057ケーキ買って改札で恋人を待つの、絶対幸せやろ?
今日、帰宅途中にその男性はいました。
FOUNDARYのケーキ片手に、寒空の下、改札の外で恋人を待っています。
FOUNDARYは都内のケーキ屋さんです。1ピース500円~900円くらいします。デパ地下や百貨店にあります。
伏し目がちに、時々あたりをきょろきょろ見回す素振り。
小さな白い箱を両手で大事に持つ姿。
こげ茶色のマフラーに顔をうずめて、小刻みに身体を揺らしています。
「待つ」って、こんなに良いモノでしたっけ。
世の中にはいろんな「待つ」があります。
僕は時々、待つのが好きです。
それは、待った後にくるものが楽しみな時で、
近いうちにちゃんと来てくれることがわかっている時で
自分が待ち時間よりも早く来ちゃうような、ルンルンしている時です。
改札の外で、ケーキの箱を持って、恋人を待つ。
こんな幸せにあふれたシチュエーションが他にあるでしょうか。(いや、ない。)
彼の待ち人が来たかどうかは僕にはわかりませんが、願わくば二人が無事落ち合って、楽しいひと時を過ごしていたらと思います。
街中で見かけただけの僕を、幸せな気持ちにしてくれてありがとう。
編集者は、こういう仕事ができると思っています。
人に気づきを与える仕事。
人に幸せを与える仕事。
人の価値観を揺さぶる仕事。
今日もコツコツ積み上げます。
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