彼女達の生きる地を歩く。蓮ノ空聖地巡礼の旅【金沢旅行記】
※アップロードできる画像の解像度が上がったので、せっかくなので上げ直しました
2024年6月14日(金)〜16日(日)の3日間、金沢へ旅行して来ました。金沢旅行は人生で2回目、1回目は蓮ノ空がまだ存在しない6年前で純粋に冬の金沢を観光するのが目的でしたが、今回の目的は、
シンデレラガールズ石川公演への参戦
蓮ノ空の聖地巡礼
観光・現地グルメ
旅ラン
の4点。この中でも最も重要なのは1。このライブに関しては別記事で記載することにして、せっかく”本業”のために金沢まで遠征するんだからと、異次元フェス以来すっかり引き込まれてしまっている蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの聖地巡礼をあわせて行うことにしました。
聖地巡礼とは言っても、金沢の名所が舞台になっていることが多く、観光やグルメも同時に堪能することもできる。普通の観光ならあまり行かないようなところにも行ける。少し遠くても、趣味のランニングを活かして走っていけば旅ランができて軽いトレーニングにもなる。まとめて目的を達成することができます。
本当なら17日(月)に有給を使ってライブ後の余韻にも浸りたいところでしたが、副業の都合上ムリだったので14日(金)を有給にして、3日間で思う存分堪能するぞ!という意気込みで向かった金沢。結果的に、多くの時間を蓮ノ空関連で使うことになりました。異次元フェス以来のにわかファンですが、巡った場所をご紹介しつつ今後訪れる方への巡礼の一助となればと考えて本記事を記載します。3日間の旅をトレースしていくので冗長になりますが暇なら御覧ください。
この巡礼には1つのコンセプトを持ってあたることにしています。それは「彼女らがスクールアイドルとして、1人の学生として訪れ過ごした場所を、自分の足で訪ねる」こと。バスや自転車で効率よく回るのも良いですが、時間があれば自分の足で移動するのも無駄ではないと思っています。そうすることで、各スポットだけでなくその周辺の様子、スポット間の距離感や金沢の町並み、景観、空気が味わえ、現地で暮らす人の目線により近い体験ができるかも知れません。
1日目
6月14日(金)。関東から「かがやき」で一路金沢へ。昼頃に到着し、まず向かったのは鼓門。金沢駅のシンボルにもなっているので観光客の誰もが足を止め写真を撮ったりしています。蓮ノ空としてはFes×Liveの開催地となったこともある場所です。
そしてフォーラスの蓮ノ空ゲーマーズへ。加賀友禅コラボのスタンプラリー台紙を貰うだけのつもりでしたが、104期版の全員の等身大パネルがあったり、花帆のバースデー展示や加賀友禅版の等身大パネルがあったりと力が入っています。買うつもりは無かったのに、花帆と梢の加賀友禅アクスタを買いました。
ここからは基本的にスタンプラリーに沿って金沢を巡っていきます。まずは近江町市場へ。1kmほどなので歩きでも問題なく行ける距離です。導線としてはエムザ口から入り、まっすぐ進んでいくと奥の方に「いっぷくや」があります。ここもストーリーにでてくる聖地であり、せーはすでもドルケの2人がおでんを食べたりかんかんがダッシュしたりしていた思い出の地。スタンプとさやかのパネルが置いてある近江町ふれあい館はいっぷくやの少し先です。
訪日客も多いですが、平日だというのに日本人もかなり多い。北陸の地物を扱う市場がこんなに活気があり賑わっているのは嬉しい限りです。
今回、近江町市場の近くの宿を取っていたため一旦荷物をデポ。昼飯がまだだったので、身軽になった状態で香林坊エリアまで向かいます。香林坊での目的は「グリルオーツカ」でハントンライスを頂くこと。昼営業の閉店時間が迫っていたので、急いでグリルオーツカへ。
別に小盛りにする必要はないだろうと思って普通サイズのハントンライスを注文しましたが、話に聞いていたとおり、いやそれ以上の大ボリューム。オムライス部分だけでも一般的には大盛サイズ。そこにエビカツやまぐろカツが乗ってソースがかかって……間違いなく美味いし、この量なら1200円でも安いくらいだけど、人並み程度の食事量の方なら小盛りでも十分足りるでしょう。終盤けっこう苦しみました。でもしっかり完食して、せーはすでスリブが来たときのサインも漏らさず確認。いい位置に飾ってくれている。
少々休憩しつつ、次はしいのき迎賓館。ですが、向かう途中で立派なレンガ造りの建物が見えたので立ち寄りました。石川四高記念館という、金沢大学の前身となった旧制第四高等学校の建物です。
この施設は残念ながら能登半島地震の影響により休館中。外観を熱心に撮影していたら、たまたま通りかかった施設の職員さんが話しかけてくれました。そこでお聞きしたところ、
建物にヒビなどが入ってしまっているので休館している
被災地の復興のほうが優先のため、施設修復の目途は立っておらず再開時期も未定
とのこと。金沢市内では被害は少なかったとはいえ、やはり一部では影響があったことを実感します。休館でなければ1887年に設立されたという四高の歴史と当時の金沢の様子を学ぶとともに、単純計算で1920年に設立されたと思われる蓮ノ空女学院(の前身となる女学校?)の様子に想いを巡らせることもできたかも知れませんが……
さて、寄り道を終えて、その隣のしいのき迎賓館へ。旧石川県庁の建物であり、こちらも大変歴史のある建造物です。その中に綴理の等身大パネルがありましたが、金屏風まで置いてあり非常に華やかです。
ここまで来たので、次は蓮ノ空とは直接関係はありませんが金沢21世紀美術館へ。実はこちらも、有名な『スイミング・プール』の展示が一部中止されていたりと地震の影響を受けていますが、他は概ね観ることができます。訪れた時は次の展示に向けた制作が進行中でした。
次は金沢城の鶴の丸休憩館へ。こちらには瑠璃乃のパネルがあります。金沢城の歴史についての展示もあり、兼六園や金沢大学(第四高校)など江戸時代から近代にかけて金沢城の敷地を中心に発展していったことが知れます。
ここから金沢城の敷地内を通って尾山神社へ向かい、参拝した後すぐ近くにある金沢中央観光案内所へ。こちらは慈のパネル。蓮ノ空を知らないであろう訪日客も撮影していました。
この時点で17時を過ぎており、最後のスタンプ設置場所である金沢蓄音器館は閉館しているためここで一旦終了。宿に戻ります。
このくらいの時間になると主要な観光スポットはほぼ営業終了しています。近江町市場の店舗も夜は基本的にやっていません。しかし時間はまだまだある、せっかくの金沢なんだから何かないか……と思ってたまたま手にした「白鳥路ホタル観賞の夕べ」のパンフレット。やることもないので行ってみました。
確かにここの水路は綺麗だけど、こんな大都会金沢の中心部で、こんなに人が多いところでホタルなんか本当にいるのか?と思いましたが……兼六園に近い箇所で数匹飛んでいました(撮影はできていません)。環境保護の努力が伺えます。
その足で散歩がてら夜のにし茶屋街へ。忍者武器ミュージアムは当然開いていませんが、せーはすでスリブ(とみらぱ)が来た地が確認できました。あと誰もいない夜の茶屋街の雰囲気がとてもいい。楽器を持った芸姑さんが料亭のような店に入っていくのも目撃しました。ついでに香林坊で8番らーめんを食って、宿に帰って今日の活動は終了。
2日目
6月15日(土)。この日は記念すべき乙宗梢18歳の誕生日。それを金沢で祝えるとなれば思い入れもひとしおというものです。気合を入れて今日も聖地を巡礼して回ります。
そして今日は旅ランを敢行します。ランナーの朝は早い。朝5時に起床し、早朝無料開放を行っている兼六園までジョグ。兼六園内はラン禁止のため、徒歩で人の少ない園内をゆっくりと観光し、ジョグで金沢城内を通って宿に戻り朝飯。近江町市場付近から園内のウォークを含めても4km程度の行程であり、これは本来予定してた旅ランではありません。
朝飯を食ってからが本番。目的地は卯辰山公園見晴らし台、そして石川県立図書館。卯辰山は言わずと知れた蓮ノ空最大の聖地ですがアクセスが悪い。県立図書館も市の中心部からは離れている。それを自分の走力によって解決し、一挙に巡礼していこう、というのが今回の旅ランの主旨となります。
スタート地点は近江町市場。橋場の交差点を右に曲がり、大手町の交差点で左へ入っていくと浅野川に架かる天神橋に着きます。橋を渡ってすぐ右のところに「帰厚坂」という急坂が見え、ここからは基本的に山登り。目的地まで100mほどの標高差を一気に駆け上がっていきます。舗装されていますが走れないくらいの急勾配、帰厚坂を登り切ると卯辰山花菖蒲園に着き、一面の花菖蒲が疲れを癒やします。
花菖蒲園の入口を入ってすぐ右に豊国神社の鳥居があり、境内を通ってトレイルランのように山を登っていく……予定だったのですが、まさかの立入禁止。車道を走っていくしかないのか、と思いつつ花菖蒲園を回っていたら、案の定奥の方に階段があり先へと抜けられるようになっていました。
そこから車道を少し走ると道路の脇にトレイルが見えます。豊国神社から抜けてくるルートの合流部になっており、ここからはトレイルを往きます。
ここを抜けて車道に出れば、もう見晴らし台はすぐそこ。リンクラで、せーはすで、他の巡礼者達が上げた画像で見慣れた風景が広がっています。
梢の誕生日だったからなのかいつもそうなのか分かりませんが、この日は朝9時にもかかわらず10人以上の先客が。もちろんほとんどが蓮ノ空のこと好き好きクラブだと一目でわかる方達。アイマスのドライTを着て汗だくでランをしているような奇人は私以外いません。
少ないながらも一般の方もいる中で乙宗梢の名前を出して奇声を上げる先客を横目に見ながら見晴らし台を後にします。
先程の豊国神社ルートとの合流地点までは同じですが、ここから豊国橋の下をくぐって常盤町緑地へ。下りも急勾配で落ち葉が多く積もっているので慎重に走ります。
下り切ると浅野川の右岸に出ます。常盤橋を渡って川の左岸を走っていきたかったのですが、川岸に降りる道が無かったので川沿いの住宅街を桜町東の交差点まで走ります。ここから石引一丁目の交差点まで行き、左に折れてまっすぐ走れば県立図書館。浅野川からは30mほどの標高差があるので、山登りを終えたばかりの脚には堪えます。
この日は既に30℃近くまで気温が上昇していたため、県立図書館に着く頃には相当消耗していました。何とかたどり着いて館内で休憩しながら施設を見学しましたが、前衛的でありつつも機能的、蔵書も相当豊富なようで、事前情報から想像していたより遥かに立派な図書館でした。蓮ノ空の聖地としてもそうですが、そうでなくても是非一度は訪れて欲しい。
目的としていた2地点への巡礼を終えたため、一度宿へ帰ります。兼六園までまっすぐ伸びる道を走っていきますが……その途中で、少し寄り道。「本多の森北電ホール」。ここで明日シンデレラガールズのライブがあるんだと想いを馳せて水分補給しつつ休憩。明日に向けて設営スタッフが動いていました。
休憩後に宿まで走ったところで旅ラン終了。総距離11km、移動時間としては1時間半程度ですが、30℃近い暑さ+獲得標高200mというなかなかハードな行程でした。
宿で休憩したところで、次の目的地である「金沢蓄音器館」へ。スタンプラリーの最後の1つと梢のパネルがあり、誕生日に訪れるために敢えて今日に回した地点です。途中で箔一兼六園店に寄ってシンデレラガールズのコラボ商品をゲットしておくのも忘れません。
いざ入館すると、驚くほど多くの蓄音器とレコード。これだけの所蔵は他ではなかなかお目にかかれません。そしてレコードは(蓄音器ではありませんが)プレイヤーにかけて試聴することができます。名盤が多数あって何時間でもここで過ごせそうですが、占有するわけにもいかないので3曲だけ試聴させていただきました。
14時から蓄音器の聴き比べ実演があるということですが、まだ30分ほど余裕があったのですぐ近くの主計町茶屋街とひがし茶屋街、八百萬本舗を巡っておきます。こちらもストーリーやせーはすの舞台になった場所。6年前に来た時も暗がり坂やあかり坂は見たので場所は把握しており、スムーズに巡回することができました。
さて、時間になったので蓄音器館を再訪し、聴き比べ実演に参加。同日であれば再入場可能です。蓄音器やラッパによる音の違い、そして軽妙なトークで楽しめました。蓮ノ空のことにも言及して下さりありがたい限りです。
これでスタンプラリーのメイン6カ所は巡り終わったので、蓮ノ空ゲーマーズへ記念カードを貰いに行きます。その前に、昼飯がまだだったので一旦いっぷくやに寄って金沢おでんを頂きます。何を選択するか迷ったので「赤巻き」「車麩」「ふかし」などの名物が入ったセットを注文しました(価格自体は単品で同じものを買うのと変わりません)。関西風の出汁がしみしみで非常に美味しい。
その後、蓮ノ空ゲーマーズで記念カードを頂きました。梢の誕生日に合わせて、店内のバースデー展示も花帆から梢に替わっています。駅近くの「麺屋大河」でラーメンを食い、宿に帰ってWith×MEETSの誕生日配信を見て、本日の活動は終了。実に充実した1日となりました。
3日目
本日は金沢遠征の主目的であるシンデレラガールズのライブ当日。チケットが取れた夜公演の開場は17時からとは言え、あまり体力を使うようなことは控えてゆっくり備えよう……と思っていたのですが、聖地巡礼として未訪問だったスポットへ1つだけ行きました。それは「加賀友禅会館」。せーはすでキャスト6人が加賀友禅体験をした施設であり、加賀友禅コラボの中心地と言ってもいい場所です。
さらっと見て出るつもりだったのですが、意外や意外、蓮ノ空の特設スペースがあったりせーはすで作った友禅染の実物が展示されていたりと、もの凄く力が入っています。コラボの衣装デザインに関するコメントなど、加賀友禅の作家さんがメンバーの背景や設定を把握した上でしっかり考えてデザインしてくれているんだということが知れます。
これにて蓮ノ空の聖地巡礼の旅は終了。その後はシンデレラガールズの物販に行ったり会場前で名刺交換をしたりと本業に勤しみ、終演後は上りの新幹線が終電ギリギリだったので途中でレンタルサイクルを借りて急いで金沢駅まで戻り晩飯を食う間もなく新幹線に乗り……とバタバタだったのですが、とにかく最後の最後まで濃密な3日間の旅となりました。
まとめ
3日間で合計50kmほどウォーク+ランで金沢の名所及び蓮ノ空聖地を巡りましたが、予想以上に多くの舞台を訪れることができました。名所がかなりコンパクトにまとまっている街だということが分かります。上で書いた以外にも駅周辺や近江町市場、香林坊周辺などを散策したり神社に参拝したり歴史的建造物を見たりしているので、もはや名所だらけと言った方がいいかも知れません。
蓮ノ空女学院は山の中にあるという話ですが、それが卯辰山のことであれば金沢の市街に出るのも比較的容易であり、例えば部活のトレーニングとか学校のマラソン大会などで金沢城・兼六園あたりまでランニングするというのも十分にあり得る距離感です。また、寮と市街との往復バスが非常に少ないという制限がある中でも多くのスポットで活動しているのも全く不自然ではありません。(山頂付近と麓ですが、卯辰山見晴らし台とひがし茶屋街は実は1kmくらいしか離れていません)
一旦市街に出てしまえば、ちょっと歩けば大体なんでもあるし、少し遠くてもバス路線が充実していて運賃も安いので気軽に利用できる。今回の旅の途中、学校帰りの高校生がスタバにいたり街中のベンチで話していたりする様子を見かけましたが、蓮ノ空女学院の生徒達も休日のたびに香林坊や駅前の辺りに出かけ、カフェやショッピングを楽しんだり図書館で過ごしたり、たまには兼六園や美術館、博物館などにも行ってみたり……そんな風に過ごしているのでは、と想像できます。
最初に述べたとおり、昨年12月の異次元フェス以来のにわかファンである私ですが、背景となる金沢の街を詳しく知り、自分の目と足で感じることにより、その前面に立つ彼女達の姿がより鮮明に見えるようになる。金沢の街に生きて、そこで様々な活動をしている彼女達の様子を思い浮かべることができる。そんな感覚を得られた旅となりました。