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『娘がパパ活をしていました』自分への問いとして編集した話

はちみつコミックエッセイの松田紀子です。

2月15日に『娘がパパ活をしていました』という作品が発売されます。
帯は、私が敬愛する小説家、山内マリコさんに寄せていただきました。

現在、著者であるグラハム子さんのXで先行公開中なので、ご興味あるかたはぜひご覧になってください。

この作品を企画する発端となったのは、高校生の息子のインスタグラムDM。
息子のインスタには見知らぬ人からDMが来る。
「ストーリーズを見て」だったり「なんかいいなと思って」だったり。
現役高校生の出逢いはこの「インスタのDM」きっかけが多いそうで。

私の高校生時代(33年前…)の交際相手はだいたいクラスメイトか同じ学校、遠くても友達の知り合いだとか、中高の先輩だとか、数人を中継すれば「どんなひと」かがざっくりわかるような相手が対象だった。気がする。

だけど2025年現在、自由に使えるスマホを得てSNSに興じていたら、あらゆる人とつながることができ、それは確実に世界を広げるだろうけれども、周囲も知らない人と知り合っている可能性はほぼ100%だ。

もしもその中に、中高生の「無知さ」に乗じた不良な大人がわんさかいたとしたら…。いや、いるに決まっている。だから学生が被害に遭う犯罪が後を絶たないのだし。

未熟な息子にスマホを持たせるのは何となく不安。だけど彼らの世代はもう、スマホやSNSがない世界には生きられない。そうしないとコミュニケーションがとれない。日常生活さえままならなくなる。

スマホやSNSを通じて、親の知らない間に知らない人とつながって、それがその子の人生を暗転させる一大事になっていたとしたら…。そして私たち親世代は経験したことのない出来事だったとしたら…。

そんな「経験したことのない出来事への不安」や「親としてどうあるべきか」という問いから生まれたのが、『娘がパパ活をしていました』という作品です。

私には娘はいないけれど、娘をもった親の気持ちで。
女子高生に取材を敢行して、編集しました。
(ちなみに、この女子高生たちは「パパ活」はしていません。
だけど実に危うい誘惑や仕掛けを日常的に浴びていました。
彼女たちのリテラシーがしっかりしているからこそ避けられているのであって、スマホ利用者の女子中高生全員が避けられるとは到底思えません)

「女性は、若ければ若いほどいい」とされる日本の脈々とした文化。
そこに無知のまま担がれてしまう少女の危うさ。
担がれている当時は気が付けない、男性側の巧妙な下心。
ヒエラルキーを高めたい、少女たちの無邪気な欲望。
全部、私も経験してきた。きっと、この文章を読んでいるあなたも。

そんなこんなを、娘側と母側の視点で描いた本作。
最後は、「今、一番大事なものは何か」という視点で締めくくったつもりです。エロ描写は一切ありませんので、安心してお読みください。

Amazonでの予約は始まっています。
書店では、2月15日に発売予定です。


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