コント「プロレス関係者の彼女」
収容人数2,000人のプロレス会場に30代の女子2人がリングサイドで観戦中。
会場は超満員。
登場人物はA、Bの2人。
A:(周りの観客を見渡して)初めてプロレス観戦に来たけど、めちゃくちゃ盛り上がってるね!
B:すごいでしょ~。超満員だね。
A:誘ってくれてありがとう! 最近プロレスにハマってるんだよね!
B:もっとハマってね。
A:今日はアンタの彼氏が試合に出るんだよね! 何試合目に出るの?
B:(淡々と)メインだよ。
A:すごいじゃん! プロレス合コンで出会った彼氏だよね。初めて彼氏を見るから楽しみだよ!
B:(淡々と)そうだよね。
A:あ! 今からメインがはじまる!
(入場テーマをバックに青コーナーより選手が入場してくる)
A:うわ~! 筋肉隆々でカッコイイ! 彼氏はこっち?
B:違うよ。
A:そうなんだ~。対戦相手が彼氏なんだね!
B:(無言)
(入場テーマをバックに赤コーナーより選手が入場してくる)
A:うわ~! めちゃくちゃイケメン!
B:そうだね。
A:あんな彼氏いいなぁ~!
B:ふーん、そうなんだ~。
A:ん? なんか、他人事みたいね。
B:(当然の面で)他人事だよ。
A:え? なんで? あのイケメンが彼氏じゃないの?
B:違うよ。私の彼氏は、あのポロシャツを着た人よ。
A:ポロシャツ…?
B:うん、ポロシャツ。
A:(リング内にポロシャツの人を見つけ)あれ、レフェリーじゃない!?
B:そうだよ。
A:(驚いた表情で)え…選手じゃなかったんだ。
B:そうだよ。レフェリーだよ。
A:試合に出るって言ってもレスラーじゃなかったんだね…?
B:そうだよ。レスラーじゃないよ。プロレスはレスラーだけで成り立っているんじゃなくて、スタッフやリングアナウンサー、そしてレフェリーも重要なんだよ。
A:そうなんだ…。
B:あとは私達ファンの声援もプロレスの要素なんだよ。だから一生懸命に応援するよ!
A:うん…。
(試合開始のゴングが鳴る)
A:イケメン頑張れ!
B:レフェリー頑張れ!
A:(凶器を使っている選手に対して)あ! 凶器使ってる! 反則だよ! レフェリー! 凶器使ってるよ!
B:そうそう! 凶器に気付かない演技いいよ! 家で練習した通りに出来てるよ!
A:それ言う?
(試合終了)
A:あー楽しかったよ。
B:良かった。
A:何でレフェリーと付き合ったの?
B:私が悪いことをしても気付かない演技をしてくれるから。
A:はぁ??