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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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拝啓、鳥山明先生。

漫画の神様が、この世を去った。

多くの漫画家さんが、鳥山先生への追悼の意を綴ると共に、彼に与えてもらったものの大きさをコメントで語っていた。
僕の敬愛する、尾田先生のコメントを読んで、電車の中で目頭が熱くなった。その文章の数々を見る中で、僕自身も語りたい想いが湧き上がって来た。

誰のためでもない。自分のためである。
ただ、彼に想いを伝えるだけの文章を書こう。

※この記事はドラゴンボールのネタバレを含みます🐉


ドラゴンボール改が、最初の出会いだった。

僕が初めて好きになり、単行本を集めようと思った漫画はONE PIECE。
当時、ONE PIECEのアニメは日曜日の9:30からやっていて、その前の9:00~は色んなアニメが代わる代わるやっていた。

ある時、唐突に始まった「ドラゴンボール改」。
ドラゴンボールを一度も見たこと無かった僕は、ONE PIECEの余興としてなんとなく見始めたのだが、これが非常に面白い。
「改」はサイヤ人編から始まる。キャラクターの関係性も特に分からないまま見進めるのだが、孫悟空というなんとなく知っているキャラクターが出て来て、宇宙からやって来たサイヤ人との死闘が急遽始まる。

まさかの序盤で、主人公が亡くなる展開。驚いた。
あの世での孫悟空の修行が始まり、さらに強いサイヤ人が襲来する展開…
気づけば毎週、この時間を楽しみにしていた。

猛威を振るうナッパ、ピッコロの死、そして遅れてやってくるヒーロー孫悟空。ナッパを瞬殺し、ベジータとの死闘が始まる。
はじめて見たあの映像は、この歳になっても思い出すのだ。

3倍界王拳を使用し、かめはめ派を放つ悟空。痺れた。
このとき既に僕は、ドラゴンボールという作品のファンになっていた。

ナメック星でのフリーザとの死闘。はじめてアニメで見たスーパーサイヤ人。

サイヤ人編が終わり、舞台はナメック星へ。悟空は療養中のため、クリリン・悟飯・ブルマの三人で向かうという展開がまた憎い。

フリーザが蹂躙するナメック星にて、暗躍するベジータ。
悟飯たちもそこに加わり、三つ巴の様相を呈する展開。

様々にストーリーは展開し、いよいよフリーザ一派との直接対決が始まる。
突如現れたギニュー特戦隊にボコボコにされるベジータの姿を見て、絶望する中学生の僕。そしてまたも遅れて到着する悟空。
ナメック星に至るまでの修行を経て、圧倒的にパワーアップし、ギニュー特戦隊を圧倒する。

展開自体は、サイヤ人襲来編と大きく変わらない。
でも、熱いのだ。王道なんだ。
少年漫画はこれでいいのだと思わせる、圧倒的な画力・バトル描写・盛り上げ方。毎週毎週、日曜が楽しみで仕方ない。

そして開始するフリーザとの直接対決。お互い瀕死の状態の死闘を経て、満を持して悟空がスーパーサイヤ人に覚醒する。
痺れた。これ以上ないくらいに、大いにワクワクした。
その僕はきっと、ドラゴンボールが当時ジャンプで連載していた頃、はじめてスーパーサイヤ人を原作で見た子どもたちと、全く同じ気持ちになっていたのだろう。
偉大な漫画は、時を超えて、共通の感動を、人間の胸に刻むのだ。

思えば、鳥山明とは既に出逢っていたのだった。

ドラゴンボールのアニメの話は際限がないので、ここで一旦筆を置こう。
実は僕は、「ドラゴンボール改」を見る前から既に、鳥山明作品に多く触れていたのだった。当日中学生だった僕は、ある時その事実に気付いた。

父が持っていたスーパーファミコンでプレイした伝説のゲーム、「クロノ・トリガー」。いとこの家に行った時、叔父が持っていたゲームソフト「ドラゴンクエストⅤ」。そして、小学生の頃に、ゲオで借りて見ていた「Dr.スランプアラレちゃん」である。

僕の人生の中には既に、鳥山明作品が息づいていたのだ。
どれも大好きで、夢中でプレイし、夢中で見入った。

そして、それだけでなはい。
ONE PIECEの作者、尾田栄一郎先生が「神」と仰ぐのも、鳥山明。
NARUTOの作者、岸本先生も同様である。
僕が愛してやまない、平成を代表するジャンプ作品の作者たちの多くが、鳥山先生に多くの影響を受けている。すなわち僕がこの歳に至るまで、ずっとずっと楽しませてもらって来た漫画作品、ゲームやアニメのほとんど全てが、鳥山明という偉大な方のおかげで存在していたということに気付いたのである。

漫画家とは、空想を具現化し、人々の脳内世界に入り込み、豊かにする存在だと思う

鳥山先生の死去に、世界中が涙している。
それだけ、それだけ偉大な人物だったということである。
間違いなく、昭和〜平成を代表する日本の漫画家だ。

Xを見ても、日本国内だけでなく海外を含め、あまりに多くの反響があることで、改めてその存在の大きさに気付かされる。

彼が生み出した物語・デザイン・世界観・キャラクターの全てが、僕たちドラゴンボールファンの、鳥山明作品ファンたちの、思い出に刻み込まれている。それは物凄いことだと思う。

鳥山明さんが亡くなっても、文字通り彼の残した作品は、後世まで語り継がれ、愛され続け、受け継がれ、生き続けていくことだろう。
漫画家という仕事の偉大さ、素晴らしさに敬意を表する他ない。僕は本当に、漫画家という生き方を選んだ全ての人たちを尊敬しています。

小学生は、今でもかめはめ波を打つだろう。
大人たちも、今でもカラオケで摩訶不思議アドベンチャーを歌うだろう。
かつて放送されたこのCMのように、その思い出は次の世代にきっと受け継がれていくのだろう。

アニメの力。物語の力。


この動画を以前初めて見た時、言葉にならない感動を覚えたことを記憶している。ぜひ、見たことのない人には一度見ていただきたい。


人の死期さえも超えていくような、理解もできない力が物語には込められている。程度は違えど、物語に触れながら生きる僕たちは、大なり小なりその力を受け取りながら生きているのだろう。

結びに

鳥山先生が成し遂げて来たこと、その生き様に深い敬意を示したい。
ドラゴンボールという素晴らしい物語を生み出してくれて、本当にありがとうございました。今も好きで、いつ読んでもワクワクするような、ドラゴンボールが大好きです。かめはめ派、いつか打てるようになりたいです。

ドラクエ、クロノ・トリガー、アラレちゃん、その他全ての鳥山作品と、また改めて出会い直したいです。漫画、買いますね。アニメ、観ますね。

DAIMA、本当に楽しみにしています。
いつの日か、あの世でお見かけできる日を楽しみしています。

漫画を描いてくれて、ありがとうございました。

                              肱岡佑

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