数週間泣いていなかった私が号泣した訳
最近、泣いていなかった。
別に泣かなくてもいいんだろうけれど、
私は、泣くことを「魂の浄化」と呼んでいて、
泣くことによって、気持ちの整理とか心の整理とかができる感じがする。
10月に入って、
楽しみにしていた有給休暇がもらえなかった。
4月から、夫の緊急入院でびっくりするくらいお仕事に出なくなり、
出勤率が低かったので、仕方ない。
それでも、10月に有給休暇が付与されることを楽しみにお仕事をしていたので、
ないと分かったら、やはりガーンである。
やむを得ず休んでいたのだから、なんか解決策があって欲しいものだ。
これから1年、欠勤しながら生きていくのか。
お給料は減る一方だ。
最低賃金が上がったのだから、私の時給もおそらく上がるであろうが、
息子と二人、食べていくのがやっとといった感じである。
特に楽しむこともなく、毎日をたんたんと過ごしているわけであるが、
泣いていなかったので、私の心のバランスは崩れつつあった。
「イライラ」とすることがまれであったのに、
毎日「イライラ」するようになった。
息子がゲームに熱中し、ご飯に呼んでもきてくれないことに
「イライラ」する。
そもそも、私は、とても寂しがり屋な人である。
大学に進学して、広島に住んでいたが、
寂しすぎて、3日で故郷に帰ったくらいだ。
(たまたま住んで3日目が土日だった。)
それくらい、一人でいることを得意としない私だから、
ご飯だよ、と息子に声をかけても、食卓に来てくれないことに、
苛立ちを感じていた。
先ほど、歯を磨いた。
私の平均就寝時間は、21時である。
ふと、夫が使っていた香水が目に止まった。
青いビンに入った、ずっと使っていた香水だった。
なにを思ったか、私は、ワンプッシュ香りを出してみた。
これは、まずい。
張り詰めていたもの全てが、滝のように目から溢れてきた。
懐かしい香り。夫の香り。
この11年間、いつも私の隣にいた甘い香り。
夫を感じて、涙が出た。
嗚咽。
私は、なにを恥ずかしがることもなく、
ただひたすら泣いた。
明日目が腫れてもいい。
夫の香りは、全てを許してくれて、私に魂の浄化をさせてくれた。
私の身体は、香水の残り香で、かなり甘い雰囲気が残っている。
今日は、この香りに包まれて眠ろう。
嗅覚とはすごいもので、いろいろな記憶をひとつに繋げてくれる。
割と、すっきりとした気持ちになった。
息子は相変わらず、ゲームをしているけれど、
飽きたらやめるだろう。先ほどまでの苛立ちを感じない。
さて、寝る準備をしようか。
明日から週の後半戦。
雨が降っているので、明日はバスで出勤しよう。
それでは。