[再編]GIVE &TAKE(著者 アダム・グラント)
読む目的
ギバー、テイカー、マッチャーの性質を知る
ギバーとして行動するために必要なことを知る
人間の思考と行動の三類型
「ギバー(与える人)」「テイカー(受け取る人)」「マッチャー(バランスをとる人)」
どのタイプでも最終的には「ギブ&テイク」になるが、そこに至る道筋が異なる。ポイントはギブとテイクのどちらが先に来るか。
人は自分の役割や相手との関係によって、この3タイプを使い分ける。
それぞれにとっての「ギブ&テイク」
テイカー:テイク&テイクン。テイクするためにその過程で取られるもの(テイクン)が出てくるのも仕方がないという考え。
ギバー:ギブ&ギブン。見返りなど関係なしに、まず先に人に与える。その結果、謀らずもどこからかお返しを貰える。
マッチャー:ギブ&テイク。自分と相手の利益・不利益をそのつど公平にバランスし、帳尻を合わせようとする。
テイカー
相手の必要性よりも自分の利益を優先で、「私たち」より「私」を使うことが多い。
大判の写真は自己賛美の現れ。実物以上によく見える自分の写真をSNSに投稿したがる。
繋がりを作る時は、近い将来、自分を助けてくれそうな人に的を絞る。
自分を偉く見せて有力者に取り入るためにネットワークを広げる。
天才はテイカーになる傾向がある。
テイカーは自分が他の人より優れていて、別格の存在だと考えるから、他人に頼りすぎると守りが甘くなってライバルに潰されてしまうと思っている。
協力関係においてテイカーは「視点のズレ」を考慮することはない。自分の観点からしか物事を見ようとしないので、他の人が自分のアイデアや意見にどんな反応を示しているか結局気付かない。
テイカーはほとんどの他人もテイカーであると決めつけている。
テイカーはエゴが脅かされることに敏感なため、立場固定(最初の決断を正当化しようとすること)に陥りやすい。
テイカーは弱みをさらけ出せば自分の優位と権限を危うくすることになると心配するため、人にアドバイスを求めることが難しい。
強気な話し方をする傾向があり、独断的で率直。
ギバー
ギブ&テイクの関係を相手の利益になるように持っていき、受け取る以上に与えようとする。
他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払う。
ギバーのアプローチは広範囲に及ぶので、たとえ利益を求めていなくても、利益がもたらされる可能性は高くなる。
「与えるチャンス」を生み出すためにネットワークを広げる。
ギバーが与えることと生産性との折り合いをつけるカギはより多く与えること。頻繁に助ける方が信頼関係が築かれ、助けた人からだけでなく作業グループ全体から有益な助けを得られる。
天才を育てる人はギバーになる傾向がある。
ギバーにとって頼り合うことは強さの源であり、多くの人々のスキルをより大きな利益のために活用する手段だと考える。
成功したギバーは、自分個人の利益よりもグループにとって最善の利益になる仕事を引き受ける。
ギバーは皆に得をさせたいと思っているので、自分の物の見方を相手の視点に合わせる。
ギバーは人を皆「大きな可能性を秘めた人」として見る時点で、リーダーやマネージャーやメンターの役割を果たしている。
ギバーは、人に投資しすぎるという失敗を一番犯しにくい。
ゆるい話し方で、控えめな言葉を使って話す傾向がある。控えめに話すことで相手に譲歩する意思、相手の意見を考慮する意思を伝える。ただし、リーダーシップを担っている場合は逆効果となる。
アドバイスを求めること(アドバイス・シーキング)はギバーにとって有利な交渉術のひとつ。ギバーがアドバイスを求めるのは純粋に他人から学びたいと思っているから。
ギバーはテイカーやマッチャーより、人の振る舞いや考え、気持ちに敏感なので、直感的に相手の真意を見極め、他人を正確に判断できる。
マッチャー
マッチャーは「目には目を」の信奉者。
マッチャーは自分の利益を犠牲にしてでも利己的に振る舞うテイカーに仕返しをしようとするが、寛大に振る舞うギバーにはきちんと報いようとする。
マッチャーはギブ&テイクの関係が前提なので、助けを求めることに居心地の悪さを覚える。
テイカーに比べてずっと「自己成就予言(他人からの期待に沿った行動をとって期待通りの結果を実現すること)」を引き起こす力が備わっている。
ギブ&テイクの関係を尊重しているので、同僚や部下が高い潜在能力を示せば、それにふさわしい対応をする。ただし、相手が高い能力を示すまで待っている傾向がある。
マッチャーにとってアドバイスを求めることは、返さなければならない借りができること。そのために人に意見を聞くのをためらう。
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