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cakesのサービス終了発表に寄せて。
2022年5月25日。
2022年8月末をもって、cakesサービス終了のお知らせをcakes運営が発表した。
原稿の扱いや無責任さにたいして、一部で揺れてるみたいなんだけど、サービス終了予定日前日にサービス終了を発表し、いきなりサービス終了して逃げたオンラインゲームコンテンツ(もちろん課金要素もあるし、返金対応ゼロ)とかも私は長いネット生活で観測したこともあるから、サービス終了予定日3ヶ月前にサービス終了の発表してる時点で、まだcakesはマシな方だなとは思う。
比べてるレベルがひどすぎるやろという説はあるけど。サービス終了発表して翌日にソッコーでサイトに入れなくなったら、そらもう笑うしかないよね。今回のcakesは、そこまでひどくはないんだからさ。
みんなね、cakesに期待しすぎたんだよ。
ほんま、それだけ。
わかるけどね。あの頃のcakesは面白かったからさ。電子書籍の可能性というか、電子雑誌の売り方の一つというか、テキスト文化の課金プラットフォームの集大成をやってるサイトではあったかなと思う。
ただ、集大成ということは、次の時代のやり方もすでに芽が出ていて先も見えとる時期に出てきたという面もあるので、こんなのは、稼げる一瞬の瞬間風速で乗って稼いで、そこに寄せたコンテンツが消えてもかまわないくらいの気持ちでやるほうが気楽ではあるのだよね。
もったいないと思うかもしれないし、消えてほしくないと思うのかもしれないが、ホントに消えてほしくないと読者に思われていたのであれば、紙の書籍化されてるし、どこか別のサイトに魚拓されたりスクショされたりして、たとえ断片であっても残っていたりするものでもあるから、読者にとっても、そこまでの思い入れをもっていただけなかった、残酷ではあるが、ただそれだけの話ではある。
「この程度であれば、無料で読み捨ててもいいじゃない」という日本語話者の実際の態度があるので、もうテキストでお金を稼ぐことは本当に難しい。才能があるとかないとかの話をこえてて、テキストの時代から、動画配信の時代へ移り変わってきたという、ただそれだけの話。
本が売れないのは、本がほしくないからというよりは、本を買うためのお金よりも生活資金を優先したり、税金の支払いを優先したりしているからというのも大きいんだけども、無料のSNSのやり取りのなかで、誰でもいいのであれば無料でそのとき吐き出す人をつまみ食いする程度でいいと気づいたことも大きいのかもしれない。
すると、もう、何を題材にして書いてみても、どんなに内容が面白くても、どんなに内容がためになっても、役立ってても、テキストの時点で、溢れきってて、探しきれない。
才能あっても埋もれる理由も、結局、やってる人が多すぎるから。
しかも、長いテキストを読む時間も気力も足りてないのだ。
渾身の十万字コンテンツを発表したって、今はもう、誰も見ようともしないだろうし、読もうとしないだろう。
そんな時代の変化のなかでの判断だろうと思う。
そう考えると、姉妹サイトである、ここnoteの先も見えとるよなぁという感想にはなる。
長いことnoteで色々書いてきたし、noteまでサービス終了しサイトに入れなくなる日までは、noteになんかしらの記事を残しておこうと思ってはいるんだけどね。
実際のところ、noteというプラットフォームは、ある意味、今のnoteの運営会社の終焉になりかねないほどのメインコンテンツではあるから、当面はnoteに注力してくるだろうとは思ってる。
しかしながら、noteでサークル機能リリースされ、実際に使ってみると、有料掲示板的なフォーマットであったところを考えると、サークル機能をリニューアルしてメンバーシップ機能にして、より充実させるとの発表についても、そんなに期待できへんよなぁと感じてる。
時代が求めてるのは、どちらかというと、ストリーミング配信であり、短い尺の動画配信機能であるから、そのどちらも実装していないnoteは、これから課金プラットフォームとしてやっていくのはしんどくなってしまうだろう。noteにあるのは、You Tubeのリンク転載機能と、音声録音発表機能ぐらいなので、これで課金コンテンツとして引っ張るのは無理筋に近いのだ。
しかも、近年では、スマホユーザーの多くが内部ストレージの負担軽減のために、使わないアプリを削減したり、そもそも新しいアプリのインストールを控えだしたりもしている。なので、アプリの壁をこえて、他の新しいユーザーを引っ張り込むことは、昔以上に困難になってきている。
動画配信サイトはYou TubeとTicTokで当面の勝者決まりそうな気配がするし、ストリーミング配信サイトにしたって、乱立はしてるんだけど、どのサイトも結局は知名度の高い配信者のファンが追いかけてくることで新規ユーザー獲得する戦略に頼りすぎてて、サイトそのものの知名度がない。
ツイキャスはストリーミング配信の世界では大手と言われてはいるが、独特の雰囲気もあり、知らない人も多いと思う。
そして、私の中で、テキスト文化的に革命起きたなと思ったのは、Twitterにスペース配信機能が実装され、人気を博していることである。
いつものSNSの延長線上としてのストリーミング配信という立ち位置自体は、すでにインスタライブなどがあったとはいえ、テキストに馴染んできた人々と配信に馴染んできた人々とのアプリの壁というものは、それまで分厚いものがあったと感じていた。
テキスト文化に馴染んできた人々の中には、配信文化に触れたことすらない人も居てたレベルで分厚かったし、配信に馴染んできた人々に向かってテキストを売るのは、とてもしんどいものがあるなぁとも感じていた。
これを溶かしたのが、テキスト文化の代表格SNSのTwitterで、ストリーミング配信機能がついたということと、そのストリーミング配信機能に参加したことのあるユーザーの増加である。
スペース配信であれば、聴いたことのある人々も増えてきた。
とともに、このTwitterのスペース機能というものは、ホストの知名度と人の集まり具合と登壇する話者の性質によって、場の流れが変わるということが残酷なまでにさらされてきたりもしている。
なので、Twitterでツイートがバズる人々同士で集まって語るスペースに100人単位1000人単位の人々が集まる一方で、少人数しか集められないスペース配信では、その枠に入ることすら、戸惑われてしまい、「人が集まらないから人が集まらない」という現象もあらわれている。
すると、まずは、テキストでツイートがアルファアカウントに見つかってRTされるなどして、アカウントがバズってフォロワーが増えてから、スペース配信の枠をあけて、アルファ同士の対談に参加し、「人が集まるから人が集まる」というサイクルに流れをのせていく姿も観測されるようになってきている。SNSのサイトそのものにしても、LINEとYou Tube以外のアカウントをつくらない人が増えてきていて、SNSそのものが、「人が集まるから人が集まる」SNSと「人が集まらないから人が集まらない」SNSとに分かれつつある。
だから、noteはこのままだと、「人が集まらないから人が集まらない」方のサイクルの方に傾いてしまうだろうし、新しい姉妹サイトとして、ストリーミング配信サイトを別に作っておき、そちらに軸足をのせることもできるようにする戦略に踏み出すにしても、タイミングが遅くなりすぎてる。もうストリーミング配信サイトの戦国時代も終わってて、ストリーミング配信専門サイトの勝者は実質誰もいなくて、ユーザーの多くの体感としては、テキストも画像も音声も発表できるサイトの中の一つの機能として集約されかけているのだ。
今のこのタイミングでnoteが会社存続のためにできることの最善策としては、noteに、Twitterのスペース配信機能の真似をした新機能の実装しかないかと思われる。
noteの中で、即時的かつ双方向で音声コミュニケーションがとれるストリーミング配信機能をリリースすることで、noteの表現の総合プラットフォームとしての立ち位置を完成させていくことしか、ないんじゃないのかなと。
Twitterとちがい、noteの場合、元々マネタイズ機能があるので、こうすると、一つのサイトの中でマネタイズが完成するという強みを活かしていける。
Twitterのスペース配信は有料化すると人集まらないのではないか(というか有料化させる方法もイマイチわかりにくいし、有料化してもお金を支払える人の層が日本語話者には少なすぎる)という懸念もnoteなら払拭できる。
かつてTwitterで「人が集まるから人が集まる」サイクルに乗れた人の中には、あまりにも人が集まりすぎていて、しんどくなった人も多く、そのような人の逃げ場としてnoteは横でユーザー獲得してきた歴史があるので、このやり方はじゅうぶん勝ちパターンになる可能性はある。
ストリーミング配信サイトの歴史を紐解いてみると、テキスト文化の中でだと、文章が読めないので、あらかじめ弾かれてしまっていた層にも馴染みやすい表現スタイルであるがゆえに、ストリーミング配信は、配信者と荒らしやケンカといったことをやってしまうユーザーの排除に苦心してきたところもある。
Twitterのスペース配信で、とりあえず人を登壇させて喋らせてみたら、とんでもなく危ない人で場の空気感が凍りついたとき、その後の持ち直しというものが、難しいという問題がスペース配信にはある。
というか、これは、ストリーミング配信機能全般に言える問題で、ストリーミング配信は声で伝えられるから、テキストよりも情報量が増えるぶん、発言者への質問力とか、場の空気感をつくるための声質だとか、しゃべるときの感情コントロールだとか、そもそも話の内容を理解できる知能があるかないかなどの、コミュニケーション能力の下地の能力が残酷なまでに開示されてしまう。
コミュニケーション能力が高い人々が穏やかに仲良くおしゃべりしている一方で、コミュニケーション能力が高い人々からは弾かれててて登壇する機会すらない層は、叫び声や雄叫びをあげながらケンカするスペース配信を開いてしまい、それを好む層で集まり、それすら耐えれず、人を集められない層は、スペース配信の枠を開けることすら諦めて、ひたすらツイートしていたり、ひたすら他人のツイートをRTしていたりするという階層に、ツイッタラーが分かれつつある。
単純にTwitterの後追い機能としてストリーミング配信機能をリリースすると、noteでも、これと同じことが起きるだろうことは、わかりきってること。noteの場合は、どちらかというと売上というカタチで出てくるだろうから、より残酷になるかもしれない。
という懸念もあることも私は理解できるのである。
また、別の戦略としては、note内で、短い尺の動画投稿機能をリリースさせ、TicTokやYou Tubeのショート動画機能のように、シャッフルしていろんなユーザーのショート動画をずっと見ていられる機能をつけることも考えられる。
ひょっとしたら、この夏に実装するというメンバーシップ機能は、このショート動画機能に近いのかもしれないけど、運営は、それが人気ある機能であることに気づいてるのかすら怪しいので、あんまり期待してない。
ショート動画をダラダラ見るという時代に合わせたコンテンツ作りをしていくとしたら、顔出しで早口で喋ったり、ショートコントを作り込んだり、一紙切れ一枚をじっくりうつしてみたり、一発ネタ一言ぽんと乗っけたりする作り方のコンテンツしか作れない(尺の枠的に)という問題はある。
ただ、ショートの枠でバズって好きになってもらってから、長い尺の動画も見てもらい、そこでも好きになってもらって、時間合わせてもらい、ストリーミング配信して投げ銭してもらうという流れができているので、この流れをnoteではできないのは、この先のプラットフォームそのものの存続としては、しんどい部分もあるかもしれない。
ただ、私は、残らないコンテンツという部分の利点もあることも知ってるので、この文章ごとnoteに捧げた文章が全部消えても別に気にしないけど、みんな、出来れば、読めるうちに、買って読んでくれるとうれしいです。
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