨てタオルを持ってきてくれるので、身体は清潔に保たれていたけれども、髪の毛についてはどうしようもなかった。ドレーンがあるのでシャワーはまだ無理。夕飯後の検温時、看護師さんに頭を洗いたいと伝えると、洗髪台があるので自分で洗えるようならどうぞと、あっさり許可してくれた。うじうじ悩んでいた自分がアホらしく感じる。もっと早く聞けばよかった。22時の抗生剤の点滴がはじまるまでは、身動きが取りやすいので、その隙に2日ぶりのシャンプーを堪能。すごく元気になれた感じがした。
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そんな様子で、だいぶ動けるようになったものの、まだ痛み止めは手放せず、毎食後にロキソニンを服用していた。血栓予防と腸閉塞予防のために朝昼晩と病棟の廊下を歩くが、疲れやすく、歩いた後はすぐにベッドで横になり休んでいたし、そのまま眠ってしまったりもした。
ガスが出た後は便通があったかどうかが責め立てられる。
流動食がはじまりはしたが、まだ便意を感じることはなかった。