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【詩】油津へ

宮崎発、二両編成の古びた列車が
ガタゴトと、馴染みの線路を踏みしめる
体を揺すって、狭い小道を進んでいく
ディーゼルの大きな音を響かせて

ゆったりと、足を伸ばして
道の起伏を楽しもう
大きな空、見わたす海
眺めは、のんびりと通りすぎる

油津は、約束の地だ
航路につなぐ、希望の港だ

列車は、トンネルを駆け抜けて
熱い日射しの浜辺を目指す
ふり向けば、山が静かに佇んで
潮のにおいを呼吸する

カタコトと、転がる車輪に耳をすます
視線は、海原のかなたを泳ぐ

©2022  Hiroshi Kasumi

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加澄ひろし|走る詩人
お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。