「いいかげん」にダメAI絵を漫画へ再利用する方法
春日木はAI漫画を作るにあたって、まず大量にいろんな角度のAI絵を作ります。
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この漫画で使ったモデルはBD様(@br_d)のBDシリーズ。
めっちゃカッコイイ絵が出て「これだ!」と思って決めました。
そして、ローカル環境で絵をいっぱい作ったのですが…
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といった風に、思った通りでない絵もたくさんでてきます。
無論、望んだとおりの絵がでるまでがんばってもいいのですが、ここで作りたいシーンのことをもう一度考えてみましょう。
本当にどうしても(脳内にある)その絵でないといけないのか? と。
例をあげます。
『昔ゲームを教えた幼馴染ふたりが俺をプロチームに誘いに来た件』最終話の2ページ目、コンテはこんな感じでした。
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戦える武器が無い主人公が世界最強のプレイヤーから必死で逃げるシーンです。
1コマ目 逃げた主人公に気付く敵
2コマ目 (ドラゴンボールの”気”を纏った舞空術のようなイメージで)猛追をはじめる敵
3コマ目 それを感じ、焦る主人公
といった構成。
これに作り置きのAI絵を置いたのが↓になります。
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1コマ目と3コマ目は良い感じにできたものの、2コマ目の素材がありません。
ここで再考します。
「このシーンはどういうシーンで、それは想定した絵である必要性はあるか」と。
ここは『ラスボス:参神宮院が主人公との力量差を完璧に把握し、愉悦とともに追いかけてくる恐怖』を描きたいシーンです。
つまり2コマ目の『驚異的な身体能力で追いかけてくる敵』の内容は替えがききます。
結果、完成原稿は↓になりました。
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足元だけを見せて追いかけスタート。
見せる内容も『驚異的身体能力』よりは『愉悦』のほうへ振った感じになりました。
これまでのシーンで、そして今後のシーンでも参神宮院の『驚異的身体能力』は描写されるので別にこれで良かったと思います。
そして、ここからが本題。
この2コマ目に使ったAI絵は
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これなんです。
顔も違うし、髪も変だし、服も整合性とるのが大変…そんな画像でもちょっと発想を変えれば、ちゃんと1コマを埋める材料になりました。
他にも、
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体幹が終わっていて普通には使いようがないこの絵も…
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『着地時』という特殊な状態に差し込めば、立派に使える絵になります。
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上で紹介した使えない絵の参神宮院も憂いを帯びた表情に着目。
しかし、髪を手作業で修正して白くするのはめんどうなので
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背景をグラデーションにして髪が黒いのはそういう効果だ!と思わせるように誤魔化しました。
漫画のコマには人がきっちり収まるものは意外と少なく、画像の一部だけを当てはめても結構内容は伝わるもの。
出来たAI絵を「使えないからゴミ箱へ」とする前に、「もしかしたらココ使えるかも!?」と考えられればもっと時短で作品が作れるかもしれませんね。
まあ使うかもっ…て取りおいてたら、
ハードディスクが画像でパンパンになるんですけど!!(オチ