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ライティングの解説をしたい その4

こんにちは、かすみんです。3DCGにおけるライティングの解説第四弾。多灯ライティングについて考察します。

その前に自然なライティングってどんなものでしょうか?よく言われるのは太陽光。高いところから降り注ぐ光を当たり前に感じ、下からのみ照らす懐中電灯は違和感と言われます。はい、それはそれでいいんです。太陽って何時ごろのどの高さで、季節は、天気は何を指しているのか、ライティングの目的は何を狙ったものでしょうか。

立体感を狙ったものなら斜めからのスポットで陰影を出せばいいのです。十分な明るさや柔らかさを足せば質感も綺麗になります。じゃあ外で撮れば昼間はいつでも理想的なライティングなのか、ひねくれているのではなくライティングについて知らないから疑問に思うのです。

自然さで言えば学生の多くは蛍光灯の下がそうなのではないかと思います。教室の天井には蛍光灯がありますよね。それも多くの本数があります。明るさはもちろん影ができにくい柔らかい光の環境です。

全部がスポットみたいな教室は普通ないと思うのですが、座学以外ならバーみたいに雰囲気のある間接照明もいいかもしれませんね。

教室は明るいし手元に影もあまりない、自宅だとシーリングが一つとかデスクライトをつかうのでしょうか。ライトが少ないと手の影が書いている文字を隠すなんてことがあったりします。

話は少し逸れましたが、上からの光を毎日当たり前に感じていて、目線より高い位置から下方向に向けられるものが自然なライティングと感じるのではないでしょうか。逆に暗い部屋で小さな光を使ったものは印象的なものになるのではないでしょうか。暗い部屋のテレビ、映画館、月明かり。ライティングを感じさせないのが自然さなのかもしれない。

多灯ライティングは蛍光灯がいっぱいの意味ではないのです。1灯が一つなら、多灯は複数のライトを使うくらいの意味でしょうか。有識者にちゃんと定義を聞いてみたいものです。蛍光灯がいっぱいでも間違いではないと思います。

普通はキーライトと呼ばれるメインの光源を基本にして、フィルライトと呼ばれる補助的なライトで影を柔らかくし明るさを足して陰影をコントロールします。表情が暗くなったりするのを防ぐ感じですね。それにバックライトと呼ばれる輪郭を強調するようなライトを後ろから当てたりします。これは三点照明と呼ばれています。

ちなみにバックライトを二つとか、キーライトを二つとか、フィルライトを三つとか何個も設置するのもOKです。それぞれの役割を考えれば、自由にやっていいのがライティングですし、正解がないっていうのも雰囲気を感性で変えることが面白さなのかなとも思います。

とは言ってもそれぞれの役割をちゃんと理解することが大切です。キーライトで影を作り立体感を感じさせるため、斜めから当ててキャラに明暗を作る。暗い部分や溝などが影として見えると立体感ができる。さらにグラデーションで形や質感が感じられる。でも硬すぎると階調が乏しく質感が消えてしまうかもしれないので、フィルライトを追加します。

フィルライトではキーライトの反対側を照らして影を緩和する役割があります。満たすという意味のフィル(fill)です。全体的に明るくするような柔らかいものを使います。反射して返ってきた光をイメージします。

最後にバックライトは後ろからだったり、メインの反対側だったり、サイドから照らすことで輪郭を出します。例えば黒髪と光が当たってない背景の暗い部分を分けるように、真後ろに設置したり上から照らしたりして、見えるようにします。エッジなんて表現したりしますね。

他にもベースライトとか部屋全体の明るさを調整したり、トップライトと呼ばれる真上からのライトだったり、役割なのか位置的な意味なのか、結構複雑で分かりにくい呼ばれ方をしていることが多いです。背景にバックグラウンドライトと呼ばれるライトを当てて奥行きを表現する方法もあります。

映像だとプラクティカルライト(実際の、実用的なの意味を持つ)と呼ばれる画面内に映っている照明を使った表現があります。これはライティングの役割とは別で視覚的に照らしているように見せたり、間接照明として取り入れられています。

背景に効果を出すためアクセントライトといった被写体に向けないで使ったりすることで、違った演出を出すこともできます。フットライトと呼ばれる足元からの光で顎の下の影を消したり、顔の明るさを上げ、場合によっては質感を下げ綺麗に見せるような使い方もできそうですね。他にも瞳に映るように使うキャッチライトなども綺麗に見せることができます。

ま、いっぱいあるので名称や定義に縛られずに工夫や想像力でライティングすると面白いものが生まれるかもしれません。ゲームでもライティングをデザインしているアーティストさんが活躍しているようなので、こういった知識は様々な場面で役に立ちそうですね。

最後まで読んでくれてありがとうございます。

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