2023下半期ミュージカル
これ以外にも、キャッツをもう一回観たりとか、文楽見たりしてはいたんですが…… ひとまず感想を。
生きる
日本にも、素晴らしいミュージカルを作れたじゃないか!!というのが最初の感想。
結構コミカルで笑えてよかった
あと、自分が満足して生きれたと思って死ぬことが人間大事なんじゃないかと思った。
別に人に認められることが必要なんじゃなくて、自分が何かを成し遂げたと思える人生が良いのだ。
それにしても。皆が未来へ向かって、これから高度経済成長して大国になるぞ的な雰囲気の中で、それにおいて行かれてしまったような老人、次に世代を譲らなければならなくなった老人。
これは案外高齢社会の現在でも通用する描写なのではないかと思った。
スリル・ミー
良すぎたので、別稿で書きました。
人生最大に好きなミュージカルです。最近のお気に入りが太平洋序曲でしたが、レミゼ、ノートルダム、笑う男、オペラ座、桜嵐記、いやそれ以上に好きです。
もう一度観なければならない、と思ってすぐチケット追加してしまいましたもん。(「観なければならない」と思うのはチケットが完売してないときだけなんですが、それでいくと、前回はwelcome to takarazukaでおもいました。ただあれはショーなので……)
しかし、解釈の余地がありすぎて、なおかつ、プロジェクションとか何も使わずに、ライトと小道具、歌とピアノで誤魔化しなく行っている演劇らしさ(を私が知っているわけではないが)が最高に好きです。ライトの使い方が本当に好きなんですよ。暗い部分と明るい部分の対照性。またぜひ生でみたいです。
というか、こんな作品にこれからも出会いたいです。今度から宝塚や大きい劇場のものだけじゃなくて小劇場も行こうかな……。
太平洋序曲がささったように、多分シンプルな作品の方が好きなのかもしれない。
アナスタシア
木下はるかは口からcd、田代万里生は歌がうますぎて、あまたのキモい言動があったにも関わらず、私はグレブを応援してた。
キモさを乗り越える歌唱力、やばすぎだな……。
アナスタシアは正直私の好みの演目じゃないので……。爽やか恋愛系はそこまで興味なくて。でも、宝塚よりも、なんかアーニャとディミトリの恋愛に注目できた。
今回の注目点は、プロジェクションだと思うけど。
正直ね、舞台芸術において、映像ってどうなんだろうって思ってて。舞台って別に完全再現を見るために見てるわけじゃなくて、ある種作り物で良い部分って結構あると思うんだよね……。これ、こんなに綺麗に写す必要あるのかなとか思っちゃった。
窓が割れるシーンとかは上手く使えていると思ったけど……
とりあえず、万里生うますぎた。良い。個人的に、葛藤系が好きだから、グレブをもっと中心に据えた作品ならよかったのに。これは、宝塚版でも思いましたが。
あとまあ、自分が誰か、を規定する話としてみれば面白いと思う。自分とは、他者との関係で意義づけられるもの。皇太后と会うことでアナスタシアであることは認められる、周囲が皇女アナスタシアであると扱うからアナスタシアである。ただし、最後は自分で自分が何者なのか選ぶ。もう少ししっかり見れば。主題がわかるようになるんだろうか……。
ねじまきどりクロニクル
スリルミーの松岡広大、あと音くり寿が出てたから。
村上春樹は好きじゃない。
コンテンポラリーが良かった。
結局妻と夫の恋愛の話で、まあハッピーエンドで綺麗な話だった。けど、中盤のクレタの話が悲痛で。妻のもう一つのありえた姿のようにも、もう一つのパラレルな世界のようにも見えた。
たとえ顔を合わせて話したところで結局思いは通じない。
けど、声だけに耳を傾けることで、救うことが主題なのかな。
なんか舞台芸術って感じで、やっぱりコンテンポラリー良いねぇぇ。
爪先立ちが気になった。男も女も爪先立ちのダンス。あれは何を意味していたんだろうか。
男の女装とか。プティパかな、とか思っちゃったけど。
あと音楽もいいね。不協和音最高。あの、シンプルな歌い方も好き。
ライトも最高。
手元に火を持つことで後ろにシルエットを作る、最初のミュージシャンが良かったし、間宮の独白シーンも、人影が動物のようで本当に良かった。素晴らしい。
あと、間宮のさかさになるシーン、あれはタロットのつられた男かな? それっぽかった。
でも、そこまでミュージカルっぽくはないかな。
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