ドリフのお話
ザ・ドリフターズの「8時だョ!全員集合」という番組がすきでした。1時間番組、毎週生放送で番組前半は、ドリフによる大がかりなコント。
夏になると恒例のおばけコントが放送される。以下コントの内容👻 ある村で殺人事件がおこる。現場の日本家屋にドリフ扮する警官たちが捜査に訪れる。謎の多いこの事件、いかりや長介さん扮する警察署長は、名探偵「金田一耕助」に捜査協力を依頼、志村けんさん扮する金田一さんが登場する。これで事件解決かと思いきや、事件現場の日本家屋で幽霊が現れたり怪奇現象がおきたり現場は大混乱!!
ところが混乱しているのは、志村さん扮する探偵金田一さんだけ。何故かというと志村さんが一人でいる時だけ幽霊があらわれる。驚く志村さんは、警官たちに助けを求めるが、警官たちがやってくると幽霊はいなくなる。こんなのがあらわれた! こんな現象がおきたと必死に説明するのだが、警官たちに「金田一さん真面目にやってください😡」と怒られる始末。コントをみている自分は、志村さんがめちゃめちゃ怖い目にあっているのに、何故警官たちは気づかない!?と志村さんに感情移入。志村さん扮する、金田一耕助が他のドリフターズメンバー扮する警官たちと気持ちが共有できない事にもどかしさを感じる。
そして、コントの落ちは金田一さんと警官たちの目の前で今まで出てきた幽霊たちが総登場して、現場は大混乱、「盆回り」という曲が流れ、前半のコント終了、ゲストの歌のコーナーに移る。
ドリフのおばけコントの話は一旦おいといて、わたしの夢の話。夜寝ている時に見る夢の事です。
わたしが子供の頃、変な夢をたくさん見ました。たとえば、実家の道路をはさんで真ん前にでかい工場が広がっていて、夢の中でその工場から飛行機が飛び立っては打ち落とされ、飛び立っては打ち落とされる光景を父親の運転する車から見ている。そして何故か悪の組織のボスらしき人物(閻魔大王みたいな顔をしてマントをはおり両手を広げている)が高笑いしているシーンで夢が終わる。わたしの記憶が確かならその夢を見たあと、わたしの祖母と母親が、戦時中その工場で、戦闘機を作っているという噂があったと話しているのを聞いて不思議な気持ちになった。
その他に、幼稚園の先生が何故か空から降ってきて地面に突き刺さる夢。ゴミ箱から何故かしりあいの首から上だけがでている夢。実家の真ん前の道路の真ん中に何故か小さい小屋が建っていて、その小屋に車輪がついていて突然、海の方に走っていく夢。
ここで、わたしが一番困った事は、このヘンテコな夢をみて生まれた何と表現してよいか分からない感情を、人と共有できない事だ。同じ映像を見れないので、どう夢の内容を説明してよいか分からないし、それを見て気持ち悪いのか気持ちよいのか分からないこの思いを何と人に話してよいか分からない。もどかしい、この思いを抱えこんでどう気持ちを処理してよいものか。このわだかまりがわたしの表現活動の原動力となっている節もある🎨
ここで、ドリフのおばけコントの話にもどる。志村けんさん扮する金田一さんは、確かに幽霊、怪奇現象を見た。しかし、他のドリフメンバーが扮する警官は信じてくれない。この恐怖体験を人と共有できないもどかしさ。それは何か重大な事に気づいたり見てしまったり、それを一人で抱え込むしか手段がない苦しさ。志村さん扮する金田一さんはコントの落ちで(出演者全員の前で怪異がおこる)、一人抱えている孤独から解放される。みんなで怪異をみたのだから信じるしかない。その時、金田一さんは「ね、言ったとおりでしょ!!」と得意気だろうとコントを見ていた自分は安堵する。当時、土曜日の夜この番組を見たわたしは、日曜日の朝だけは日頃いだいていた不安から解放される。
感情の浮き沈みの激しかった、かたばみの子供時代。今では多少、感情のコントロールが創作活動によってできてきたような気がする🎨🍀