教育実習ハイライト
散々教育実習が嫌だとかなんだとか言ったが、それなりに面白いこともあった。
その辺は頑張ってよかったなと思っている。嫌なことでも頑張ればそれなりに、得るものがある。(見え隠れする、教育実習での先生らしさの弊害)
特に、子供たちは突拍子もなくて面白い。し、それなりに良好な関係を築くことができた。ので、よかったエピソードも記録しておく。
1.実習3日目にして、見抜かれる私の本質
毎日、生徒の生活日記を読んでいるが、3日目にして、生徒から次のようなコメント。
「先生は、もっと自信を持てば、良い国語の先生になれます。頑張ってください」
まって、どこから目線? てか、3日目にして言われることじゃなくね?
てか、そんなに自信なかった?
てか、まだ一回も授業してないのに、「良い国語の先生になれます」って、どっからその要素がきた?(たしかに教科は国語)
色々謎ですが、いかにも根暗で、コミュニケーション不全感あふれる感じで子供に話しかけるのもきつかったので、だいぶ得て妙ではあった。
ちなみにその子は、「この前「ほげほげ」した顔で寝てしまいました」とか、面白い言語感覚だったので、何か独特の表現が得意なのかもしれない。最高。
2.先生には見抜かれない私の本質
実習最後の方の研究授業で言われたこと。ちなみにこの頃にはだいぶ慣れていて、自信あるように振る舞っていた。そしたら。
「元気で溌剌として、明るい授業でした。」
ちょっと待って。今までの私の教育実習にまつわる色々を見れば、黒々とした雰囲気がわかると思うんですが。
それを、明るいですって??
大丈夫ですか、先生方? 今の私はかりそめの姿。学校で求められる、先生という役を演じているだけ。
ちなみに、ちょっときついなって時は、「私はタカラジェンヌ」の精神で乗り切るのを試みていた。成功したかは知らん。
とりあえず、校長に良い授業だったと褒められた時は、鼻高々だった。
3.よく言われるセリフNo.1をここでも言われる
自己紹介で「読書が好きです」「古典が好きです」と言った。
生徒受けは、そこまで良くない。一部の本好きには熱烈歓迎されたけど。みんなそこまでって感じ。
まあ、眼鏡だし、真面目でお堅いように見えるだろう。
しかし、私は徹底的に生徒の日記にコメントをし続け(先生方の2倍は書いた)、何か話しかけられたら、それっぽく興味を持ったふうに返事をし(BTS のダンスみたよ、と言ってちょっと振りを踊る、とか)続けていたら、なんと。
「最初は真面目でつまらない人と思っていたけど、実際は面白くてオタクだと言うことがわかった」
しかも、国語の作文で「最近印象が変わったことについて書きましょう」で書かれた。
これは……そう言うこと書いても怒らないと信頼されたと言うことなんだけど……
どうして私はいつもこう言われてしまうんだ!?
大体、「思ってたより面白かった」と言われる。
なんで!? そんなにつまらないように見える!?
高校でも大学でも、てか何なら幼馴染以外にだいたい言われる。十中八九言われる。どうして!?
てか、どこにオタク要素あった?
私の広く浅い知識を持って
「BTSのジミンは結構好き(顔わからないけど名前だけ知ってる)」
「ハイキューなら月島がいいかな(眼鏡だからってだけだけど)」
「どっちかっていうと鬼滅より進撃かな(これはホント)」
「銀魂なら…神楽ちゃんの話し方好き(言語学的に。役割語として)」
……いや、オタクなのか? ちょっと、漫画方面、趣味方面に話を合わせただけやん!
きっと、そう言うことに全く興味ないと思ってた人が、意外とそいうの知ってたってことで「オタク」認定されたのかな……。
4.まんまと引っかかったサプライズお別れ会
最終日。3時間目。
先生が「打ち合わせするんで空けといてください」。
と言っていたが。その時間になって。
「すみません。さっき、理科の授業でKが薬品吸っちゃって今保健室にいて、今、体育でAが倒れて、先生保健室行かないといかんもんで、代わりに体育館行ってもらっていいですか?」
「え」
とはいえ、長丁場だと嫌だったので、トイレに行き、それから体育館へ。
多分、非常事態に起きる、正常性バイアスもあった。
しかし、体育館への土足厳禁の通路を走りながら思う。
「今日の理科って上皿天秤やるんだよな。薬品って吸う機会あるか?」
「てか、体育の先生はどうした」
ちょっと違和感を思いながらも体育館へ。しかし、誰もいない。
外から眺める。これは…非常事態だから、クラスに戻ったのか?
と、そこへ先生がひょっこり。なんでいる?
「あ、入ってください(ニヤニヤ)」
戸惑いながら入ると、生徒がわらわら舞台から出てきて、お別れ会という名のレクが始まった。
倒れたはずのAも、薬品吸ったはずのKもぴんぴんしてて、ケイドロに参加してる。
騙された!
後から考えてみると、薬品を吸って、倒れてって、これは、設定詰め込みすぎだろ!とおもうけど、きっと急かされると判断が鈍るんだと思う。
ちなみにその日に限って、スカートスーツでしかもタイトで、めちゃめちゃ走りにくかった。
あと、吹奏楽部でもおんなじようなことあったけど、「生徒にはサプライズって設定で。ここで待っててください」と言われた。クラスの先生、上手にやったなぁ。
5.古典に対するサブリミナル効果を狙う
古典教育の大切さを思っている私は、毎回の授業プリントを自ら作成し、江戸時代の絵を入れまくった。
少なくとも3枚。
「これは私の趣味ですが〜」
「大好きな江戸時代の絵なんですが〜」
「くずし字ってのがあって〜」
歌川一門の絵を見せ続けた。騙し絵っぽいことに関する内容の授業で、ちょうど良い内容だったからね。
最後の授業ではお手製のくずし字入門プリントを作成。
クラスの先生には「みんな興味ないんじゃね?(意訳)」と言われたが、押し切って配布。
さて、どうだろうか。みんな、そのままゴミ箱に直行か。
と思いきや。
「先生、この文字ってあってますか?」
マジか! 埋めてくれたんか!
あなた、ワークシートで「考えましょう」は話し合ってから書く方が多かったのに!
外国の子で日記はめちゃ短かったけど、絵がうまかったから多分文字の形とかそっち方面は得意なんだろうなって思った。
めちゃめちゃ嬉しかった。
まあ、ここで興味持てなくても、将来のサブリミナル効果を狙います。
ちなみに、30人弱のクラスで、説明も5分くらいしかしなかったけど、4人は興味を持っていた。これ、真面目にやったら、結構興味持ってくれるんじゃない?
美術とかが好きな子は、文字の形を見比べるとか好きそうだし。
プログラミングに興味ある人は、AIとかとの関連性で勉強もできそうだし。
追記)ちなみにくずし字スタンプも宣伝したが、子供たちが驚いたのは、どちらかというと「LINEスタンプを作れること」だったようである。かつてプログラマバイトをしていた身としては、古典だけじゃなく、ITに興味を持ってもらいたいとも思う。
まとめ
結局、学校に行きたいと思った日は1日もなかった。3週間ずっと、家を出る前から、なんなら土日も帰りたかった。
誰が悪いわけでもない。先生も生徒も悪い人ではなかった。ただ、決定的に学校という場が、私の気質と合わなかった。それだけである。
そんな中でも、子供たちは、最後には結構懐いてくれた。
クラスからも、部活からもメッセージをいただいた。多分先生の差金だけど。個別に色々絵とかくれた子もいたので、先生受けは悪かったけど(教採受けない、なりたくないと、一部で公言)、まあ、生徒たちにはよかったのか。
子供にとって、少しは行ったかいがあったらいいなと思う。
追記)同じような内容の話と、みんな良い子で、結構楽しかったよ、という旨をサークルの後輩に言ったら、「先輩の楽しいとか良い子は信じられませんよ。良い子とか、楽しいとか、生徒が先輩の人生にそんなに関係ないし、割とどうでもいいって思ってるから言えてるんでしょ」。
辛辣ぅ! てか日頃の私をなんだと思ってるんだ。
追記2)上の辛辣な後輩「noteで言ってたあの後輩、誰っすか?」
お前だよ!! 言ったこと忘れたんかい笑笑
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