唄うということーamazarashiライブレポ
グランキューブ大阪にて行われた、amazarashiというアーティストのアコースティックライブ。ツアー初日。
ようやくか、という気持ちと、もうか、という気持ちが半々のまま、照明が消され真っ暗ななか、拍手の雨と共にそれは始まった。
いきなりこの曲からだなんて。ずるい。
というのが正直なところ。
そこから何曲か秋田ひろむ氏が続けて一人で弾き語りをして、中盤からは豊川さんのピアノとコーラスが追加。
個人的に、この二人編成での「光、再考」は最強に感情を揺るがしてくると思っているのだが、本当にやられた。心臓あたりがぎゅっとなったり、涙と鼻水でマスクしてる意味を成さなくなったり。
曲の最後、照明がバシッとキマったのもさすがだ。
終盤は、バンド編成。
とはいえ、アコースティックライブなので、基本的にゆったりな感じ。歌詞を聴かせ、いつもより心が敏感になる。みたいな。
驚かされたのは、12、13曲目。最近頭から離れなかった曲が、まさかのセットリスト入りだったこと。
イントロでわかった時は思わず「えっ」と小さく声を漏らしてしまった。
それともうひとつは、新曲が披露されたこと。
こちらは最後の最後に弾き語りで。
何となく予想はしていたけど、新曲の歌詞が、具体的というのか、身近過ぎるというのか、とにかく驚いた。
今回のツアー名「騒々しい無人」って、観客もだけど、ひょっとして秋田さんのこと?
と、思うライブだったな。
みんな、色々抱えながら生きていて。それは、怒りだったり悲しみだったり、喜びだったり、あるいは葛藤だったり。つまり頭ん中はざわざわうるさくて、「騒々し」くて。でもその騒々しさは、まだ言語化できてなくて、形や器が用意されてない状態で。ある意味「無人」状態。
けど、だからこそ「唄」があるんだろうな、って。
まぁ、そんなようなこと、秋田さんは一言もおっしゃってないけどさ。
「10年後も、20年後も……また、こうやって唄って、皆さんにお会いできたら嬉しいです……」と秋田さんはライブを締めくくる。
「歌いたいうたを唄い続ける」。「何となく好きだから唄う」。「嫌だったけどなぜか唄いたくなった」……。
それで良いのだと思う。
それが良いのだと思う。
唄があって、よかった。
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