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緑内障治療の未来 眼内デバイスから薬剤が出てきて点眼不要になる!?

春日部の皆さん、こんにちは。
早いものでクリスマスですね。
この時期は、忙しいとしかいいようがない時期だと思いますが、何か気分が良くなってくる時期です。

 ▶緑内障治療の未来

さて、今回は、緑内障治療の未来についてお話しましょう。

現在、緑内障治療の主力は点眼治療が主な物となります。 
しかし、この点眼治療、毎日1回は、まだしも2回、これを3種類、5分おきなどと私も指導しておりますが、患者様が、これを20年毎日続けられるかと問われたら、私が患者の立場でも、多分難しいと言わざるを得ません。
データでも、3か月で25%、6か月で40%の患者が、この点眼治療から脱落しているというデータがあります。
 
この問題を解決するために、

”眼内にデバイス(装置)を留置し、
そこから薬液が半年ほど徐放する事により、
患者はその手術を受けるだけで、点眼治療から解放される”

という未来が描かれています。
勿論、半年毎に薬液の補充などをしなければいけませんが。
 
この留置技術は、手術手技となり、それなりに難易度が高い手技(ものすごくではないですが)となる予定だと、とある業者Xから小耳にはさみました。勿論、まだ実用化には至っていないですが、遠くない未来には実現可能だと思われます。
 

▶医療の進化

医療は日々進化しており、私が眼科医になった頃とは常識が大きく異なり、私もこの流れについていかなくてはなりません。この技術の元となる手術が、I stentと呼ばれる技術です。
この技術は、緑内障の原因の一つとなる、隅角の繊維柱体にトンネルのように、この装置を設置(結構難しい)する事により、眼圧を下げる治療です。この要領で、将来、このようなデバイスを用いて、眼内に薬を徐放しようと考えられております。

(Ricardo Augusto PG, Ophthalmol Ther, 2022)

この技術の習得のために、今、私は動いております。

緑内障は、日本人の失明原因の第一位ですが、これを克服するために世界は進化しております。

本年も当コラムをご覧いただきありがとうございました。
では、来年もよろしくお願い致します。