文字が沢山書きこまれていました。
時々候補者と面接練習をするタイミングがあります。
先日も、候補者の人と面接練習をするタイミングで、ふと文字が沢山書き混まれているノートを見かけました。なんのノートなんだろ?と思ってきいたら
「これ、今回の転職用に色々志望理由とか他の会社で聞かれた内容になんて返したかを書いてるんですよね・・あと時々普通にやることとか夢とか書いてるんですけど、あ、ちょっと恥ずかしいですね(照」としまっていらっしゃいました。めちゃ良いことしてるよ、しまわなくて大丈夫!!!
ページの数だけ、きっとより良くなってるよ。
転職活動はある意味残酷なプロセスです。自分のやりたいことなんて問われたこと無いまま就活がなんとなく始まって、なんとなく縁があった会社に入社した「これまで」を全否定しもう一度改めて見直すプロセスです。
やりたいことを明確に持ててた人がどれだけいたのか、活躍してるのかってそんなにいないと思うのですが、多くの人はその中でも違うやりたいことや大人に出会い自分の仕事を続けているんじゃないでしょうか。
若手という、20代の転職エージェントをやっていると転職活動は残酷なほどに現実を直視する機会に触れます。皆、「自分」という商品を世の中に売り出して、「ポテンシャル」という強みをもとに挑んでいきます。時々、辛いことをくらったり、心折れながら前進していきます。このプロセスは、時間を巻き戻したらやらなくていいことかもしれないけど、でも、きっと、自分を直視しただけ、直視した時間を言葉におとしたそのページの数だけ、より良くなってる、と思います。
向き合えば向き合っただけ内定に近づくほど選考は簡単じゃないですが、きっと、なんとなく20代をすごして自分のキャリアをやり直せないタイミングになるよりも自分らしい未来を作り出せるよ。
とはいえ口から呪文を出さないように
うっかり私の感想に浸るところでしたが、志望動機を書くときはあまり自分の世界に入らないように注意して下さい。
まず、自分との対話ばかりしていると志望動機が「社会の発展を願いたい」みたいな壮大なストーリーになりがちです。その勢いで書いた自分の強みが「コミュニケーション」になりがちです。社会の発展、けっこう一方通行なコミュニケーションよ?みたいなギャップが生まれ気味です。その会社にしか言えない理由になってる?もったいないよ!見直してね!
加えて、当日面接で話すタイミングで、「私が目の前にいることをお忘れでしょうか?」ぐらいひたすら文章を読み上げがちなケースがあります。口からよどみなく出る、文字。一休さんかな?
そして、私の相づち一方通行。強みのコミュニケーションどこいった!寂しい!
下駄は履かせられない
以前同業界の先輩に教えて貰った「下駄を履かしすぎるな」という言葉があります。これは、エージェントがあまり本人に介在しすぎて、面接の印象が良すぎて、入社してからの差をあまり作りすぎないように。という意味です。数年経って思うのは、下駄は履かせられない、ということです。
結局私が出来ることは、考えを整理するポイントを伝えるくらいのことしかできないですが、自分を客観的に直視し、良くしていきたいと挑戦する道のりを隣で眺めながら私自身の昔を思い出しました。
こんな時期あったなぁ。沢山の良い大人に出会ってきて教えて貰ったいろんなギフトを、おすそわけできたらいいなと思う時間でした。