隠れた次元(THE HIDDEN DIMENSION)【前編】
目次
第一章:コミュニケーションとしての文化
この本のテーマは社会的、個人的空間と人間によるその知覚との問題である。
文化の一つの特殊化した作品として人間の空間利用の問題についてのかんさプロクセミックス(proxemics)という言葉をつくる。
国や言語、文化によって人々は異なった感覚世界に住んでいる。そのため身体的な感じ方や感覚器官の使い方が異なる。
第二章:動物における距離の調節
動物にはナワバリがある。動物心理学者へーディガー(H.Heidiger)によれば、ナワバリ行動は個体密度を調節することによって種の繁栄を保障するものである。これは動物を互いにコミュニケーション可能な距離内に保ち食物、敵の存在が共有できるようになっている。
ナワバリの他に個々の動物は一連の泡のような不規則な形をしたもので囲われ、個体間のスペーシングの維持に役立っている。
異なる種で用いられる距離
逃走距離:侵入されると逃走する距離
臨界距離:逃走距離と攻撃距離との間のことを言う。(攻撃距離は近く接近しすぎると逃走から攻撃に転じる距離のことを言う)
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