
「ひとりごと」って何だろう。
<注意>
この記事は代表である太田伸志の
許諾の元に公開されており、
私あさひは一切の責任を負いません。
はじめまして、Steve* inc.にテクニカルディレクターとして入社させていただくこととなりました、中学生の頃に大好きな石川梨華(元モー娘。)の写真集を買いに行ったはずなのに、その時ちょっと気になってた高橋愛(元モー娘。)の写真集を買って帰ってきてしまった、という逸話でお馴染みのあさひと申します。
どうやらこの会社では「ひとりごと」(『スティーブのひとりごと』)が許されているらしいので、さっそく実践してみようと思います。もともと家でもずっと独りで虚空に向かってしゃべっているので得意な部類だとは思うのですが、いざ活字におこすとなると恥ずかしいですね。いきます。
おれは強い!おれは強い!!おれは強い!!!
ちょっと自己啓発本とグラップラー刃牙を読み過ぎたせいかもしれませんが、家ではだいたいこんな感じのことをそこそこのボリュームで発しています。すでに私のことを生理的に無理だと思った方も、どうか石川梨華という名前だけでも覚えてからブラウザを閉じてください。
さて、ここからは私のことを生理的に無理じゃない方々にお読みいただいているという前提でのびのび書かせていただきます。ここでひとつ気になるのは、いったいSteve* inc.でご活躍されている皆さんはどんな「ひとりごと」を発しているのだろうか、ということです。ちょっとだけ覗いてみましょう。
とても「ひとりごと」とは思えません。
「ひとりごと」というのはもっとこう、内からついつい漏れ出てしまうような「あ〜、だりぃ〜」とか「Fuck!」とか「松浦さんっていい男だな」とかだと考えていました。この認識の違いは、これからこの会社でやっていけるのかどうかという不安を大いに掻き立てるもの、いわば死活問題です。
ーーーーーー 3日後 ーーーーーー
自分とみなさんとの「ひとりごと」への認識のギャップに自信を失ってしまい、とても文章を書くような精神状態じゃなくなっていました(が、自己啓発本とグラップラー刃牙を読んでいたら治りました)。
改めてこの場(『スティーブのひとりごと』)で自分が発するべき「ひとりごと」とは何ぞや、ということに考えを巡らせてみます。
うーん、どうやら「ひとりごと」とは「独り言」ではないらしい、ということまではさすがの私でも気がつくことができました。
じゃあ一体なんなのか。
ついに我が家のリーサルウェポンの力を発揮する時がきたかもしれません。偉そうにスペースだけ取りやがって滅多に役に立たない(私が使いこなせてないだけです)広辞苑さんです。さっそく「ひとりごと」と引いてみたところ、案の定「独り言」が出てきました。私の知識が乏しいだけで、実はこの言葉にも知られざる意味が眠っているのかもしれない。
さて、その心は、、、
相手なしに、ひとりでものを言うこと。また、そのことば。
とあります。
そのままじゃねえか!!!
でも、「相手なしに」ってのはやっぱり違う気がします。なぜならすでに皆さんが書かれた記事からは、読み手への配慮がびんびん感じ取れます。わかりやすく、読みやすい、相手ありきの、読み手ファーストな文章です。なにより「松浦さんっていい男だな」なんて書いている人は一人もいませんしね、一人も。
そもそも「独り言」なんてものはたった独りのLINEグループでも作ってそこにぶちまけておけばいいはずです。

広辞苑には他にも「独り琴」という言葉がありましたが、どうやらこれも違うっぽい。
やばい、、、「ひとりごと」ってなんなんだ。
本当にわからなくなってきた、、、。
どうやら入社即最大のピンチを迎えてしまったようです。
ーーーーーー 3日後 ーーーーーー
皆さんが当然にわかっているだろう事をわからない自分はやはりSteve* inc.不適合者なのではないかと悩んでいたら自信を失ってしまい、とても文章を書くような精神状態じゃなくなっていました(が、自己啓発本とグラップラー刃牙を読んでいたら治りました)。
少しだけ元気を取り戻したところで、役に立たない広辞苑はさっさと投げ捨て、自分なりの仮説を立ててみることにします。
自分の語彙力をフル稼働させた結果、絞り出した説は2つ。
①「ひとりごと」とは「火鳥御飛」なのではないか説。
②「ひとりごと」とは「一人事」なのではないか説。
の2つです。
①は、「夜露死苦(よろしく)」や「愛羅武勇(あいらぶゆー)」と同じ類のヤンキー語と呼ばれるものですね。まだ入社したてなので、この会社がクソイキっているという可能性は捨てきれません(ひよこのスティーブくんだって火の鳥という裏設定があり、厨二感全開のマスコットなのかもしれません)。が、そんなことが分かり次第すぐに退社を申し出る所存のため、この説は一旦保留にして、②の「一人事」説に全てを懸けてみたいと思います。
そうは言ってもねえ〜、、、「一人事」ねえ〜、、、適当に漢字をあててみたところで何にも思い浮かばな、、、と思ったその瞬間、私の脳内にある人物の姿が投影されました。
ワニブーム🐊 pic.twitter.com/ACLqXdJl1K
— みうらじゅん公式サイト (@miurajun_net) March 20, 2020
そうです、みうらじゅんさん(以下、MJ)です。
「ゆるキャラ」「マイブーム」「クソゲー」などといった数々の社会現象の生みの親。
しかし、一体全体どうしてMJなのか。
私のバイブルと言ってもいいMJ渾身の自己啓発本『ない仕事の作り方』の前書きにこんなことが書かれています。
人は性的に興奮すると、 男も女もそれぞれ潤滑油を分泌します。カウパー氏とバルトリン氏は2人ともその潤滑油を発見した「ジュンカッツ」です。
失礼いたしました。誤ってMJ渾身の自己啓発本『正しい保健体育』の引用をしてしまいました。
正しくはこちらです。
私の仕事をざっくり説明すると、ジャンルとして成立していないものや大きな分類はあるけれどまだ区分されていないものに目をつけて、ひとひねりして新しい名前をつけて、いろいろ仕掛けて、世の中に届けることです。ここ数年ブームが続いている「ゆるキャラ」も、私が名づけてカテゴリー分けをするまでは、そもそも「ない」ものでした。 もともとは、各地方自治体や団体が独自に作っていた単なる「着ぐるみ」だったものが「ゆるキャラ」となった今、もう私の手など及ばないほどの一大産業となりました。
いや、もうこれこそ探し求めていた「ひとりごと」、なのではないでしょうか。
見つけたこと、思いついたこと、学んだこと、考えたこと、それを誰かに届ける。そのための「一人事」。
そう。そうなんですよ。
「相手ありき」の「一人事」こそ、すべての創作の発芽点であるはずだ!
どれだけ壮大な作品だって出来事だって、すべからく超ローカルな「一人事」から始まっていくんだ!!
なに当たり前のことをわざわざ太字にして言ってんだと思ったそこのあなた、どうか石川梨華という名前だけでも覚えてからブラウザを閉じてください。私はみなさんが5秒で気がつくようなことをこうして仰々しく述べる、卑しくて穢らわしい蔑まれるべき人間なのです。いくら軽蔑していただいても構いませんが、ここから先は憲法第二十一条(言論の自由)を盾に語らせていただきます。
「どんなものも一人事から生まれる」という事実は、「一人事にしておかないこと」の重要性を示しているとも言えます。
どんなに素晴らしいアイデアを思いついたところで、それを一人事にとどめてしまったら、周りからは一人でニヤニヤしている気持ち悪い奴だと思われて終わりです。そして、世の中に存在している多くの「ひとりごと」が一人事(妄想)のまま終わってしまっているのではないでしょうか。
クリエイティブという畑で仕事をさせていただいている以上、一人事をしっかり育てあげ、それを二人事、三人事、、、と大きくしていく意識を持つことは大切だと思っています。
MJが考案した「ゆるキャラ」だって、最初は一人事だったその輪を彼が根気強く広げていったからこそ、とてつもない社会現象を巻き起こしたわけです。
※ひとつのアイデアを巨大なプロジェクトへと変換させていく手法については、前出の『ない仕事の作り方』で紹介されておりますので、ぜひ手にとってご一読ください。
とまあ、みんながみんなMJのような変態的な努力を積み重ねられるわけではないですが、もう少し柔らかく考えて「周りの人を巻き込んでみる」くらいならできるような気がしませんか?
「こんなこと考えてるんだけど」って話しかければいいだけなので誰にでもできます。日本国憲法しか守ってくれるものがない私でも良い一人事(アイデア)さえ練ることができれば、きっと誰かが巻き込まれてくれるはずなんです。
良い一人事さえ、ってのが難しいのかもしれませんが、例えば生活の中でこんなことを意識してみるってのはどうでしょうか。
①「自分」の幅を広げてみる
なんかメタバースメタバース騒がしいから、VRChatでもやってみるか、とか。あそこのカレー屋の前通るといつも良い匂いがするな、試しに自分でもスパイスからカレーを作ってみようか、とか。
ようは「これやってみたい」「あれ楽しそう」を実践し続けることです。気になったことをスルーしないってのは、意外と難しいですが、重要なことだと思います。
②原因と結果の関係性を考えてみる
目にした作品や世の中で起こっていること、またそこから生じている他人の意見について、なぜ、どうして、どのようにそうなったのか考えてみることです。
質の高いアイデアを閃けるかどうかは、日々直面する事象の結果だけを見るのかその原因にまで思考を巡らせることができているのか、に大きく左右されると思います。
③日々の善い行い
みなさんは、重そうな荷物を持ったおばあちゃんがいた時、見て見ぬフリをしていませんか?
ペットボトルを捨てる時、しっかりキャップとラベルを外して分別していますか?
私あさひがとても面白いことを言った時、できるだけ大きな声で笑っていますか?
例えば、上記のことができないような人間には良い一人事というものは絶対に芽生えません。そういう仕組みになっています。
どうでしょう。ビジネス書とスピリチュアル本に書いてあるようなことを薄めて書き連ねてみましたが、あながちバカにできないと思います。
これらを同時に実践しなくてはならないのはなんだか大変そうに思えますが、ほんのちょっと心掛けるだけで一人事の幅が広がり、深度が深まるはずです。
そして、少しずつでも手元に一人事を蓄えておければ、ここぞという時や良い出会いがあった時にドーンッと提案することができます。
「ひとりごと」がいったい何になっていくのか。
それは巻き込んでいく人の数や性質にもよりますし、なにより自分自身の意志によって変わってきます。
関わった人がちょっぴり幸せになる程度のことでもいいのかもしれませんし、もしかしたらこれを読んでいる誰かが「ゆるキャラ」に匹敵するコンテンツを生み出して日本の経済を回してしまうかもしれません。
その大小はともかく、「こんなこと考えてるんだけど」そのたった一言から人生の財産が生まれるかもしれない、と思ったらなんだかワクワクしませんか?
私自身、これまではあまりアウトプットをしないアウトプット信者、ようは口だけの人間として生きてきましたが、これからは自分の考えや発想、スキルを元に二人事、三人事、、、と、どんどん周りを巻き込んでいけるような人間になっていきたいです。
そして、自らの「ひとりごと」の練度を上げていくのももちろんですが、誰かのステキな「ひとりごと」に「自分から巻き込まれにいく」人間でもありたいと思っています。これも「なんか楽しそうですね」と話しかけるだけなので、誰にでもできます。冷たい眼で見られたら、スッと立ち去ればいいのです。傷付いたら自己啓発本とグラップラー刃牙を読みましょう。
ということで、Steve* inc.での「ひとりごと」の一環として、まずはこの『スティーブのひとりごと』を更新してみたわけです。もしかしたらこんなくだらない文章でも、誰かの意識がちょっとだけ好転したり、私もnote書こうかな、と思っていただけるかもしれません。
そう思っていただけたなら、それはもう私の「ひとりごと」ではなく、「あなたとわたしのふ・た・り・ご・と💕」です。ありがとうございます!
まあ、要約すると「独りでいたくない。寂しい。仲良くしてください。」という文章をここまで長々と綴ってみたわけですが、どうでしたでしょうか。だいぶ拗らせてますでしょうか。
そんな私ですが、せっかくSteve* inc.という会社に所属させていただくことになったので、これから一緒に働いていくみなさんと巻き込み巻き込まれの揉みくちゃな関係性を築きあげ、「独りじゃない。寂しくない。恋バナをするだけの毎日。」を送りたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。くれぐれも死ぬほど仕事を振ってくれとかそういう話ではないのであしからず。
そして、これをお読みの、非Steve* Inc.のみなさんも、どんどん「ひとりごと」しましょう。どんどん人を巻き込みましょう。まずは、この記事を読みながらできるだけ大きな声で笑う(「スキ」ボタンを押すとなお良し)ところから。そういう小さな一歩が大切なのです。
だってさ、その「ひとりごと」、お墓まで持っていっちゃったらもったいないよ!!!
といった意気で、一緒に頑張って生きていきましょう。
すでに大半の方が石川梨華という名前だけ覚えてブラウザを閉じてしまったと思いますが、ここまでお読みいただいた温かいみなさま、ありがとうございます。大好きです。
その御礼と言ってはなんですが、最後に「結局こいつどこまでが本気でどこまでが冗談なのかわからないな」と思っているそこのあなたに一つだけ真実をお伝えしておきます。
おれは強い。
という事で、今後とも私あさひを夜露死苦お願いいたします。
あさひ