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余談~たわごと日記~異類婚から
◆ 「異類婚」から 「色気へ」
今回は少し視点を変えて、前々から気になっている事を考察してみる。その視点から、稽古を見つめてみたい。
それは、かねてから興味を惹かれている 「異類婚姻譚」。… これを自分でどう捉えたら良いのか頭を悩ませていた。そしたら、ふと 「色気」が脳裏に浮かんだ。
異類婚姻譚から色気への道のりを、辿ってみることにする。…書かないと自分でもわからん…。
発端は数年前、ファンである美術家の鴻池朋子さんが自身の芸術への姿勢について、「異類婚する覚悟で取り組む」と本で語っておられたことだ。( 「どうぶつのことば ―根源的暴力をこえて―」鴻池朋子 より)
何故、何処に魅力を感じたのだろう。
私にとっての異類婚とは何だろう。物語にあるように、人間以外の動物と婚姻を結ぶ、という感じではない。むしろ、人間の中の異類な部分というか、自分の中にも他者の中にもある、掴みきれない謎な所。知らない場所。そういうモノ達と契りを結んで、知っていく、未知の世界に入っていくという感じかな。。
でも何故、そこでわざわざ異類婚?
…うーん、掟破りなタブーの匂い、血生臭さを感じる。綺麗事では済まされないような、境界線を超えていくような危うさ。そのような想像力に掻き立てられてしょうがない。
もしかしたらそこには、「女」としての何かが蠢いている感もある。男と女、我と汝、女性性と男性性、陰と陽。太陽と月。対になって分かれているもの。ふたつでひとつ。片割れが片割れを求めて、自身を超えようとしている。性の背景、その秘密とは?何が隠されている?
未知な世界と 「契り」という形で関わる。それは供犠にも似ているのかも知れない。性、血、死の匂い。約束。それは性行為を行う訳でも、血を流す訳でもなく、むしろ別な何かの契りの方法を探しているのかも知れない。この世界との契りを。
だから踊りをやっているとも言える。
踊りの稽古では、エネルギーと繋がることを大事にしている。最近言うところでは、イマジネーション界との繋がり。“貫かれている” という繋がり方。未熟ながらも、繋がっている感覚というのは、本当にカラダに作用する。感覚、感情、動きが全然変わる。イマジネーション界は、きっと物凄く豊かで創造に満ち溢れた所なんじゃないかと思う。
そんでもって、今まで少し言葉を慎んできたが、色気に溢れているのだ。しかし性的興奮を誘発するような色気ではない。そうではないのだ。
私は、異類婚に何を見ているか。
稽古をしていて思うのだが、人が何かを深く感じ、そのエネルギーに貫かれている様は、本当に神秘的で美しい。心を動かされる。そこには色気も自然と醸し出される。イマジネーション界と繋がっている、とも言えるのだろう。
最近、何故由良部さんの踊りが魅力的なのか考えている。稽古で少しずつ、わかってもきている。イマジネーション界がカラダに現れる=無限が有限に現れている、微細に微細に。それを見て美しいと感じているのだ。色気とは何だろう。美しさとどう関係する。繋がると色気は自然と溢れてしまう。濃厚で信じられないくらい柔らかな、命の声みたい。そんな色気。気持ち良くて愛おしくて美しい。ずっと見たかった美しさ、というのか。
ということは、私達が繋がっている世界は、エロスに溢れているということか。創造性、愛、エロスに…。そこは私達の命の源。私達の命を支えている世界には、本来そのような煌めきが溢れているということ?
私達は例えば、毒のある感情にも繋がることができるけど、そこはとても窮屈だったりする。それは全体の一部でしかないからだろう。その世界だけでは私達を存分には現せない。イマジネーション界は、無限に大きくて、きっと全てを包み込んでいるから、存分にエネルギーを現すことが出来てしまうのだ。
その世界と繋がっていこうとする意志。
異類婚との繋がりはここに見つけられる。
異類婚は、通常の、今までの意識では通用しないということの現れ。境界線を超える試み。自分自身のカラダを、人生をかけて。見えない血がながれ、見えない契りが交わされる。人生が、自分自身が変わることが、その証明になる。
これを、この意識の変革を踊りであらわす試みを稽古でしているのだ。初めて踊りを見た時から、たぶん知っていた。「血で分かっていた 」そうとしか言いようがない。頭でわかってた訳ではないから。だから、こんなにも心が惹かれている。普通じゃないではないか…全く。
昔々の異類婚の物語が持つ凄みは、時代が変われど私達の心を打つ。私は勝手にアレンジして解釈してしまったけど、でもスピリットはそのままだ。
ただ、異類婚には危険が伴う感じだけど、アレンジした私なりの異類婚には危険はない。踊りの稽古に危険がないように。ただ意識の変革があるのみだ。世界がひっくり返るような。
まだ全然、、、考察は足りないけれど、もうこれ以上、今は無理だ。。。またいつか。