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私は幸せ者
ある、カラリと晴れた日の朝。荒木家の庭で、白いタオルや真っ赤なTシャツに、ワイシャツを次々に干しているとき。
私は、あぁ幸せだなぁと染み入る。
青い空の下で干せるなんて、なんてすばらしいんだろう!
夫は、いつも優しいし、これ以上幸せな女っていないよね。
由梨は、洗濯物を干しながら、ささやかな幸せを毎日感じる自分を選んだことに、ありがとうと言いたくなった。
そう、幸せは感じるもの。
ふと、でもね、と悪魔が囁いた。
旦那さん、幸せ太りしてきたじゃないの、と。
夫の身体が心配になってきて、出不精な夫と休日散歩に出掛けようとするけれど。
夫を外の世界へ引っ張り出すのには、骨がおれて。
結局、出不精な主人に合わせて、今日もカラリと晴れた日の良さを由梨が味わえたのは、洗濯物を干すときだけだと、気付いてしまった。
私は、不幸せ、に感じた。
TVで、防犯のために、花粉症のために、部屋干ししている人たちの話が流れてきた。
やっぱり、私は、幸せ者だ。
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