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孤独死を減らし、安心できる社会へ

孤独死を減らし、安心できる社会へ ~TBH不動産の新たな取り組み~

私は不動産業者として、数多くの物件を取り扱ってきましたが、近年、孤独死が増加しているという現実に向き合わざるを得ない状況が増えています。特に今年、私は既に5件以上の孤独死現場に足を運び、そこに立ち入るたびに心に重くのしかかるものを感じています。

一度、孤独死の現場に足を踏み入れたとき、最初に感じたのは強烈な臭いでした。その臭いは、壁の中に染み込み、部屋中に充満していました。室内に一歩足を踏み入れると、異常なまでに雑然とした状況が目の前に広がります。散乱したゴミ、古びたエロ本や中年の亡くなられた方が使っていたおもちゃまで山積みになっています。まるでその人の最後の孤独な瞬間が、そのまま物に残されているかのようでした。別の部屋には亡くなった両親の衣類が無造作に積まれ、もう一部屋には、長らく手入れされていない布団がゴミに埋もれていました。

その部屋では、特殊清掃がすでに入っていましたが、台所のフローリングは一部が剥がされていました。きっと、居住者が亡くなった際の体液が染み込んで清掃が不可能だったために剥がしたものと思われます。全部屋の壁紙も剥がされており、きっと臭いと虫が湧いている状況を壁紙を剥がして対応するしか無かったと推測できます。手元の資料からも発見までに1カ月以上が経過していると推測できました。部屋全体が「孤独死」という現実に包まれており、このような現場に立ち会うと、不安や恐怖感が胸に広がり、精神的な負担を感じるのは避けられません。

孤独死を防ぐための「安心」の提供

私は、こうした孤独死の現場に何度も向き合う中で、単なる不動産の売買や遺品整理、清掃、リフォームだけではなく、もっと深い部分でのサポートが必要だと感じるようになりました。不動産に携わる私たちは、物件を取り扱うだけではなく、そこに関わる全ての人々の精神的なケアが必要だと強く感じています。

孤独死の物件は、単に物理的な清掃が終わっただけでは、関わる人々に安心感を与えることができません。そこで私は、お坊さんや宮司さんの力を借りて、ご供養やお祓いの儀式を行うことにしました。この儀式を通じて、そこで亡くなった方々の魂を鎮めるとともに、その物件に関わる全ての人々、清掃業者、遺品整理業者、弁護士、司法書士、さらには次にそこに住むことになる方々に精神的な安らぎを提供することを目指しています。

精神的なケアと不動産のブランド化

ご供養やお祓いの儀式は、科学的な根拠に基づいて行われているわけではありません。しかし、この儀式を行うことによって、その場に関わる全ての人々が感じる「不安」や「恐れ」を軽減し、精神的な安心感を提供することができます。孤独死の物件は、その背景からどうしてもネガティブなイメージが付きまといますが、私たちはこれを「安心感を提供する不動産」という新たな価値へと転換することができると信じています。私たちは「祈り」と「癒し」の力を借りることで、より多くの人々に精神的な安心感を提供し、不動産の価値を高めていきます。

孤独死を未然に防ぐための取り組み

私たちは、孤独死の現場に対処するだけではなく、そもそも孤独死が起こらないようにするための予防策にも力を入れています。その一つが「エンディングノート」の普及です。エンディングノートを通じて自分の死後の準備を行うことは、本人だけでなく、周囲の人々にとっても重要なステップです。エンディングノートがあることで、高齢者が孤立せず、周囲のサポートを受けやすくなるため、孤独死のリスクを減らすことが期待できます。

また、見守りサービスの導入も孤独死を未然に防ぐための有効な手段です。例えば、LINEの既読確認や家電の使用状況をモニタリングするシステムを導入することで、異常が発生した際には迅速に対応することが可能です。これらのシステムを普及させることで、高齢者が孤立することなく、安心して生活を続けることができます。

社会全体で孤独死を減らすために

孤独死を防ぐためには、個人の努力だけではなく、社会全体での取り組みが必要です。私たち不動産業者だけでなく、自治体や地域コミュニティが協力し合い、孤立しがちな高齢者を支える体制を整えることが重要です。また、地域全体で見守り合う仕組みを作ることで、孤独死のリスクを大幅に減らすことができるでしょう。

TBH不動産は、孤独死に関連する不動産を単なる「売り物」として扱うのではなく、そこに関わる全ての人々に「安心感」を提供し、最終的には社会全体が孤独死を減らしていけるような仕組み作りに取り組んでいきたいと考えています。

支援のお願い

私たちの取り組みは、孤独死という大きな社会問題に向き合い、解決策を模索する一つのステップです。この取り組みに共感していただける方々には、ぜひご支援をお願いしたいと考えています。弊社だけで達成させることは難しいプロジェクトです。どんな形でもお力を貸していただけたらうれしいです。

私たちは「孤独死ゼロ」を目指して活動を続けてまいります。誰もが安心して生き、そして安心して最期を迎えることができる社会を目指し、これからも努力を続けていきます。


株式会社TBH不動産
柏原健太郎


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柏原健太郎 終活不動産
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