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かすみを食べて生きる87:もしかするとバカンス

脳梗塞 発症2か月と24日目:リハビリ病院3か月目③

食事:脳梗塞(ワレンベルグ症候群)の後遺症のため、嚥下ができなくなり訓練中。食事形態はミキサー食からみじん食を経て、先週3食常食(普通食)にたどり着いた。首を左に向けると飲める。
状態:歩けるようになってきた。終日、館内フリー歩行自立。きょろきょろすると少しめまいがする。

退院後の生活を想像すると不安になる。
戻れるのか、あの戦場に。
退院まであと8日。

『かすみを食べて生きる 序文と目次』
<発症2か月と23日目:リハビリ病院3か月目②
 
発症2か月と25日目:リハビリ病院3か月目④>
 


リハビリ病院終盤の一日を振り返る

リハビリ病院に転院して一週間の頃。
食事はまだ口から摂れず鼻からの経管栄養だった。
その時は1回の食事に90分ほどかかって一日のスケジュールを圧迫していた。
リハビリ病院も3か月目となり、3食口から食事をとることができるようになった最近、どのように一日を過ごしているか振り返りたい。
▲:食事 〇:リハビリ 太字:病院から決められた予定

【朝】
0600起床
0610 白湯を入れにデイルームへ
0620 白湯を飲む
0640 洗顔、パック、着替え、身支度、ベッド整頓
0730 ▲朝食
0830 はみがき
0840 一日の予定計画、お風呂予約
0900 〇自主練①+嚥下訓練10回
1000〇言語療法リハビリ
1050 ▲午前のアイソカル(栄養剤)
1100〇理学療法リハビリ
【昼】
1200 ▲昼食
1300 はみがき
1310 〇自主練②
1400 ウクレレを弾きに中庭へ
1450〇作業療法リハビリ
1600 ▲売店へ>おやつと午後のアイソカル
1630 お風呂
1720 洗濯回す、髪乾かす
【夕】
1800 ▲夕食
1900 はみがき
1920 洗濯回収、たたむ
1930 子どもとビデオ通話(週1回)
2000 〇自主練③+嚥下訓練10回
2100 休憩と一日の記録
2140 はみがき、着替え
2200就寝

なぜか相変わらず忙しい。
セラピストさんのリハビリは毎日時間が変わるので、他の予定をどこに入れるか毎朝パズル状態。
売店とウクレレを弾きに中庭に行けるのは17時までなので、何とか時間までに入れたい。
お風呂は3本のリハビリが終わった後、夕食前に入りたい。
自主練はその時しんどければ控えたので、3本できた日は調子がいい日。
疲れた日は夕食後ベッドに倒れこんだ。
はみがきは1日4回。
嚥下障害にとって、口の中の汚れは誤嚥につながる。

忙しいけれど、楽。
飲み込みは難があって、右半身はしびれ、これまでより疲れやすいけれど。
今はとても楽。
子どもに振り回されることも、横から急な仕事が入ってくることもない。
自分のことだけを予定通りにやればよくて、ごはんは作ってもらえる。
毎日一度はウクレレを弾けたりする。
もしかすると私にとって、今はバカンスなのかもしれない。

家に戻れば、やらねばならないことが山ほどある。
最低限、「食事を準備する>子ども(幼児)に食べさせる>片づける」を1日2回。
1回やっただけでも倒れそう。
今は自分のことだけ考えればいいけど、戻れば子ども優先となり自分は後回しとなる。
私、日常生活に戻れるのだろうか。
想像の範囲でも体力が足りない。
不安すぎる。
それについて今できることは体力をつけるための自主練しかない。
自主練をしよう。

朝ごはん#30

バナナとゼリーもついている

おかず、ぱっと見で何かわからない。
献立はこちら。

  • レタスと海藻のサラダ

  • リンゴゼリー

  • バナナ

  • ジョア

  • 味噌汁

  • 軟飯

  • 梅干し

  • アイソカル100

レタスと海藻のサラダ。これちょっと危険そう。

海藻の繊維は硬い

味噌汁に入っているわかめも同じなのだけど、海藻は真ん中の繊維の筋が硬い。
これをそのまま飲みこむとのどに引っかかる。
気をつけてしっかり噛んで飲みこむ。
ゼリーにバナナとデザートが盛りだくさん。
朝はしっかり食べたいのでうれしい。
所要時間は47分。
まずまず。

お昼ごはん#43

先日から言語聴覚士の下浦さん(仮)に、食事が足りないと感じることを訴えてきた。
そこでこの昼食から、これまで半分の量だったおかずを全量にすることとなった!
一度にすべて増やすのは不安があったので、軟飯は半量のままにさせてもらった。

おかずががっつり

おぉぉ!おかずががっつり!
献立はこちら。

  • 天ぷら、大根おろし添え

  • きゅうりとえのきの酢の物

  • 軟飯

  • アイソカル100

天ぷら!揚げ物、おいしい!!
天ぷらは大根おろしと食べると衣が大根おろしの水分を吸った。
一度にたくさんは飲みこめないのと、水分は無意識に飲みこむと危険なので、先に衣の水分を飲んで、後から具材をしっかり噛んだ。
きゅうりとえのきの酢の物
えのき…危険を感じる。

短く切られたえのき

あ!えのき短く切ってある!これならいけそう。
食べてみると問題なく飲みこめた。
1㎝程度の長さ。ここまで切ればえのきは食べることができる。
家で使うときも刻もう。
酢の物はさっぱり食べれる。
所要時間は45分。
白滝、カニカマ、えのきなど長さのある食材も1㎝くらいに刻めば食べることができる可能性を感じた。
所要時間は45分。
おかず全量になっても、所要時間はそこまで変わらなかった。

ポテトチップスに挑戦だ:カロリーを求めて#7

病院にいるうちに、食事以外にもいろいろなものを食べる練習をしている。
難易度は高そう。でも私の人生からこれを外したくない。

ポテチ!

そうこれ!ポテトチップス!
じゃが芋だから、よく噛めばいけるはず。
食べてみるとサクサク。久しぶりのサクサク。
噛んで、噛んで、噛む。
なかなか飲みこめる状態のドロドロにはならない。
さらに噛んで、噛んで、噛む。
飲みこむ。
…のど越しはあまりよくない。
かなり噛んでも芋の繊維を感じる。
今の私にとってポテトチップスは、怠惰な休日にテレビでも見ながら食べるお気楽スナックではなくなった。
少し悲しい。

夕ごはん#23

量がいかつい

うわー、おかずの量が多い!
献立はこちら。

  • 豚肉の野菜巻、カリフラワー添え

  • 小松菜のピーナッツ和え

  • 五目豆

  • 軟飯

  • アイソカル100

豚肉の野菜巻、一口大に切ってあるのがありがたい。
大きめおかずはあらかじめ切っておけば食べやすそう。
子どもに出すのと同じかな。
小松菜のピーナッツ和えはピーナツに警戒をしつつ何とか食べることができた。
五目豆は豆一粒をひゅっと飲みこんでしまわないように気をつける。
所要時間は45分。
喉は少ししんどいけど、久しぶりにおなかがぱんぱん!
満腹の幸福感!


ーー振り返って

ここ最近の一日の予定を振り返ってみました。
日中は分刻みで動いていますが、夕食後はなるべくのんびり過ごすようにしていました。
退院後の生活、想像しただけでも怖かったです。
でも今その負担を夫が一身に受けていることを考えると、退院にむけ覚悟を決めていく時期でした。
あの時は「もしかして今はバカンスなのでは」と思ったりしましたが、バカンスにしてはストイックな日々でしたね。
ごはんの準備・片づけをしなくていい、好きなことをしていい、何もしなくてもいい、どこか景色のいい場所にバカンスに行きたいものです。

おかずが全量になりました!
発症前もこんなに食べていなかったなという量が出てくるようになりました。
食べる時に気をつけることは多いけど、発症前よりもゆっくり食べる分しっかり味わえている感じがします。

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