ハイブリッド幻影バレットのすヽめ
【0. はじめに】
はじめまして。タタンと申します。実績等は特にない一般ポケカプレイヤーです(60人規模シティベスト8が数回程度)。
今回は、最近擦り続けている「ハイブリッド幻影バレット」をご紹介させていただきます。
一見ファンデッキのようですが競技シーンでも十分戦える「楽しくて強いデッキ」になったかと思います。
早速ですが、執筆時点で筆者が使用しているデッキレシピがこちらです。
以下本文ではデッキコンセプトや採用カードについて詳しく解説していきます。
【1. 現環境の概要】
本記事の執筆時点(2023/5/10現在)での現行スタンダードレギュレーションは「レギュレーションG」(S5I「一撃マスター」/S5R「連撃マスター」〜sv2P「スノーハザード」/sv2D「クレイバースト」)です。
現在環境で活躍している主なデッキは以下の通りです。
ここで、現環境のデッキの構造は
V/ex主体のデッキ
(ルギア、アルセウス、ミュウ、パオジアン、ミライドンなど)山札を高速で進めていくデッキ
(サーナイト、ロスト軸など)
のどちらかに区分できると判断しました。この構造にメタを張ったデッキが今回紹介する「ハイブリッド幻影バレット」です。
【2. デッキコンセプト】
カウンター戦略
新カード"リバーサルエネルギー"を使う1進化ポケモンを駆使し、およそ4〜5回のワザ宣言で勝利することを目指すデッキです。そのため基本的には後攻をとって盤面を展開し、準備が整ってから反撃する「カウンター戦略」をとります。この戦略の強みとして
ジャンケンの勝敗に依存しにくい
ゲーム展開に余裕がある(攻撃できないターンがあっても挽回できる)
といった点が挙げられます。
そして「サイド不利からの逆転勝利」を実現するカードが次項で紹介する2枚になります。
攻撃とLOのハイブリッド
ゾロアークの"げんえいへんげ"は、トラッシュにある任意の1進化ポケモンを場に出すことができる特性です。
この特性によって様々なアタッカーを運用できるバレットデッキが成立するだけでなく、特殊な性能を持った1進化ポケモンを運用可能になります。それが以下の2枚です。
・ヤドラン(たそがれのひらめき)
ワザの効果でサイドを複数とることができるポケモン。
このワザの存在により、非エクアタッカーが主体のデッキ(サーナイト、ルギア、ロスト軸など)との対戦でサイドを1枚ずつ取り合う展開において後発から勝つことが可能になります。
また、V/ex主体のデッキ(アルセウスなど)に対しても、相手のポケモン2体を倒してこちらが残りサイド2枚になった時点でほぼ詰みの状態にすることができます。
・ウミトリオ(うみほりトンネル)
このデッキの特徴「ハイブリッド戦略」のキーカードです。
コインに依存しますが、期待値的にはワザ宣言1回で4.5枚もの山札を削ることができます。
このワザの存在により、相手がサイドを大きく先行し、こちらが勝つまでの攻撃回数が足りそうにない状況からでもLOによる勝利を狙うことが可能になります。
また、ゾロアークの「げんえいへんげ」により使いまわせるため、このカードを1枚採用するだけで能動的なLOを狙えることがこのデッキの最大の特徴です。
ゲーム中盤まではこのカードを見せずに互いにサイドを取り合うことでリソースを消耗させ、終盤に突然このカードを登場させることで、相手の意識外から勝利することができます。
ナンジャモ×リファイン軸の安定性
ここまでは「実現すれば/デッキが回れば強い」要素について述べてきましたが、新弾「スノーハザード」/「クレイバースト」によるゾロアークデッキ最大の強化は「ナンジャモ」の登場による安定性と捲り性能の向上にあると考えています。
このカードが登場してから「リファイン」を軸としたサーナイトexデッキのシェアと勝率が大きく上昇したことは、競技ポケカプレイヤーの間では周知されていると思います。
ゾロアークデッキも同じくナンジャモ×リファイン軸を搭載することで、構造的には環境Tier1ランクのデッキに近い安定性を獲得したといえます。本レシピではグッズやサポートの採用枚数をサーナイトデッキの平均的なレシピになるべく寄せて組んでいます。
【3. 主要カードの採用理由】
改めまして、今回紹介するデッキレシピです。
基盤となるポケモン
・ゾロアークライン 4-4
全てのアタッカーの元になるポケモン。盤面になるべくたくさん展開したいためフル投入です。
余ったゾロアークをキルリアにへんげさせる動きも強化です。特に最終ターンは忘れずに利用したいです。
地味に悪タイプで70ダメージだせるので、へんげせずにキュワワーやヤミラミ、フワンテを攻撃することがあります。
・エルレイドライン 1-3-2-1
ベンチ枠の都合上展開できるのは大抵2〜3体になるためこの採用枚数です。
エルレイドは「バディキャッチ」だけでなく、リバーサルエネルギーを温存できる「らせんぎり」も強力で、ゾロアークが継続できないターンのピンチヒッターになります。
「げんえいへんげ」先のポケモン
・アップリュー
本デッキでは唯一レベルボールに対応しており、汎用性も高いため、最も使用頻度が高いアタッカーです。
無色1エネで攻撃できるため、基本エネルギーや発動していないリバーサルエネルギー、およびシンオウ神殿下でも攻撃できます。
現環境はキュワワーやキルリア、マナフィ、アーケオスなどの特性を持つポケモンを多数並べるデッキが主流であるため、高火力になることが多いです。
・グラエナ
おもに対ミュウ、サーナイト用です。
レジエレキVMAXやそらをとぶピカチュウVMAXがいる場合にもエネルギー無しで攻撃できることは覚えておきたいです。
・ライチュ
おもに対ルギア、パルキア用です。無色1エネで攻撃できます。下ワザもリバーサルエネルギーで宣言できます。
・トリトドン
おもに対アルセウス、ミライドン用です。
リバーサルエネルギーの登場により、ほぼ無条件で160ダメージ以上を出せる闘タイプのアタッカーを獲得しました。
ちなみに上の条件を満たすポケモンは数種類いますが、その中でもトリトドンを採用した理由は「愛」です。筆者が1番好きなポケモンです。好きなポケモンを採用できることも幻影バレットの良いところです。
…おそらく「しゃくねつのつの」のヒスイウインディが1番使いやすいです。
・ハッサム
おもに対パオジアン用です。「勇気のおまもり」がついていても倒すことができます。
その他非エクのたねポケモンや「アルカナシャイン」のサーナイトとも戦えます。
・ヤドラン
・ウミトリオ
先述のとおりです。ウミトリオはレベルボールに対応している点も優秀です。
グッズ・スタジアム
・ボール系 3-4-4-1
げんえいへんげ発動のためにハイパーボールは4枚採用をおすすめします。あとはお好みで。
・すごいつりざお
すごい。
基本的にはこのカードを使用する前にげんえいへんげを使い、ゾロアークラインを戻します。
殴り合う試合展開では基本エネルギーも戻します。
・ともだち手帳 1
終盤に向けて「強い山札」を作ったり、1枚採用のサポートを使い回したりするカードです。
・ポケモンいれかえ 1
相手の「ボスの司令」+ベンチ狙撃(ロストマイン、ムーンライトリバース)で負けないために必須級のカードです。可能なら枚数を増やしたいです。
・ボウルタウン 3
ボールタウン。ロストシティが非常に辛いため返しですぐに剥がしやすい最低限の枚数。
相手に使ってもらうことでちょっとだけ山札が減る。
サポート
・ナンジャモ 4
新弾で追加された強力なサポートです。
序盤の展開+終盤の妨害ができます。
また、基本的にサイドを後追いするこのデッキとはとても相性がいいです。
・グルーシャ 2
こちらも新弾で追加されたサポートです。
このデッキは盤面にエネルギーが残ることが少ないため、強く使えることが多いです。
筆者がシティで対戦したゾロアークバレット使いの方が採用されていたので試してみたところ非常に使用感が良かったカードです。対戦ありがとうございました。
・ヒガナの決意 1
手札のトラッシュ+縦引きができるカードです。博士の研究、セレナなどとの選択。
・シバ 1
このデッキと相性がいいだけでなく、LO待ちのリソースジリ貧勝負になった際に自分だけ手札を山札に戻すことができるサポートでもあるため採用しておきたい1枚です。
・シャクヤ 1
1枚採用のカードが多いデッキなのでサイド落ちケアのために採用。
リバーサルエネルギーが2枚サイド落ちした場合には、リバーサルエネルギーにたどり着ける可能性が最も高いサポートになることがあります。
・野盗三姉妹 1
LO戦略を強化するカードです。終盤に使います。ロスト軸に対しては3〜4枚トラッシュできることもしばしば。
エネルギー
・リバーサルエネルギー 4
新弾で追加された強力なエネルギー。
このエネルギー4枚で4回ワザを使って勝利することが理想ですが、そううまくはいかないため予備のエネルギーを採用しています。
・ダブルターボエネルギー 1
ヤドランを起動できるエネルギーの5枚目。
にげるためのエネルギーにもなります。
・基本超エネルギー 1
アップリュー、ライチュウが攻撃できるエネルギー。一応メモリースキップも使えます。
すごいつりざおで使いまわせる点、「まてんろう」やシャドーミスト等の特殊エネメタに引っかからない点もメリットです。
【4. 回し方と主な対面】
基本的にどの対面でも後攻をとり、サポート+バトルVIPパスによる展開を目指します。
理想的な盤面は
バトル場:へんげしたアタッカー
ベンチ:ゾロアークライン2体+エルレイドライン2体+自由枠
です。ボスにより任意のアタッカーが使えなくなることを防ぐため、なるべくゾロアークライン2体を維持したいです。
どうしてもゾロアークが途絶えてしまうターンはエルレイドで攻撃します。
vsサーナイト 有利
「サーナイトに有利がつく」というのはこのデッキの最も強い点の1つです。
この対面ではヤドランを絡めたサイド勝利とLO勝利の両方を狙うことができます。
デッキのエンジンが同じリファイン軸であるため、展開速度の差はあまりありません。サイドを複数枚とられない相手なので、相手から先に毎ターン攻撃しあった場合、自分の最終ターンに自分残りサイド2枚vs相手残りサイド1枚となり「たそがれのひらめき」で勝利できます。
また相手の山札が爆速で減っていくため、不意打ちのウミトリオによるイージーウィンも狙うことができます。
vsルギア 五分
ノコッチが採用されているか、相手がアップリュー(と不採用のタルップル)のケアをしてくるかどうかで戦いやすさが変わります。
非エクアタッカー同士の殴り合いになりやすいですが、ライチュウかアップリューでルギアをワンパンできるとかなり余裕が生まれ、ヤドランに頼らずに勝つこともできます。ルギアを崩れたスタジアムでトラッシュされるとしんどいですが、逆に相手がやむを得ずネオラントやイキリンコを出してくれる場合も少なくありません。
盤面だけでも継戦しやすいデッキであるため、LOは狙いづらいです。
vsロスト軸 微不利〜微有利
LOを狙う対面です。
序盤はナンジャモを使いながらこちらも攻撃姿勢をみせ、自分の残りサイド4枚・相手の残りサイド3枚を合図にLOプランに切り替えます。
相手はロストマインのためにロスト10枚を目指してきます。その頃には相手の山札は30枚ほど引き進められているので、大体うみほりトンネル→野盗三姉妹+うみほりトンネルの2ターンでLOできます。
ゾロアークのHPが120あり、げんえいへんげによりおとぼけスピットのダメージを消すことができることもポイントです。キュワワーやヤミラミを倒す場合はゾロアークのまま攻撃するのがベストです。
序盤にマナフィがたてられずに手裏剣2枚取りを通されたり、こちらの盤面の完成が遅くなったりするとボコボコにされます。
vsアルセウス系統、ミュウ 有利
弱点攻撃2回とたそがれのひらめきによる勝利を目指します。相手が勝つために6回の攻撃が必要であるのに対しこちらは2〜4回の攻撃で勝つことができるため、準備するターンに余裕があります。
リバーサルエネルギーが発動していないターンは攻撃せずにエネルギーを温存しつつ盤面をつくります。
ロストシティが採用されていることも多いため、ボウルタウンを残しておきます。
vsパオジアン 五分
パオジアンやパルキアを弱点攻撃でワンパンできると有利に進みます。
手裏剣2枚どりやアクアリターンループによる非エク盤面維持、セグレイブやカイオーガ、アローラロコンやスターポータルを使用していないパルキアなどを駆使されると不利になり得ます。
vsミライドン 有利
vsディンルー 無理
【5. おわりに】
最後までお読みいただきありがとうございました。ゾロアークバレットはデッキレシピに個性がかなり出やすいデッキであるため、皆さんにいろんな形で改造していただけることを楽しみにしています!