おわったシーズンのようなおわっていないPOの話(第38節を終えて)
まず、冒頭に前回私のつたない文章で綴った、自己紹介のような、北九州への想いを記したnoteを予想より多くの方々に見ていただけて嬉しい限りです。
先に富山に触れる。NACK5で行われたJ3優勝を決めている大宮アルディージャ(大宮アルディージャとしてはラストゲーム)対 3位確定POに弾みを付けたいカターレ富山は白熱したゲームが展開され、富山から1,200人が駆け付けたアウェイカターレ富山の見事な勝利で締めくくり。今季年間を通して大宮より強いチームはいなかったのだから、POに向けて良いゲームが出来た、どころかアドバンテージも含め富山がPO最有力であると印象付けられたのも事実だろう。一部で言われていた消化試合などではなかった。堅実かつ負けないチーム作りを徹底して来た富山らしい戦績で締めた。
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私は前述のnote通り、11/24(日)はニッパツ三ツ沢球技場へ行っていた。Y.S.C.C. - ギラヴァンツ北九州。前回のnoteは37節の土曜日が終わった時点であったので、プレーオフへの条件は変わっていた。いったん簡単に整理すると日曜日に行われた37節で6位の福島ユナイテッドFCが土壇場で勝利したため、勝ち点差は『3』(得失点差10以上)。ギラヴァンツ北九州の逆転でのPO進出には10得点以上かつ、6位福島ユナイテッドFCが敵地でいわてグルージャ盛岡に大敗する事が条件となった。余談だがちょっと前、2021シーズンの最終節と似ている。髙橋大悟(現大分トリニータ)頼みだったあのシーズン、山形相手に大量得点と降格を争うライバルの負けが必要だった。三ツ沢でもこの話をしているサポーターがちらほら居て耳に入って来た。
可能性というのは語れば付きない。当たるワケがないのに年末ジャンボを買う夢追い人,脈ナシからアタックする猛者,学歴フィルターを建前上無しするためだけに数パーセント設けられた枠に参加出来ただけで意気込む人,などなど生きていると出会う可能性がゼロではなというだけの、実質ただの幻想に囚われている人は見かけたことがあると思う。
もっと角を立てて言ってしまうと可能性に掛けるシュチュエーションで有名なセリフの『諦めたらそこで試合終了ですよ。』が私は好きではない。フィクションであり結果から逆算されているからだ。諦めたらそこで試合終了ですは2009年夏の決勝(中京大中京-日本文理)を思い出せ!に世の中置き換わらないものだろうか。いや置き換わらないだろう。でもこちらはノンフィクションで結果は負け。だからこそしっくり来る。そしてこれこそが世の常なのだ。
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さて、ほぼ可能性の無かったギラヴァンツ北九州だが、私のように『諦めたらそこで試合終了ですよ。』は好きじゃないしーの姿勢で観るのが正しかったかと言うとそれは違った。
北九州の選手たちは前半の開始からフルスロットルでY.S.C.C.のゴールへ迫った。何かの弾みで大量得点だって望めた展開であったし、ゴールに吸い込まれないボールに悔しそうな表情を浮かべる選手を見ていると北九州は選手スタッフ監督誰一人としてプレーオフ進出、そしてJ2復帰の望みを棄ててはいなかった。これだから応援しがいがあるというもの、であった。師走の足音も聞こえてくる三ツ沢のアウェイスタンドは冷たい浜風の風下となり、更に時間の経過とともに弱まる希望のともしび半分、体感温度半分の心身の寒さの中でも試合が進むごとに一喜一憂しボルテージが高まっていったのを覚えている。
私の押しの選手のひとり、高昇辰選手の一時勝ち越しゴールが決まった時の喜び、試合終了間際に何度も見た事があるような失点に肩を落とす、まで2024シーズンに相応しい流れであった。この時後半ロスタイム、アウェイゴール裏の望みはいつしかこの悔しさを糧に来季昇格するんだという熱量に変換されていた(個人的な解釈)ように思えた。そしてその願いはひとつの道筋を示して長い笛を聞くことになる。
順位こそ確定してもリーグ戦のホーム最終でサポーターに意地を見せたいY.S.C.C.は同点からさらに逆転へ畳み掛けようとする流れであったが、カウンターから髙橋隆大選手の渾身のクロスから乾貴哉選手のドンピシャヘッドでゴールネットを揺らすとこれで試合終了。Y.S.C.C.の同点ゴールからリスタートの時点でロスタイムの時間は経過していた(時間を見ながらゲームを見ていた)のでVゴールのような決着であった。さながら来季はこういうシーンをもっと見せるよ!という増本監督と選手たちからのメッセージのようであった。観に来て良かった。
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この試合についてもう少し触れると髙橋隆大選手は今季途中加入のプリンスこと藤原健介選手の登場もありなかなか出番に恵まれなかったが、6月の天皇杯J1アルビレックス新潟戦でも猛威を奮っており、明確に他の選手にはないリズムの違いを生み出せる選手なので相手にとっても対策しづらい嫌らしい存在だと思われる。コンデションやフィットの問題はわからないが、契約更新となるなら来季はもっとリーグ戦でプレーを観たい。
そして、野球でもサッカーでも俗に言うセンターラインがこれほど大事なものと感じたシーズンも無い。そう。GK田中悠也選手の離脱と、結局不在のままだった永井龍選手の代役、良くも悪くも藤原健介選手の目立ちすぎという3つの問題だ。田中悠也選手離脱後の(A)いわてグルージャ盛岡戦は明らかにディフェンスラインとGKの距離感・連係にミスディレクションが起こっていたし、その後の大谷幸輝選手も全盛期の頃のそれでは無く、消去法的な起用となってしまっていたのは否めない。対戦相手のY.S.C.C.は守護神で安定感のある岡本亨也選手が居ながら、夏の補強で後東尚輝選手を徳島から育成型期限付き移籍で獲得していたのだから、見ていて羨ましい限りだったのは本音である。田中悠也選手はまだまだ長い目で戻って来た時に万全を期して欲しいと思うので、個々のレベルアップは勿論、競争相手となるGKの獲得に動いて欲しいと願う。個人的には永井堅梧選手,永井建成選手,大西勝吾選手あたりが北九州に合うのではなかろうかとプッシュしたい。
他にもひょっとしたら良いオファーが有りそうだなとか、出場していたし居て欲しい選手だけど満了となりそうだなという予感のある選手はいるが、クラブと選手個人でより良い方向になればと祈るほか無い。(ただ、どうしても推しの高昇辰選手はお願い残って🙏高昇辰お前が必要)
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もう一度、忘れてはならないのが昨季20位だった事。何かの掛け違いで今ごろJFLにいた可能性だってある。そこから増本マジックとファンサポーターの後押しによって向日葵はよみがえった。その一方で7位は喜ばしい成績かと言うとそれも違うだろう。13戦無敗の勢いギラフェスの後の2-3位を猛追していた頃を考えるとPO圏外となったのはまだまだ勝負弱い修正点がある。反対に今のサッカーのスタイルを2.0とした上でここを直せば勝ち点をいくつ積み上げられるのか楽しみしかない、とも思っている。最終節がおわったところなのになんという、ああ、もう来季の始まりが恋しいではないか・・
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シーズンが終了した最後にみなさまへ
そして、あらためて今シーズン関わってくださったすべての方々へありがとうございます!と伝えたく残りを記します。
カターレ富山というクラブの中でたくさんのフォロー/フォロワーに恵まれ、スタジアムでも顔を合わせると温かく迎えてくださったみなさま。ゲーム後の打ち上げを呼び掛けるも無事(?)1人打ち上げとなった長野戦,松本戦やルヴァンカップ平日ナイターの札幌へ有休1.5日分使って引き分けを持ち帰ったのもいい思い出です。笑
ギラヴァンツ北九州を応援する中で、元々が大学の友人や職員さんと観に行っていたので繋がりこそ多くはないものの、たまたま仲良くなったユーチューバーさんや新潟10万人居ると言われるギラサポのみなさんと知り合えてとても楽しかったので来季も引き続きよろしくお願いします!
また、Y.S.C.C.はチームの形としてすごく好きなクラブで地域はファミリー!私は親戚!と勝手に言っていたところ、不思議な縁で多くのサポ仲間さん、J3ファミリーと知り合えたこと。横断幕の写真撮影の手伝いをしたり、入場待機列で同じ色だったり違う色でも分け隔てなく付き合ってくださり、嬉しかったです!過酷な戦いが待っていますが、必ずやJ3残留しまた来年会いましょう!(元はY.S.C.C.繋がりから盛岡でめちゃくちゃ楽しかったことも忘れてはならない!笑)
そして盟友であり親友のよしせんさん繋がりから知り合えた奈良クラブサポのみなさま。奈良クラブが無ければ、あの時遣唐使様と写真を撮っていなかったら、よしせんさんからリプライをもらえなかったら、今の私はありません。あらためてロートフィールドでの思い出と、勝手ながらスペース配信などを通じ素晴らしい仲間と応援する機会があったことに感謝しかありません。
今シーズンお付き合いいただき、ありがとうございます。そして願わくば来季もまたよろしくお願いいたします。