てらてら 歌詞考察

和田たけあきさんによるボカロ曲、てらてらを考察します。

この曲はプロセカのイベント、「No seek, No find」に書き下ろされたもので、Leo/needを彷彿とさせる歌詞もたくさんあります。

ただここでは私がふと思ったような戯言を書いていくので解釈不一致にはお気を付けください。


①ありふれた言葉、盗んだ言葉に乗っかる
 自分の気持ちを言えず、周りの意見や一般論に流されてしまう主人公のことではないだろうか。
シンクロナイズしちゃったら私行方知れずだ→自分を見失っている様子

②嫌われたくない
 主人公は一度嫌われた。それは人間関係を「踏み外して」しまったから。
それ以降は嫌われたくないので言動を頭がこんがらがるまでじっくり考えている。そんな主人公の生きる足取りはおぼつかない。

③シャバの空気
 刑務所を出た人がよく言う言葉。「ようやく取り戻した」というのだからしばらく世間に受け入れられていなかったのかもしれない。前に踏み間違えた人間関係をやっと修復し、受け入れられた主人公は「人の疑い方」も忘れかけるほど必死だった。

④ブレブレの夢
 主人公は「あたし」がいないことに気が付く。そして泣きながらもしも自分が自分の気持ちを正直に話したらどうなるのかを考える__
…ここ、私は夢の世界でもしもの自分を上(高い高い場所)からみていると考えます。そして泣いているから「ブレブレの夢」…

⑤主人公のレビュー
 主人公が見たもしもの世界はレビューサイト(世論?)なら夢を語らせてくれないようなものだった。余計な個性がのっかったそんな人生はいらない!、と主人公は一度諦める。
…余談ですが、「シンクロナイズ」には「写真で、フラッシュやストロボの発光とシャッターとを連動させること」という意味があるようで。これはつまりフラッシュが当たるような明るい世界。そこに飛び込んだら自分を見失った、ということだと思う…

⑥残機はたったひとつ!
 主人公が人間関係を修復したときのこと。友達には「次は二度とない」と言われる。もう失敗できない、まさに残機はひとつで走り続ける主人公だ。
主人公は細くひかれた白線のような人間関係の糸を渡っている。

⑦主人公のアィデンテイテイ
 ⑥を狂った常識と言う主人公!そんな顔色を疑うような人間関係、間違っていることは分かってる。でもそんな関係が愛しい。自分自身を縛り付けて抑え込んでいることもわかってる。そしてそれをアイデンティティとしている自分が嫌になっている…
…ここでのアイデンティティは「自分が他者に認められている感覚」としています…

⑧キライ・キライ
 自分も世界も嫌いたくない、ありのままの自分で世界と仲良くしたい、そんな主人公の思いが見える。「今ここで鳴らす音」つまり今の日常を大切にしたいという葛藤もある。主人公はどんな道を選ぶのか__

⑨神様の二次創作だった
 一般論にのっかってまわりに好かれるようにしていれば人として成層圏を超えていけるのだろうか。「正義」というものは常にさびしいものだから、そんな生き方もありなのかもしれない。
 自分は神様による二次創作、いわば焼き直しでオリジナルな存在ではないから、わざわざ一人になる道を選ばなくてもいい。まわりの顔色を疑う「しょうもないヤツ」でも構わない。主人公はそう結論づけた。

⑩「踏み外す」意味の変化
 愛されたいなら踏み外して→まわりの意見にのっかって。
しかしここでおかしな点がある。主人公ははじめ「まわりと上手くやる生き方」を踏み外した。しかしここでは正しい道、つまり「自分を尊重する生き方」を踏み外せと言う。主人公は正しさを理解したうえでこの道を選んだのだ。
 今、全員が個性を出して仲良くする「正解」みたいな世界が高い高い目標になっている。それを主人公は「大切に飾ってる」と。そんな世界、実現不可能だということを身をもって感じたからこの結論にたどりついたのだろう。

⑪「正解」は果てしない
 個性主張者を横目に主人公は「果てしないだけの場所でなんか見つかりましたか?(ここ嘲笑っているようにも思える)」と心の中で問う。余計な個性だけ乗っけて一人で寂しくいる生き方、そんなのいらない!!
__これが主人公の答えだった。

と、思われたが最後にひとつ不可解な歌詞が。
「シンクロナイズしちゃったらあたし心知れずだ。あ~あ。」
やっぱり納得できないままでいる主人公ちゃんもいました!!!
以上、1835字の駄文でした。お付き合いありがとうございました。


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