ずっと秘密にしてきたこと。
それは「語るべきことがない」という苦悩。
ライター業のさまたげになるような気がして、いままで黙ってきました。
しかし、顧客があって、ある程度企画の方向性があって、その上ではじめて動くのがライター。
つまり、自我が手前に出てはいけない。
「こういうことが言いたい」は二の次で、「こういう風に見られたいなら、こう言うべきですよ」と第三者の目で提案するのが、ライターの正しいポジション。
だとしたら、「語るべきこと」はライターにとっての必須条件ではない。すこし前線を離れてみて、はじめて気がついたのです。
だから、いま告白します。
わたしには「語るべきことがない」。
たしかに、好きなもの(アイドルや猫が好きです)や気になること(政治や社会のあり方などに関心があります)がないわけではないけれど、だからってそれについて何か言おうと思えない。
思いが浅いというのもあるだろうし、稚拙な持論を展開して恥をかきたくないという保身もあると思います。
でも、それに勝るのは「無関心」。
関心があることに対する無関心って、なんか矛盾しているかもしれませんが、つねに心のどこかにあるんです。無関心が。
ときに何かにハマったとしても、どこか冷めた自分がいて、熱くなるのを邪魔するんです。
まるで呪いみたいなこの気持ち、
何か消えさるきっかけが見つかるまでは
共に生きていくしかないんでしょうね。
(もののけ姫のアシタカみたいな感じ?)
そんなことを思う昼下がり。